藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
先日のことですが、地元の公民館入口に掲げる木材看板を手書きしました。
この看板は公民館が30年前?に作られた時に作られたものですが、木材が安価なものであったため木自体が汚れを吸い取ってしまい真っ黒になっており字が読めなくなっていました。
画像は無いですが、こういうのを見るとやはり表札は極力ヒノキが良いんだなと思いますね^^
今回は、実際に作業で私が行った木材看板の制作工程を紹介させて頂きます。
まずは木材を入手します。
今回はこれまで使用していた木材の裏側を使用します。(ちょっとだけ削った模様です)
ご覧のようにあまり綺麗ではありません。
本当なら業者で削ってもらえば良いのですが、今回は自分でやすり掛けしました。(半日かかりました)
その後にとの粉を木材の凹凸を無くすように刷毛で塗り込みます。
これで大分白くなります。
(こちらは乾かしている最中)
作業の合間を見ては字を字典で調べながら半紙に書きこみます。
紙を切って繋ぎ合わせながら、木材と同じ長さとなるようにしていき全体のバランスを調整します。
今回はあえての古い書体で書きました。
どうしてもその方が味わい深い字になってしまうからです。
これが可能な理由としては、その場所に来る人が限られていることと、文面で分かるだろうという周りの意見も取り入れております。
半紙で自信が付くまで書いたら、その勢いで木には一発書きします。
中心がズレないように鉛筆で薄くセンターラインを引いたりします(後でねりけし等で消します)
一発書きは一番実力の出るところなので、誤魔化しがきかないあたり一番嫌らしい点でもあります。
墨汁に関しては、今回は合成樹脂の墨を使用しました。
墨で書いた箇所を十分に乾かしたら、次はウレタンクリアー塗装をします。
こちらの塗装ですが、ちょうど良いさじ加減というのは経験が大切だと感じております。
というのも私は大学時代から車関係の塗装で沢山失敗してきたからです。
怖くて塗らな過ぎてもダメですし、塗り過ぎてもダメなのです。
何よりも慌てないことが大切。
というわけで車のDIY塗装で学んだ方法をまんべんなく注入します。
(スプレーの特性上、くれぐれも喚起には気を付けてください)
外で日光に当てて十分に乾かします。
依頼人に渡して公民館に設置して頂きました。
塗装した時点でかなり渋い色になっていたんですが、公民館の壁と良い感じにマッチして良かったです!
【2021/11/28現在】
3年経ち色んな想いがあって看板をやり直ししてみました。
詳しくはこちらの記事にて
【しきの横丁】看板、【中野五区六区公民館】看板揮毫+α
今回の制作過程において、他の有名書道家の先生方の看板、石碑等も参考にさせて頂いております。
やはり先人に学ぶのが書道の世界では大切です。
こればかりは日頃の研究がモノを言います。
ある意味ではその日頃の成果の発表場所として、こういった機会を頂けているので嬉しい限りです!
当店では今回のような木材看板の制作依頼も承っております。
地元に書道家がいなくてお困りのお方は是非当店にお問い合わせ頂ければと思います!
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