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<豆知識>割れた筆の直し方①

意外と直せる筆

この記事をご覧の方の中には、筆をちゃんと洗わずにいて筆が固まって使えなくて困ったってお方だと思います。
私もその気持ちはよく分かりますが、最近は割れることはなくなってきました(筆による)

実際私も小さい頃は筆をちゃんと洗うことを知らずに何本も筆を駄目にしました。
(お父さん母さんごめんなさい)

筆割れ   
原因は大抵の場合、筆の根本部分から軸の中の部分にあります。
ここに墨が溜まり固まることによって筆が割れます。

そのような状態になっている筆は乾いているときにお化粧の筆のように穂先が開いていることが多いように感じます。

でも意外と筆って直せますし、お手入れ次第で防ぐことが出来ますのでこれから紹介する方法を是非お試しください。

(【割れた筆の直し方②】も参考になる内容ですので是非ご覧くださいね!) 

2023年1月、書道家藤井碧峰の総力をあげて
【書道家が筆の洗い方、直し方をメーカーの知恵も借りながら全力で考える】
という記事を書きましたので、是非ご覧くださいね。  

ペットボトルと洗濯ばさみがあればOK!

用意するものはペットボトル洗濯ばさみ(もしくはクリップ)だけ!
筆直しグッズ

こちらにお湯(思い切って熱湯を入れることもあります)を入れます。
筆の軸部分にクリップをつけて毛先が完全にペットボトルの底に着く手前で固定します。
このまま1日ほど放置します。(出来ればたまにお湯入れ替えるといいかも?)
筆直しグッズ

時間が経てば少し黒ずんだ水に変わっていると思います。
これが悪さをしていた墨ですがまだ安心できません。

次に筆をお風呂程度の温度のお湯をタライに溜めて洗います。
これによって筆の根本部分に溜まった墨をほぐして綺麗にします。

水では駄目なのか?という疑問に対しては、墨は温度が高いほうが溶けやすいので必ずお湯で洗うようにしてください。  

筆は吊るして乾かす

自作筆掛け
こちらは自作の携帯用筆掛けですが、私は意地でも筆を吊るして乾かします
小さい頃はペン立てに筆を立てて保管していましたがこれは厳禁です。
物掛けなら100均で売っていると思いますので必ず吊るして乾かしてください。

筆は洗って白い毛が見えて綺麗になったように見えても、実際には筆の根元の奥には墨が残っていたりします。
タライで洗うことを推奨するのは、なかなか筆は洗っても洗っても墨が抜けきらないということを目で確認して頂きたいからです。

筆を吊るしておくことで次の日見てみると穂先が黒くなっていたりします。
これが抜けきらずに重力で下に降りてきた墨なのでまた洗ってください。  

筆直しのお助けグッズ「筆シャン」

筆シャン 
こちらの商品は筆屋さん泣かせの商品(←筆屋さん自ら販売しています)だと思いますが、良い商品で何本も筆を復活させてきました。
値段はそこそこしますが、最初から蘇らせたい筆が何本もあるのなら買う価値あります。

使い方は、筆を洗う時に筆シャンをつけて根本をよく洗うだけ。
これだけで泡立ったシャンプーがどんどん黒くなっていくので楽しいです!

裏技ですが、ペットボトルにお湯を入れて筆を直す際にこの筆シャンを入れてみたりもしました。
どのやり方もあくまでも”自己責任で”という形になりますが案外落ちますし、壊れていた筆ならどうなってもイイや、って方ならやる価値はあるかもしれません!?  

長持ちさせるために大切なのは良い筆と良い墨を使うこと

墨屋さんや書道用品店でも同じことを聞きますが、長持ちさせるために大切なのは良い筆と良い墨を使うことです。

良い筆という定義は難しいですが、少なくとも100均やホームセンターで売っているような筆を使っていても長持ちしませんし上達しにくいです。
筆は単に毛の寄せ集めに見えますが、構造が大切なので品質は値段なりになります。

良い筆の定義を羊毛筆とするのは語弊があるかもしれませんが、羊毛筆は手入れさえマメにしていれば何十年も使えます
実際に私は小中学校の頃の筆を20年経っても使っています。

墨運堂「液墨」 
良い墨とは何かという点ですが、固形墨は筆に優しいのでおすすめだと筆屋さんも仰ってました。

私は↑の墨運堂「液墨」を使用していますが、こちらの商品は固形墨を液体にした商品で、筆を洗う時間が2分の1から3分の2くらいに減りました。
実際使い心地も良いし、値は張るけど良い商品だと思います。  

まとめ

得意の長文になってしまったので最後に筆の洗い方についてまとめます。 

・お湯で洗う
・タライで洗う
・筆の根本を洗う
・筆は吊るして乾かす

以上の点を気を付けて大切に筆を使ってあげてくださいね!!

この記事を読まれた方には以下のブログ記事もおすすめですので是非ご覧ください。
「<豆知識>割れた筆の直し方②」
「書き初め筆の話と上手く書くコツ」
  

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