藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
藤井碧峰書道教室は2月5日より金沢教室が本格的にスタートしました。
1年前の1月29日に金沢教室計画をとある方に誓って以来、ちょうど1年経ったその日に書道教室の体験会を実施。
当初予定していた『5名集まれば始めます』という流れで開始した生徒集めも、増えたり減ったりの中で無事に開始することができ嬉しく思います。
来て頂いた人は皆さんホームページやSNSでの告知をもとにしてお越し頂いており、これも時代の流れかなと感じる次第です。
インターネット社会では多くの情報が手に入ります。
もしホームページを持っている書道家ならば、その人の作品画像も沢山あることと思います。
書道はともかく習字については書道教室の先生のお手本を見て学ぶことになります。
学ぶと書いて”真似ぶ”と言うこともあります。
極端な言い方をすれば教育とは洗脳でもあります。
悪い言い方に聞こえるかもしれませんが、初心者にとっては字の良し悪し、書の良し悪しもよく分からない状態で学ぶことになるため、「先生のお手本は良いモノだ」という前提で書道教室に入ることになります。
下手な先生、下手なお手本からは下手な生徒しか生まれません。
これは不幸なことです。
”先生”と名のつく仕事は聞こえは良いですが、当然レベルに差があります。
書道の世界では書道界で統一された評価基準というものを持たないため、それぞれの会、団体によって設けられた指標などによって師範などの資格を頂き、書道教室を開けるようになります。
それぞれの教室に特色、特徴があります。
そう考えた時に「この書道教室は近いから良いな」という考えは淘汰されるのがご理解頂けるかと思います。(もちろん近くにあれば助かりますけどね)
そもそも金沢教室を始めたのは金沢からお越し頂いている生徒さんがいて、他にも体験レッスンのためにわざわざ富山の砺波までお越し頂いたのがきっかけでした。
最近も富山市から来てくださる生徒さんが仲間に加わり、私の意図していたこともちゃんと伝わったようで嬉しく思います。
「ずっと前から書道教室を探していたけど好みに合う字が無くて、最近になって藤井碧峰HPが目に入り、習ってみたいと思いました。」という意見が何名からかありました。
改めて書道教室を始めて良かったなと感じる次第でありますが、これは私の教室だけでなく他の全国の書道教室においても言えることです。
【好きになれない字を書く先生のもとで学ぶことは不幸】
これに尽きます。
私は小さい頃から楷書の上手な水上先生に習ってきました。
身の回りの書道教室の生徒は大体楷書が上手です。
これもまたお手本の話になるのですが、最初の段階では先生のお手本を見て学ぶのが主流の日本では、先生のお手本が大切なのは言うまでも無いです。
しかし指導している先生が質の高い字のお手本を書けるようになるには、その先生の先生が上手い云々より、どれだけ質の高い臨書学習をしてきたかが重要です。
↑先ほどからしつこく挿入している黒白の画像ですが、中国の昔の石碑、欧陽詢の九成宮醴泉銘の字です。
中国や日本の古典には【名品】と呼ばれる字が沢山存在します。
これを学んでいないどころか【臨書】という言葉すら知らない、よく分かっていない人が多いのが今の書道界の現状です。
そんな理由で今や書道用品店では古典の本が売れないそうです。
先生のお手本を見てひたすらそれを見て書いていればそれっぽくはなります。
しかし、普通の字も書けないような書道家は、刷毛を振り回している人と同じです。
競書誌や学校のお手本がどんな字であっても、私は書道教室に来てくださる方には”本物の良い字を学んで頂けるように”と古典に立脚したお手本を書いています。
とにかく普通の楷書が上手に書けない先生には習うな、これに尽きます。
CLOSE