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書道家の筆文字デザイン書き方②

実際に言葉が使われている場面をイメージ

前回の投稿「書道家の筆文字デザイン書き方①」では”一つ一つの言葉の意味やイメージを大切にして書き方を変えている”という内容でお伝えさせて頂きました。

「押忍」本格的筆文字Tシャツ 

それにプラスして、私は実際に言葉が使われている場面をイメージした書き方を変えています
意味合い的には似ていますが、どういうことなのでしょうか。  

「押忍」という言葉の使われる場面

Wikipediaからの引用になりますが、

「押忍」(おす、おっす)とは、主に空手道・剣道・柔道などの武道の関係者の間で使われる挨拶の一つ。 

「押忍」と言うよりかは『押忍!!』と表現したほうが実際に言葉が使われている場面をイメージしやすいのではないでしょうか?

「押忍」で表現すると覇気のない返事のような気がして指導者や先輩から叱られそうな気がしませんか・・・?笑  

筆文字でどう表現するか

書道ずっとやってきて『押忍!!』って!!(ビックリマーク)を入れて仕事を終わらせるわけにいけません。

その”!!”を筆文字だけで表現するのが本格的筆文字デザイナーであり、それで作られているのが当店の本格的筆文字Tシャツや他のグッズなのです。

実際に「押忍」という筆文字で検証してみましょう。
①隷書で書いた筆文字
「押忍」筆文字
②軽やかなタッチで書いた筆文字
「押忍」筆文字
③力強くスピード感を出しながら書いた筆文字
「押忍」筆文字Tシャツ用
3通り挙げてみましたがどれが一番言葉に似合うでしょうか?
③だけ画像と説明文の雰囲気が違うのでお察しの通りですが、これが正解です。笑

①は隷書で書いた筆文字で、その味わい深さは書道をされている方ならご存知の通りですが、紙と筆との抵抗感を感じながら書くためスピードは遅めです。
堂々としているけど言葉の切れは感じさせません。

②は武道やっていない人が軽い気持ちで使う「おーっす!」って感じの響きでしょうか?
本気で使っている人から反感くらって吹っ飛ばされそうな字ですね。

③は筆勢で”!!”(ビックリマーク)を表現しています。
先日散々アピールした渇筆をあまり使わなくてもこうして勢いを作ることができます。
 

スピード感を出すには字の切れ味を追求しなければいけません。 
これだけは世の中に筆文字デザイナーが沢山いてもできる人はごく一部だと思います。

何故なら書道をやっていても相当意識して書き込まないと表現できないからです。
私は本格的筆文字デザイナーを名乗りつつも、書道に基礎をおいておりますので、その点の研究には非常にシビアです。

書道仮名の墨と紙の価格と相性の関係

この切れ味というものを追求する時に大いに役立つのは仮名です

書体で言うとあまり近く感じないかもしれませんが、書道において流れある字の切れ味を追求しようしとした際には仮名は良い題材となるはずです。   

背中で何を訴えるか

「押忍」本格的筆文字Tシャツ 
「背中で何を訴えるか?」と問われると重々しい感じがしますが、それが自分へのエールとなる筆文字Tシャツだとしても、おもしろ筆文字Tシャツだとしても、そこから何も伝わってこない筆文字Tシャツならただの柄Tシャツと同じです。

私は雰囲気を持った筆文字のTシャツを作りたくて日々試行錯誤を続けながら、より多くの人に書道や筆文字の良さを知ってもらえるよう筆文字のデザインをしています。

書道や筆文字は書き手のエゴでは駄目で、誰かに伝わってようやく本来の意味を持つはずです。
そう信じてこれからも書道の練習、筆文字デザインに励みます! 

最後に今回の記事で取り上げた筆文字Tシャツを紹介させて頂きます。
「押忍」本格的筆文字Tシャツ(メンズ、レディース)
「押忍」本格的筆文字レディースTシャツ

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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