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書き初め筆の話と上手く書くコツ

書き初めは良い筆があってようやく上手く書ける

12月半ば、小中学校では書き初めの練習シーズンでしょうか?

今回は書き初めのコツみたいなものを、筆の大切さについて触れつつ述べさせていただきます。

本来ならテクニックをメインにされるのかもしれませんが、子供が書く以上は基本的に筆の手入れを怠ったことによる筆の故障、それに伴う性能悪化が先に出てしまい書く以前の問題になりますので、そこについて大切に述べさせていただきます。  

書き初め筆

私が小学校の頃から使用している書き初めの筆です。

奈良筆 博文堂さんの「樹」という筆ですね。(当時3,000円)
おそらく白馬毛です。 

筆の大きさについては穂の太さ×長さ=20 x 85mm程度です。
私の教室では大抵このサイズの筆を使用しております。

学校では書道セットのようなものを販売していると思いますが、あまりおすすめしません。

我が書道教室の生徒のそうして買った筆を見ていると、毛の質が悪くて書きにくく、あっちの方が劣化が早かったです。

またホームセンター等で売られている安い筆も同じで、安物買いの銭失いになりますのでご注意を。

何で筆が大切かというと、単純に良い筆は書きやすいからです。
安い筆、駄目な筆はバサバサして書くことにすら集中出来ないことがほとんどです。

書く時の準備も大切

墨入れ(墨池)を準備します。

書き初め道具と上手く書くコツ

墨池というのはこのような丸いタイプのものです。(普通はもっと小さいものです)

硯は墨をたくさん溜めるものではなく墨を磨るものですので、必ず↑のようなものをお使いください。
安いものと高いものがありますが、高いほうが素材も良く重みがあるので安定します。

そして墨池のふたを下に入れて、墨が前側に集まるようにします。
これによって墨を前側に集めやすくして、筆の墨も払いやすくします。

書き初め道具と上手く書くコツ

我が教室でよく使用するのは赤いキャップの呉竹 「濃墨ぼくてき」です。
ホームセンター、文房具屋さんにも置いてあると思います。

こちらは濃墨=濃い墨液ですので必ず薄めて使用してください。
ラベルの記載には「2倍程度」とありますが、書き初めの場合は黒く見せた方が目立つので慎重に薄めるように。

書き初め道具と上手く書くコツ

文鎮(おもり)斜めにセットします。
斜めにするのは極力筆が文鎮に当たらないようにするためです。

文鎮はおもりなので重くてようやくその意味があります。
良いものは大抵ニッケルで出来ていて長めのタイプです。

この点でも学校の書道セットは安物をを使っていることが多いので注意。

書き初め道具と上手く書くコツ

これは書き初めの紙の節約を意識した練習方法です。(真似しなくても良いです笑)

半紙と同じサイズですので、半紙3枚を準備して1cmずつ重ねるようにしてセロハンテープでくっつけると書き初め用紙と同じ大きさになります。

それでは字を書きましょう

書き初め道具と上手く書くコツ

墨を筆の根元までちゃんとつけ、筆全体が墨で潤うようにします。
理由としては根元までちゃんと墨をつけないと筆は自由に開閉しないため細い字になるからです。

そのあと墨が垂れない程度になるよう、墨池の突起部分で筆を拭います。

あとは子供らしく元気に書く!!
とは言っても全て筆を潰して太く書けば良い、というものでもありません。

細いところがあるから太いところが目立つ。
そう、この世の中と一緒で、色んな体型の人がいるからそれが違いとなって目立つのです。

そして子供の書き初めに関しては紙からはみ出るくらいに思い切り書いて良いと思います。

書き初め道具と上手く書くコツ

私がブログのためにお試しで書いた書き初めサンプル。(参考にしないでくださいね♪)

筆を押さえるところはちゃんと押さえて書く!これが大切だと思います。
メリハリを付ければ力強くなります。

良い作品というのは”筆を使いました”という雰囲気がにじみ出ていなければいけません。
これが下手だと”マジックで書いたような字”になってしまいます。

あと学年・名前も力強く書く!
多くの子供が「本文は力強いけど学年・名前は弱い・・」ということになっています。

そもそもの筆の太さが大切だったります。

書き初め道具と上手く書くコツ

学校の普段の授業で使う小筆は一番左くらいの太さでしょうか。(3mm程度?)
個人的には5mm程度は欲しいなと思います。

とにかく本文に合わせて力強く書くことを忘れずに。
また名前の感覚は均等に、狭くなり過ぎないように気を付けてください。

私の中学1、3年生の時の書き初め大会で金賞を取った作品を恥ずかしながら投稿します。

中学校書き初め

はい、今見ると酷い出来で笑えます。
それでも”思い切り筆を潰す箇所とそうでない箇所”がはっきりしていて、紙を精一杯使っています。

書き初め大会というものを純粋に分析してみます。

学年全員が同じ字を書き、そして審査する時は全て一緒に置かれた場所で審査されます。

その中で大切なのは・・・
目に入ってくること、つまり目立つことです。

となると太くない字は駄目です。
全部太い字も目立ちますが、それは黒いだけで字としては値がありません。

それでも駄目な審査員が見ている学校は残念ながら書道的じゃないものが選ばれますけどね(あるある)

これは書き初めでも、また大人の書道でもそうですが、
「誰が見ても、良いと認めざるを得ないものを書けば良い」
それだけのことです。

学校の手本がどうこう、先生がどうこう言う以前に、そういう気概を持って練習することが大切です。

特に子供の書き初めは練習できるのがほぼ1カ月だけで、多くの子供ははっきり言って練習不足です。
例え習字教室に行っていようと、1回でも多く充実した練習をした子の勝ちです。

とても大切なお片付け

筆は正常な状態に保ってこそ性能を発揮しますのでちゃんと洗いましょう。

書き初め道具と上手く書くコツ

書き初め筆をちゃんと洗おうとすると15分は掛かると思います。(足りないかもしれません)

ぬるま湯を使えば墨が溶けやすく、毛の奥から抜けてきます。
筆は根元が大切なので根元をよく揉んで洗いましょう。

書き初め道具と上手く書くコツ

こういうやりかたもありですが、全部は抜けきりません。
極力タライにお湯をためて洗った方が良いです。
  

洗面所が黒く汚れると思いますが、メラミンスポンジがおススメです。 

書き初め道具と上手く書くコツ

筆を洗い終えたら手で絞って形を整えます。

書き初め道具と上手く書くコツ

あとは風通しの良い場所にて”吊るして”乾かしてください。
 

この時、筆に残っていた墨が半日、1日後に下りてきて根元や穂先が黒くなる場合があります。
これを発見した時は再度洗ってください。

次は墨池を洗います。
普通に隅々まで洗うだけです。

書き初め道具と上手く書くコツ

上は使ったあとに洗わずに何度も使用した墨池。

学生が使う安い墨液はこびりつくと取れないので大変です。
ここまでになると洗っても溶けないので彫刻刀で削るはめになりますので要注意。

下は固形墨を使っている墨池なので、多少放置してもサラっと洗い流せます。(豆知識)

くれぐれも道具の管理はお気をつけてくださいね!

おわりに

長くなりましたが、ここまで読んでくださった方はかなり良い意識を持たれた方だと思います。

書き初め大会は別に頑張らなかったからといって大した問題にはなりません。
しかし、こういった何でもないようなことを頑張れる子供が将来有望だなとつくづく感じます。

字が下手だと信用を失い、学力の低い人に見られます。
字が上手だと信用を得ることができ、賢く見られます。

毎日のように接するものだからこそ必ず努力した成果が将来返ってきます。
是非応援してあげてください!^^

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藤井 碧峰 (Fujii Hekiho)

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【藤井碧峰書道教室】
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この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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