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金子鴎亭先生の近代詩文書を習作

追体験するような学習方法

いつも『書作』という、金子鴎亭先生の競書誌の課題に励んでいるのですが、参考作品(手本)が金子鴎亭先生の書かれたもので非常に勉強になります。

私は系統的に【創玄書道会】というグループに入りますが、その創始者が金子鴎亭先生です。

最初書作を取り寄せた頃はレベルの高さに驚き、お手本を見て書くので精一杯だったのですが、いくら頑張ってもお手本に近づけないというのが実のところでした^^;

近代詩文書については結構自由に書けるため、慣れてくると極力お手本に似ないように気を付けて書いたりしたものですが、最近はあえて忠実に真似できるようにトレーニングしています。

自分に課しているルールとしては、
・羊毛長鋒筆
・滲みやすい紙、滲みやすい墨の濃度で書く
といったところです。

これによって、ちゃんと腕が動いていて、スピード感のある時にしかまともな字が書けないような感じになってきます。

「つめたきは山ざくらの性にあるやらむながめつめたき山ざくら花」若山牧水
金子鴎亭先生の近代詩文書を臨書

これは古典の臨書でも近代詩文書の真似事でも同じですが、パッと見た時にその雰囲気が感じられるということが大切だと考えています。

1年前までは造形的な真似すらできませんでしたが、今は線質的にも近い(それっぽく見える)ように書けるようになりました。

しかし、実際のところ筆勢が足りないですし技法的にも未熟ですので上っ面の話ではありますが・・・

「朝づく日うるほひ照れる木がくれに水漬けるごとき山ざくら花」若山牧水
金子鴎亭先生の近代詩文書を臨書

こういう投稿をしてもInstagram等ではウケが悪く、「ただの真似やんけ」って感じで終わるので特に深く触れることはないのですが、これは同じように書いた人にしか分からないことなんですよね。

古典臨書も、近代詩文書臨書?も同じで、忠実に真似をすることによって書き手の筆の動き等を追体験することができます。

先日印象に残った言葉がありまして、比田井天来門下生の手島右卿先生は
『臨書は写真よりも正確でなければならない』
との言葉を遺されたそうです。

写真より正確なものなど無いように思えますが、上っ面の形だけを真似るでは無くその内面にあるものまで捉えるということだと思います。

石碑に刻された字であれば、石碑になる前に書かれた元になった字がどういうものだったのか探るようにして臨書をすると、書道はより深みに入っていけると思います。

「高きより飛びおりるごとき心もて この一生を終るすべなきか」石川啄木
金子鴎亭先生の近代詩文書を臨書

金子鴎亭先生の書は非常にリズミカルで、それはもちろん作品を見ていても感じられますが、忠実に真似するつもりで書くと、”息づかい”のようなものまで感じ取ることができます。

また、こうして忠実に書こうとすると忠実に書けません。

忠実に書けないということは何か技術的に欠けているものがあるということであり、それを自覚するにもこのトレーニング方法は役立つのです。

非常に地味なことばかりしていますが、結構ハマる練習方法だったりします。
普通の人はやらないことですが、あえてやることで自分の書の個性に結び付けば嬉しいです。

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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