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書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

書道教室・習字教室質問あるあるを集め、書道家藤井碧峰が答えてみました

 

3年ほど書道教室をやってきて、生徒さんや他の方からお聞きした書道教室・習字教室に対しての質問あるあるをまとめてみることにしました。
書道教室の探し方、道具、習うメリット、書き方、先生とのお付き合いの仕方等、知っておくと良い書道ライフを送れるきっかけになるかもしれません。
なお当投稿における回答はあくまでも私の知る手法であって、世間一般の書道教室における常識とは断定できませんのでご注意を。  

やくしだに文化祭|金沢市薬師谷公民館

 

目次

  1. 1.書道を習うメリットは?入会するか独学か?
    1. 1-1.書道を習うメリットは?
    2. 1-2.書道教室に入会するメリットは?
    3. 1-3.書道を独学することのデメリットは?
    4. 1-4.書道教室とワークショップの違いは?
  2. 2.間違いの無い書道教室選びの仕方は?
    1. 2-1.地域の書道教室の見つけ方は?
    2. 2-2.書道教室選びを失敗しない方法は?
    3. 2-3.通信指導対応の書道教室を探すには?
  3. 3.書道教室では何をしているか?
    1. 3-1.書道教室ではどのような課題を書くのか?
    2. 3-2.書道教室ではどうやって課題を見てもらうのか?
    3. 3-3.書道教室ではどれだけの時間書けるのか?
    4. 3-4.ひと月に何回書道教室があるか?
    5. 3-5.競書雑誌って何?
    6. 3-6.競書雑誌での試験等で得られた段級の意味は?
    7. 3-7.古典臨書って何?
  4. 4.書道教室に関連するお金のこと
    1. 4-1.書道教室で掛かるお金は?
    2. 4-2.書道教室のお月謝はいくらか?
  5. 5.書道教室に関連する道具のこと
    1. 5-1.書道教室の道具選びはどうすれば良いのか?
    2. 5-2.学校の道具と書道教室の筆を分けた方が良いか?
    3. 5-3.学校の教材と書道教室の道具どっちが良い?
    4. 5-4.書道筆の洗い方は?
    5. 5-5.先生によって筆(太筆)の毛のほぐし具合が違うのは何故?
    6. 5-6.下敷きに線が無い物と線が有るものがあるが、どちらが良いか?
    7. 5-7.墨池、硯は洗わなくて良いのか?
    8. 5-8.書道教室の場で道具洗いをできるか?
  6. 6.書道教室(習いごと全般)に関連する注意事項について
    1. 6-1.書道教室(習いごと)のお月謝の注意点は?
    2. 6-2.書道教室は簡単に辞められる?
    3. 6-3.複数の書道教室に通っていいか?
  7. 7.書道教室を作りたい方からの質問
    1. 7-1.書道教室を自分で運営するメリットは?
    2. 7-2.書道教室を自分で運営するデメリットは?
    3. 7-3.書道教室を運営すると生じる妬み僻み対策は?
    4. 7-4.書道教室の先生の収入は?
  8. 8.その他、書道教室あるある質問
    1. 8-1.習字と書道の違いは?
    2. 8-2.子供の習う字と大人の習う字の違いは?
    3. 8-3.学校の書道(書写)の先生と書道教室の先生の言っていることが違うので、どうすればいいですか?
    4. 8-4.正しい筆の角度は?
    5. 8-5.先生の雅号はどういう意味があるのですか?
    6. 8-6.服についた墨の落とし方は?
    7. 8-7.他にも聞きたいことがあるので、藤井先生教えていただきたいです。
  9. 9.何が正しいか考えることは、お互いの良い関係性を生み出す

 

 

書道を習うメリットは?入会するか独学か?

 

書道を習うことで自他が実際に経験した魅力と、書道教室入ることの魅力、独学することのデメリット、ワークショップとの違い等について触れていきます。

 

 

書道を習うメリットは?

 

良い字とは何かを学び、それを書けるようになることです。また忙しい生活のなかで、何かに没頭できる時間を作れること。
奥が深く、長く続けられる趣味であるので、自分磨きの趣味として向上心を持ち続けられます。
また良い字を書くことは頭をよく使うことでもあるため、ご高齢の先生方も大変しっかりされていることが多いです。
字が綺麗な場合は賢く見られることもあり、周りからの信頼も得られることがあります。

書道

 

書道教室に入会するメリットは?

 

教室に入会することは“弟子入り”と同じ意味であり、ずっと習ってくださる(予定の)お弟子さんだからこそ、教えられる大切な内容を共有されると言っていいかもしれません。
また教室は一種のコミュニティであり、同じ空間のもとで同じような方向性を向いて学ぶからこそ仲良くなれる可能性があります。
周りから刺激を得られることもあり、人と人の繋がりによるメリットも大きいです。
大きな公募展に出す場合は書道教室に所属していないと不都合が多いかもしれません。  

中野公民館まつり|中野ふれあいセンター、中野振興会館

 

書道を独学することのデメリットは?

 

書道には周りの目が入らないと気づけないことが多過ぎる。書道教室に属しないと仲間が作りづらい。
周りから得られる刺激が足りない。新しい提案をしてくれる人がいないと、同じところに留まりやすい等。
お月謝代というお金が掛からないことと引き換えに得られないことはそれなりにあります。

 

 

書道教室とワークショップの違いは?

 

その書道教室でずっと(長く)習い続けるか、単発で終わる教室なのかの違いだと捉えています。
同じ習いごとであっても、連続性があるか単発なのかで指導内容が変わります。
それぞれで人としての繋がりの重さが違うのは想像いただけると思うのですが、それゆえに指導できる範囲が異なると言っていいでしょう。  

 

間違いの無い書道教室選びの仕方は?

 

書道教室を探す際の良い見つけ方、何を大切にすべきか等について触れていきます。

 

 

地域の書道教室の見つけ方は?

 

このホームページにたどり着く能力をお持ちなら、Googleで「書道教室 “地域名”」で検索すると、ホームページのある書道教室にたどり着けます。
またはGoogleマップを使用し、「書道教室」と調べると、ホームページが無い教室でも結構出てきます。
カルチャー教室を探すのも良いですね。
もっと調べたい場合は地域の書道用品店や画材屋さんに聞いて、お店に出入りされている書道の先生方を紹介していただくのも良いです。

 

 

書道教室選びを失敗しない方法は?

 

字を学ぶのですから、どんな字を書かれているか見てから判断すべきです。
それは学ぶ内容に合わせる必要があり、実用書が得意でも創作が苦手な人もいて、行書が得意でも楷書が苦手な人もいます。
何を学びたいか、その学びたいことをお伝えし、一度見せていただき、各自の審美眼に委ねて判断すると良いでしょう。
また、あくまでも人と人との繋がりですので、近いから等という理由ですぐ決めず、どんな人か実際にお会いして決めるべきです。

例えばの話ですが(当教室は2022年12月現在募集停止しているので)、私のようにホームページに作品集を持っている場合は、それを参考に好き嫌いを見られると良いです。
参考ページ:「書道家 藤井碧峰作品集」

5/2~5/31 北陸銀行砺波支店にて藤井碧峰書作展

 

通信指導対応の書道教室を探すには?

 

これは直接教室の先生に聞いてみるか、Google検索で、通信指導を実施しているホームページを探す、もしくはSNSで探すのが良いような気がします。
それらメディアを使用しているということは、それなりのスキルを持っている可能性がありますからね。
ただし人間関係があっての通信指導だと思いますので、その点をどう考えるかが重要です。
どうしても成長スピードが落ちる気がしています。  

藤井碧峰書道教室通信指導

 

書道教室では何をしているか?

 

書道教室の詳細は実際に体験・見学に行けば大体分かることですが、当日質問することも考えておくと良いので、あるある質問集を見てみましょう。

 

 

書道教室ではどのような課題を書くのか?

 

書く課題については書道団体ごとに発行されている競書雑誌という教材を用いて、毎月の課題を書いていることが多いです。
また公募展に作品を出品している教室では、公募展用の大きな紙に作品を書いたりします。  

中野公民館まつり|中野ふれあいセンター、中野振興会館

 

書道教室ではどうやって課題を見てもらうのか?

 

シンプルに記すと、課題を書き、それを先生が添削する。というのが書道教室なのかもしれませんが、教室を行っている場で生徒が字を書いて指導していただく教室と、各自家などで書いてきた作品を、教室で添削していただくだけの教室があります。
前者はその場で書き方を見ていただき、修正しやすいため、初心者に向いています。
後者は前者のような指導がしにくいため、ある程度自分で修正できる腕前の人向けなのかもしれません。

 

書道教室ではどれだけの時間書けるのか?

 

教室によってはやっている時間ずっと課題を書ける場合と、“1時間半で次のグループに回転”といった交代制を用いる場合があります。
私の教室では3時間やっているのですが、早く教室に来た方は3時間耐久レースをしているような感じで、ずっと長く楽しんでいかれる方ばかりです。(色んな課題を書いています)
一方で、運営目線で言えば机の枚数分しか生徒さんを募集できないので収益性は落ちます。その代わり顧客満足度は向上しているという実績があります。
交代制の場合は沢山の人を指導する場合もありますが、大きな部屋を使えない教室で沢山の生徒さんを見るためのやり方であったりもするので、一概に収益性や満足度を語ることはできません。  

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

ひと月に何回書道教室があるか?

 

月2回のところもあれば、月3回のところも。私がいた教室は土曜日の数だけ教室があり、教室ごとに回数は違います。

 

 

競書雑誌って何?

 

書道団体から発行されている毎月の課題が出る書道雑誌で、本が届いてから約1か月で作品を書いて提出します。
期限までに作品を提出すると成績(段級)が誌上で発表され、優秀作品は写真掲載されます。
昇級とともに課題のレベルが上がり、これらがモチベーション向上にも繋がり、写真版に載ったり、周りの方の作品を見ることで学べます。
競書雑誌は書道団体それぞれの個性が出ますが、漢字のみならず仮名、実用書、近代詩文書(調和体)、硬筆など色々あるため選んで学べます。また課題の他にも書道に関する記載がされており、知る楽しさもあります。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

 

競書雑誌での試験等で得られた段級の意味は?

 

それぞれの本を出している書道団体の中での評価として、上達したレベルを示しています。人それぞれに上達スピードは違うので、それが頑張る要因にもなります。ただしそれは同じ二段、師範だったとしても、広い世界で見た時に一定程度のクオリティがあると証明できるものではありません。(日商簿記検定や税理士試験のようなものとは違う)元々実力を物差しで測れるような世界では無いので要注意です。 でもそれは世間一般の人にはあまり関係ない話であり、学校受験や就職活動の際には、「(所属団体の名前を書いて)漢字部〇段」のように記載しておくと、特技として見ていただけることもあるので是非利用しましょう。 その会の中で師範資格等を取得できれば、その会の競書雑誌を使用して書道教室を開けるようになったりします。一方で、競書雑誌が無くても書道教室ができるということもあり、資格は絶対的な条件で無いことも知っておくべきです。  

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古典臨書って何?

 

書の長い歴史の中で名人の残した優れた筆跡が古典として今に伝わります。その古典を直接お手本とし、そこから字形、筆遣い、各々の古典の持つ雰囲気を真似て練習することです。
何故古典臨書をするのでしょうか?それは先生のお手本を学ぶと、先生の流儀を真似た弟子が生まれるからで、その連鎖のなかで偏った書き方が生み出され、個性ではない癖をも受け継がれます。
そこには芸術的な価値は薄れ、金太郎飴かクローンのような作家ばかりになってしまいます。
古典を直接学べば、力強い字や繊細な字、スピード感のある字やゆっくりした字など、あらゆる表現技法を学ぶことができ、型にとらわれない書の本質に沿った独自の書を作り上げることができます。
古典臨書を通して学ぶことは審美眼を育てることにもなり、見る力を含めた総合力を高めるうえで極めて重要だと言えます。

イメージ画像:天来書院 シリーズ書の古典<https://www.shodo.co.jp/shonokoten_all/

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

書道教室に関連するお金のこと

 

習いごとであるが故に人間関係を左右する危険のあるお金の取り扱いには要注意です。ではご覧ください。

 

 

書道教室で掛かるお金は?

 

藤井碧峰書道教室の例ですが、お月謝代以外には道具代、冷暖房費が掛かります。
習い始めの際に紙を一気に1,000枚買っていただくので、後から発生する費用は消耗品である墨液代や筆を変える時の購入費です。
人によっては古典臨書の世界に入ったり、半切サイズの紙に作品を書いたりもするので、本を購入したり紙代は発生します。
つまりは趣味の世界は深みに入るほど、お金が掛かると言うことですが、入る教室によってはさほど費用が掛からないと言えます。
冷暖房費については、私のところでは実際に掛かった費用を人数で割っていますが、それも人それぞれ考え方は違うようです。

書道教室道具

 

 

書道教室のお月謝はいくらか?

 

それぞれの地域、先生のクラス、考え方によって変動します。また入会金、年会費他費用が必要な場合もあるので、事前に説明を受けましょう。
なお下を見ると月額500円(子供)でやっているところも聞いたことがありますが、お金とは信用なのでどうなのでしょうか・・・

 

書道教室に関連する道具のこと

 

書道に関連する道具の種類自体多いですが、それぞれの商品数も無数にあります。
失敗しないための答えがここにあるかもしれません。

 

 

書道教室の道具選びはどうすれば良いのか?

 

各教室(先生)の書き方があるため、それに合った道具は大体の場合先生が仕入れされて、それを購入させていただくのが無難です。
先生が選定、仕入れする代わりに少し手間賃は掛かるかもしれませんが、そこに先生の培ったものがあることを理解しておきましょう。
仕入れの仕組みが無い場合であっても、先生にアドバイスを求めると良いでしょう。
初心者のうちに自分で道具選びをすると、大抵間違った方向に行かれる気がします。
ただし、ある程度書けるようになれば、自分での道具選びもやってみると良いです。
道具ごとの違いを知ることも書の上達に繋がりますからね。

生活・人生を変える書作品を届けたい

 

 

学校の道具と書道教室の筆を分けた方が良いか?

 

子供は学校の授業の後置いてくるパターンが時々あるので、あると便利です。
また洗った筆は一旦乾かした方がコンディション良いという点でもアリかもしれません。

 

 

学校の教材と書道教室の道具どっちが良い?

 

例えば筆はどれも同じ形をしているため違いが分かりにくいかもしれませんが、似ていても全く異なるものです。
学校の先生よりも書道の専門家に委ねた方が、多くのことを知っているため失敗が少なく、無駄な出費も抑えられるかもしれません。(学校の先生による)

 

 

書道筆の洗い方は?

 

動物の毛を使用しているため、ご自身風呂に入る程度(もしくはそれ以下)のお湯で筆の根元を揉むことです。
ここに墨が溜まっていくと本来毛が先端に向けて素直に真っ直ぐ向いていたものがよれて、筆がチューリップのように割れてしまいます。半紙用2~6字用の大きさの筆でも10分程度は洗う必要があると思います。
最後は水気をきって新品時のような円錐状にして、毛先を下側に向けて吊るし、風通しの良い場所に干します。

筆割れ

参考ブログ:<豆知識>割れた筆の直し方①
参考ブログ:<豆知識>割れた筆の直し方②
筆屋さんの参考URL:広島熊野筆久保田号ホームページより<https://www.fudeya.com/qa.html

 

 

先生によって筆(太筆)の毛のほぐし具合が違うのは何故?

 

これは何を書きたいかによります。毛の半分ほどまでしか崩さなければコシがあって書きやすいです。
全部毛を崩すと柔らかくなりますが、全面的に筆を使えるので表現幅が広がります。
それぞれに墨を含める量も変わってくるので、一度に書ける字数も変わってきます。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集
書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

ざっくりとしたイメージでは、小さい頃の書写の時間、書道教室での経験を質問してみると、富山県の方は全部崩すパターンが多いですが、石川県の方は半分ほどしか崩さないパターンが多いです。
私は色々書くので、どちらのパターンでも書きます。ちなみに小筆の類は、大抵が半分までしかほぐさないで書きます。
全部崩すと先のシュッと尖った状態が得られにくいからです。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集 

子供や初心者の方にありがちですが、勢いよく筆を洗って全部崩してバサバサになってしまうことがあります。
それをシステム的に崩れないようにしている筆もありますが、将来的に本格的に書道をしたいと思っている方は、崩さないで筆を取り扱う方法に慣れていくと良いでしょう。(色んな方法があるので調べてみてください)

 

 

下敷きに線が無い物と線が有るものがあるが、どちらが良いか?

 

各教室の考え方がありますが、他の先生の意見も取り入れたうえで私が思うには、ちゃんとした実力をつけるなら線無しのものを選ぶと良いと考えています。
それは線が無い場合では書けなくなってしまうからです。
書の古典を見ても分かるのですが、時々折り目を付けた跡が見えます。
これは言うまでもなく、その折り目をベースにして行がズレないようにして書いたということです。
折り目をつけられない場合でも、ある程度真っ直ぐ書けるようになるには、空間のなかで字の書くべき位置を認識する必要があります。実用書では結構求められるシーンです。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

なお、私においても長い紙に書いていると最初のうちは行の中で字の中心がズレたりすることも多かったのですが、経験を積んでいくほどにそれは修正されました。
要は空間認識の力がついただけのことと思います。
また、個人的な意見として下敷きは濃色の方がカッコいいです。
何故なら墨がついて汚れても目立たないし、書いた作品を下敷きの上で写真を撮った時、紙が白いだけによく映えるからです。

 

 

墨池、硯は洗わなくて良いのか?

 

洗わないでも使えそうですが、段々墨のカスがついていき、それが使用時に墨液に混ざることによって、作品にカスの粒が付着してしまいます。
これが光ったり、表具した際に滲み等の原因になりかねないので要注意です。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

 

書道教室の場で道具洗いをできるか?

 

それぞれの使用する施設によって異なりますが、ひと昔前よりその場で洗って帰れる教室は少ないようです。どうしても墨の汚れが厄介な習いごとですからね。丁寧に手入れすることを考えても、ご自宅で洗うものと思っておくと良いです。

 

 

書道教室(習いごと全般)に関連する注意事項について

 

人間関係あっての習いごとです。お互いに良い関係性を保つためにも大切にしておきたいこととは?

 

 

書道教室(習いごと)のお月謝の注意点は?

 

お月謝とは「今月もご指導お願いいたします」という意味でお渡しするお金なので、毎月の最初の教室までお渡しするものです。
その交換条件のもと、指導を受けられるということを覚えておきたいですね。
休んだ分は請求されないということもなく、あくまでも決まった金額を払うものと思っておかないといけません。
指導者側もお遊びではないですから、自己都合で休んで支払いしないで済むという考え方を改めないといけません。  

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

書道教室は簡単に辞められる?

 

ワークショップと違い、ある程度の期間付き合うことになる書道教室ですから、入る時も去る時も礼儀は知っておかないといけません。
気軽に辞めてすぐに他の教室に行くことは、恋愛に例えると軽い人です。
これを行う際には綺麗な教室の辞め方をし、ある程度時間を空けてから他所への入会をしないと、案外世間は狭いため相当苦しい思いをされることでしょう。
辞める場合は先生の段取りのことも踏まえて、なるべく早めにお伝えすることが大切です。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

 

複数の書道教室に通っていいか?

 

それぞれの指導者で違う考えがあり、答えも違うため、複数の人から同時に習い、良いとこ取りは困難を極めます。
教えている側も「あっちの先生はこう言っているのですが」と言われるとたまらないもので、“誰に習っているんだ?”という話になるので要注意。
これが同じ系統の先生に習うとか、何か許される大義があるのなら話は別ですが、いずれにしても先生に相談の上で動くべきことです。

 

 

書道教室を作りたい方からの質問

 

運営者目線で書道教室運営について質問されることを取り上げてみました。

 

 

書道教室を自分で運営するメリットは?

 

要は自分の村なので、自分の求める雰囲気、自分の関わりたい人でコミュニティを作れることです。
自分の村なので自分で様々な仕組みづくりもでき、方向性も決められます。そのなかで実現したい大義を成し遂げることもできます。
自分の書道家活動を応援してくださる生徒さんといつも繋がれているおかげで、一人仕事ながら孤独を感じません。
収入に関しては、世間的には安定収入を得られるとは言うものの、私の場合は作家活動がメインで副業的な書道教室運営ですので、生徒さん頼みの収入とならないこともあり良好な関係を保ち続けています。  

藤井碧峰書道教室Tシャツ

 

書道教室を自分で運営するデメリットは?

 

自分で舵を切れる一方で、自分で判断をしないといけないことです。
例えば大雪で交通が不都合な時に、実施するか延期&振り替え対応するかどうかを、短い時間で判断すること。
コロナ禍になってからは施設が使えなくなって通信指導に切り替えたり、施設が使えるようになっても実際に施設で行っても大丈夫か?等を、自分なりに納得できるエビデンスを集めて、生徒さんにも安心していただける形を用意してから再開するなど、大きな責任を背負っています。
また私の都合で休みになった際に代理ができる人がいないため、休みとするしかないということも、なかなか大変ではあります。

 

 

書道教室を運営すると生じる妬み僻み対策は?

 

自分だけでも正しい行いをして、生徒さんには正義を見せてください。
書道の世界には勘違いしている人が多いので、嫌がらせ行為をする人も多いです。若い人が年上の方を教えていることに文句をつける人もいるそうです。
そんな程度の低い人は無視すること。何よりも大切にすべき生徒さんに対して何を届けるべきか、自分がどうあるべきかを問い続け、正しい行動をすれば、そんなことは気にならなくなります。
そこまでしても嫌がらせ行為をしてくる人がいれば、自分は映し鏡だと思ってください。
相手が自分に対して思っている残念な姿が、相手の残念な姿であり、経験上大体当たっています。
ちなみに私の学んできた経営学のもとでは、勘違いの多くは原理原則から捉えても、どう考えても間違った考えでしかありません。
それの強要は伝統でも礼儀でもなく愚行そのものです。  

「誠」書道直筆色紙作品(額付き)

 

書道教室の先生の収入は?

 

私の書道教室での計算式ですが、
【(お月謝×人数)-(地代家賃+本代+ガソリン代(交通費)+消耗品費等)+道具販売利益+α】=利益
となります。

お月謝代が4,500~5,000円で、砺波教室と金沢教室合わせて40人しか生徒を取らない設定(通信指導も設定無し)ですので、大体の計算ができると思います。
地代家賃、つまり場所代に関しては15人程度(1人に1枚の長机)入る教室で、冷暖房費込みで1回3,000円ほど。
本代は1人500円で、お月謝代に含んでおり、人数分費用が掛かります。 お月謝代はその教室、地域性によっても変わります。
人数が増えても場所代が変わらなければ、自然と利益が増える傾向にはあるのですが、これがカルチャーセンターなどで書道教室をする場合は別です。
施設側が教室を広めて集客してくれるという良さがありますが、その代わり頂いたお月謝代から何割か(5割という数字をよく見る)引かれた金額しか得られないという点で、人数が増えてもあまり収益が増えた感じはしないかもしれません。(引かれる費用に集客手数料と場所代が含まれているようなもの)
一方でインターネット、メディアを使用するのが苦手な方には心強い味方です。人がいなければ教室は成り立ちませんからね。
またそれらの施設では、作品展示をする際にも力添えを頂けたりと、各々にメリットが秘められていることを知っておかなければなりません。

 

 

その他、書道教室あるある質問

 

上記までにジャンル分けできなかった質問を取り上げてみました。

 

 

習字と書道の違いは?

 

習字とは先生のお手本を習って勉強することであって、書道とは先生の手本から離れて、先人の方々がそうしてきたように古典等を頼りに学んでいき、表現の世界へと歩みだすことです。
なお習字を書写と言うこともあります。
余談ではありますが、藤井碧峰書道教室は書道教室という呼称にこだわっていて、習字教室ではありません。
つまりは自立を促しているということであり、それができるほどに質の高く、実生活に役立てる書学をしようという意味で“書道教室”としています。  

書道家になるには?収入は?有名な書道家は凄い書道家?

 

子供の習う字と大人の習う字の違いは?

 

子供の字は安定した字を書くこと。大人の字はそこを基礎として、書の表現に向かっていくというところでしょうか。
小学校の書写指導では、姿勢や用具の持ち方に注意して、文字を正しく整えて、丁寧に読みやすく書くことを求められています。
ただしそこでは筆の持つ弾力を活かした書き方や、線の太い細いの変化といった表現に乏しいとも言えます。
中学校の指導ではその点に「速く書く」という要素、つまりは行書体が追加されます。
しかし、これに関しては本来分離すべきことなのか疑問です。
上達の早い子供は古典を学び、筆の特性を活かした字を書くべきでは?またその方が書いている感が楽しめるのも事実です。
これには周りに合わせながら進めていく日本の教育の悪いところが見え隠れしている気がします。

 

 

学校の書道(書写)の先生と書道教室の先生の言っていることが違うので、どうすればいいですか?

 

どちらのほうが専門的で本気で考えているのか、自分のことを思ってくれているのかで捉えると、自然と答えが出るはずです。
それぞれの書道教室にも色がありますし、それを親の方も含めて深く理解しておくべきでしょう。

 

 

正しい筆の角度は?

 

それぞれの先生によって考え方が異なりますが、要は求める書風によって筆の持ち方も変わります。
直立または若干筆の軸の上を自分の方へ傾ける、進行方向に傾ける等あります。

筆を持つ角度を科学的に考える

詳しくはこちらの投稿を参照。
参考ブログ:筆を持つ角度を科学的に考える|上手な掃除の仕方にも関連

 

 

先生の雅号はどういう意味があるのですか?

 

書道家(書家)のみならず、作家、画家、学者などが本名以外につける風流な名前のこと。
ペンネームのようなもので、絶対につけないというわけでもなく、本名で活動される方も多いです。
私の場合は小さい頃から教えていただいた先生に師範資格を取得した際に一字を譲り受け、それに好きな字を加えて碧峰としました。

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

 

服についた墨の落とし方は?

 

墨は濃墨だと根本的に取り除くことが難しいですが、落とす際は油汚れのような気持ちで台所用洗剤を使ったり、歯磨き粉を使うと取れることがありました。
しかし下地の色も落ちる可能性が高いので、もう捨てるつもりでやるなら良いかもしれません。
書道用品店に行けば、書道関連メーカーから出ている墨落とし剤もあるかもしれません。もちろん自己責任です。
一番良いのは墨の汚れが気にならない黒色系の服装で書くことです。

 

 

他にも聞きたいことがあるので、藤井先生教えていただきたいです。

 

絶対駄目です(笑)
自分の書道教室行っている書道教室の先生に聞きましょう。それが師弟関係というものです。
また、道具のことならそれを売っているメーカーに聞いたり、近くの書道用品店に聞くべきです。餅は餅屋です。

これをあえて書いたのも、聞く側は良いのかもしれませんが、相手にメリットの無いことを平気で聞く人が多過ぎるからです。
それを言うと何故か「対応が悪いと」批判されることもありますが、こちらはヘルプセンターではありませんし、相手のことを考えれば分かる話です。
この“相手のことを考える”ということが、この記事における重要なポイントだっただけに、あえてこの設問で終わりたいと思います。  

書道家が答える書道教室・習字教室質問あるある集

 

何が正しいか考えることは、お互いの良い関係性を生み出す

 

ここまで書道教室に関する多くの設問の返答例を書いてみました。
返答例では当然私が経験したり、身の回りからお話を聞いたことをベースに述べさせていますが、あくまでも書道界のことを考えつつも世の中における原理原則を大切にして答えを出してみました。
どちらかというと経営者目線のやり方ではありますが、それがずっと支持されてきての藤井碧峰の書道家活動、書道教室運営であります。
この投稿を見て「ちょっと違わない?」と思っていただいても結構です。
そこから考えて、答えを出すという行動が始まるのですから。

私が訴えたいことは、一人一人が一つ一つのことを考えて行動するという流れです。それも相手を想って行動するということです。
指導者側も自分のことを大切にしてくれていると思えば、もっと良いパフォーマンスを発揮してくれるかもしれません。
そんなお互いに与え合える関係を築けたなら、素晴らしい時間を過ごせることでしょう。

やくしだに文化祭|金沢市薬師谷公民館

 

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