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BLOG 書道・筆文字

若い作家(書道家)に訪れる試練 -批判との戦い等-

答えが出てきました

題名の通りですが、これまで沢山の批判的な言葉と戦ってきた書道家藤井碧峰でございます。
先日のブログでも「批判との戦い方」について触れましたが、少し違った内容でお届けしたいと思います。
色んな批判に対する答え方が少しずつ出てきました。

誰でもが通るのを避ける道を通ろうとする挑戦者というのは基本的に批判されます。
それは、それを実現されると自分の立場が無くなる等、色んな意見があるかもしれませんが、時代というのは常に挑戦者によって切り拓かれてきたことを思うと、怖いことではありません。
批判されることほど大きなチャンスという名の需要が控えているものです。
この困難を乗り越えれば批判されたことをネタとして扱えるので頑張りましょう。

書道をしている人、それに関わらず、人というのは自分の考え方をついつい口に出してしまい、聞き手に強要しがちなことがあります。
私はこれまで、
1「若い人間が書作品を売るなんて」
2「若い人間が年上を教えるなんて早い」
3「そんな字では売れない」
4「書を売ってお金を稼ぐなんて」
5「書道家になるには1万人に1人も成功しないと言われているのに大丈夫ですか」
6「いい加減引き際を決めたらどう?」
などと、決まり文句のようなフレーズを、耳にタコができるくらいに聞いてきました。

●1「若い人間が書作品を売るなんて」、2「若い人間が年上を教えるなんて早い」

これについて聞いた時には当然腹を立てたものですが、これに対して理解のある人は『これで生計を立てていくとしているのだから、その考えを他の人に強要するのはおかしいよね』と言ってくれました。
でも、本業だからでは年齢の問題は解消できません。

若い作家に訪れる試練-批判との闘い

とりあえず”若い人間だから”と駄目というのは基本的に年上からの嫉妬でしかありません。
これに対する反論は、批判している側が世の書に対する需要に対して完璧に答えられてきたのかどうかです。
目を向けるべきなのは、市場の需要と供給の関係です。
私は市場原理に伴い、もし若い人間の作品や指導が駄目という理由があるのなら、自分の書道家としての起業は失敗すると見込みました。
何故ならそこに求める人がいて、ようやく成り立つ仕事であるからです。
書道というのは絶対的に必要かと言われると、最近の人の考え方に多いように”パソコンで字が出せるから絶対的には必要あると言い切れない”という答えが出せます。

3「そんな字では売れない」

個性で比べると良いです。
それぞれ書風というものがあるわけなので、求める書風が若手であっても書けていたなら需要が見込めるということです。
私は起業当初、それを古典臨書に根ざした正統派の書に求めました。
当時創作は微妙だったというのもありますが、ネットの世界では筆文字デザイナー的な書道家がほとんどで、正統派の分かりやすくちゃんとした字が書ける人が見つかりにくかったというところに、需要があるのではないかと感じました。

作品展、いわゆる公募展で成果を出していないことを裏で批判する人もいますが、これは別モノであり、良い評価を得たものが一般人にとって良い書というわけではありません。
その受け手に取って良かった作品が、良い書というだけのことです。
私のこの3年半ほどの活動がそれを物語っています。
全ては市場原理によって証明されます。 

4「書を売ってお金を稼ぐなんて」

私は経済学を愛する者として、経済学的に見た様々な原理を書いているのですが、それを見てお金のことばかり考えてるように思ってクレームを付けてきた人がいました。
お金を頂くことを汚いことのように言ったり、お金持ちに対する偏見がある人が多い気がしますが、お金に対する教養が少ないだけのように思います。

お金はただの交換ツールで、シンプルに見ると紙、金属です。
そこに価値があるという信用によって成り立っているのであって、それ自体には金額相応の価値はありません。
仕事はどうして成り立つかということをシンプルに捉えると、人を喜ばせることが仕事になり得るものです。
時代変化や技術進歩によって需要の上下はあります。

書作品を売って稼ぐことも、野菜を売って稼ぐことも大差ありません。
野菜でも大量生産した普通の味のものには普通の値段がつきますが、数を絞ったりして沢山手間をかけつつも最高級の味があるものを作れば高く売れます。
書作品でも同じようなことで、洋服を着替えるようにして良し悪しにこだわらずチャチャッと書いてしまう人もいれば、一つ一つにこだわりぬいて良いもののみを届ける人もいます。
そこに掛けた材料や手間が違えば当然コストも変わってきますし、それまで技術を磨くために費やしてきた時間や投資額も反映されることでしょう。

若い作家に訪れる試練-批判との闘い

じゃあタダで奉仕活動をし続ければ良いのか、そんな質問をそのセリフを言った人に返したいところで、お金というのは交換ツールでしかないので、タダでやっている限りはそれに”価値が無い”と認めているのに等しいです。
恐らくそのセリフを言う人は他の仕事をしてきたと思うのですが、その仕事はどれだけの修練のもとに成り立っているのか、そしてあなたの書と比較してそれほど価値に差のあるものなのか、というブーメランが返ってくると思います。

いずれにしても自分には為せないことに対して価値があると判断されたものに対してお金が発生するのであり、もしこれが誰にでも書けるものであるなら仕事にもなり得ないのです。
例えば、私が命名書を5,000円で書くことをお客さんから見て高いか安いかと感じるのかという問題がありますが、27年書道をやってきたという時間と、書道に掛けてきたコストを考えると、安いと感じれる(あくまで人それぞれです)のではという思考回路も持ちたいものです。

●5「書道家になるには1万人に1人も成功しないと言われているのに大丈夫ですか」

5は確固たる思いがあれば他人に言われるまでもありません。
みんな自分の人生の主人公なのだからそれで良い。そして、このことがあなたの人生に何か影響がありますか、ということですね。
自分の場合は何を言われても良いように、一つ一つの行動に対して理由を添えてやってきました。
これによって批判している側が馬鹿を見る状況を作れます。

若い作家に訪れる試練-批判との闘い

そして自分が取ってきた戦略・戦術というものの裏には「どう生きるか」という考え方が大きな意味を為していました。
何を成し遂げるか、より、どう生きるかのほうが大切じゃないでしょうか?
ただ書道家で生計を立てていきたいという思いでは、ここまで突き進んでこれなかったでしょう。

●6「いい加減引き際を決めたらどう?」

短期間で結果が出せていない場合、継続か身を引くかの判断をするのに適した時期というのは無いものですが、半年、1年・・・それなりの時間が経てば追い込む言葉を嫌で聞くものです。
世にとって悪いことをしているかのように嫌みを言われます。
これも起業経験者ならではでしょうね。
でも、最初から上手くいくと分かっていることには浪漫も夢も無いから挑戦するのであって、それではさほど情熱も生じないものです。
そもそも誰でも上手くいくならみんな書道家になっています。

自分の場合は難しいと思えるからこそ挑戦した道でした。
これまで結果を残せずにきた人生の集大成としての挑戦でした。
こんな駄目なやつでも全力を注げば、大きなことを成し遂げられる日が来ると、知ってもらいたくて、希望を持ってもらいたくて、頑張ってきたのかもしれません。

引き際のタイミングは何とも言えません。
しかし、活動をしているうちに自然と広まるものであり、手足を使って動き回っただけついてくるものなので、短期間で判断するには至りません。
ただ、全く動いてもなく、気持ちも弱くなっていたなら、それは引き際かもしれません。

●番外編「起業時の人脈の有無による成功可否」
若い作家に訪れる試練-批判との闘い

スタート時の人脈が大切だ、と起業前後に言われて、若干不安になったことがありました。
私は起業当初、あまり積極的に表に出る人間ではないのでさほど知り合いはいませんでした。
ほぼ一人で戦ってきて、歩みを進める度に出逢うべき人に出逢う、そんな道のりでした。(RPGゲーム感覚です)

思うに、地元に店を持って仕事する場合と、ネットを仲介して仕事をするのとでは人脈のあり方が変わるのではと思います。
顧客を囲い込みですべき仕事と、常に出入口をオープンにしてやっていく仕事とでは、スタート時のあり方が違ってきます。

私が起業時に繋がっていた数百人のうち、実際に仕事の力になってくださった方は義理も含めて本当にわずかでした。
それは人望が無かっただけかもしれませんが(笑)、単純に需要が無かっただけだと思います。
起業してからは想いだけで走ってきただけに、今は起業してから出逢ってきた方々が強力な人脈となっています。
そもそも人脈というのも、ちゃんと自分に理解のある人について頂けなければ、お互いのためにならないのかなと感じたりします。
会社員時代に出逢った人は、ある意味枠の中で出逢うべくして出逢っただけのことなので、好き嫌い言っていられない出逢いです。
今はさほど嫌な人は近寄って来ないという点でも、確かな繋がりになっている気がします。

というわけで人脈が無いけど起業したい人は、自分の事業のあり方に対して問題無いかを考慮すれば良いと思います。
当然スタート時に人脈があれば結果が出るまでの期間も早いかもしれませんが、それに頼っていては人脈構築能力が築かれにくいものです。

●おわりに

いずれにしても、想いがあることで切り抜けていけることばかりです。
そこには「自分が挑戦することしか達成できないこと」を大きく打ち出すと良いです。
使命感が必要です。
それに伴ってすべきことも見えてきます。 
批判が多いことはチャンスです。
あなたの手で世界を変えてみませんか。

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