藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
11月17日(土)第7回佐久全国臨書展の授賞式に参加してきました。
朝は6時半ごろに自宅出発し、寄り道したので佐久市立近代美術館に12時半ごろ到着。
富山からずっと下道です。。。笑
美術館所蔵の「天来門流書家作品」の部屋があるのですが、書道界では巨匠と呼ばれる方々の圧倒的な存在感の作品に囲まれてドキドキしました!
私の作品が飾ってある3階には他の特別賞受賞者と審査員の先生方の作品が飾られております。
まだ開幕したてですので、私の作品だけ公開させて頂きますm(__)m
褚遂良『枯樹賦』
序盤の箇所を半切(135 x 35cm)にて3行書きしました。
自分の大好きな古典で、自分の好きな書き方で、素敵な先生方に評価して頂けて嬉しいです!
その後、授賞式会場へ。
1人での参加なので尚更緊張します(^-^;
佐久市長、柳田清二様より賞を頂きました。
(Instagramで繋がりのある受賞者の方に撮影して頂きましたm(__)m)
【天来賞】
今回頂いたこの賞は佐久全国臨書展における最高賞です。
本当に嬉しいですね、色んな想いがつまっている作品だっただけに。。。
その内容は後ほど。
この作品展の特徴は、会派を超えた、日本書道界を代表する先生方を審査員にお招きされていることです。
全国的に見ても非常に特色ある書道作品展であり、マニアックでありながらも公平な審査がなされています。
それを示せる一つとして、私は今回の作品出品に際して無所属にて出品して最高賞を受賞しております。
これを機に更に多くの方が参加されることを祈っております。
回り道をしましたが授賞式には審査員の先生方がお越しになり、その後揮毫会をされます!
まずは佐久市長柳田清二様の揮毫。(左は天来書院代表比田井和子様)
柳田市長の丁寧かつ力強い運筆。
読売書法会常任理事 有岡しゅん崖先生
書宗院理事長 高橋蒼石先生
創玄書道会会長 石飛博光先生
仮名では、あきつ会理事長 河村和子先生、かな書道作家協会理事長 慶徳紀子先生が揮毫を担当。
※動画撮影に集中しすぎて静止画がございません(;^_^A
非常に勉強になりました。
この揮毫会を見るだけでも佐久に来る価値はあるかなと思います!!
揮毫会の後は祝賀会へ。
直接先生方とお話したり、他の受賞者、運営の方々とお話させて頂き楽しい時間を過ごしました。
その後、宿に移動してからの二次会では石飛博光先生、高橋蒼石先生、古谷春峰先生とお話させて頂き、
直接作品の批評も頂いたりと、書道に励んできた身としては最高に幸せな時間を過ごしました^^
憧れの石飛博光先生とのツーショット。
3年前、この佐久の地で石飛先生の枯樹賦の臨書作品を見ていなければ今回の作品はありませんでした。
↓は3年前見た石飛先生の作品を真似して書いたものを表具しました。
(昨年の10月に書いたものです)
石飛先生の作品はこれと比較ならないほど素晴らしいので、私の作品からは感動が伝わりにくいですが、3年前の佐久でその作品を見た時に、その作品の趣深さ、色気、雰囲気に圧倒され、作品の前から離れられなくなりました。
”超一流の書道家の書く作品とはこういうものなのか・・・”
大げさでもなく、素直にそう感じました。
身体の中に電流が走ったように痺れました。
それからは頻繁にこの作品を意識して練習し、また古典の原本に帰り、果たして自分の解釈する枯樹賦がどうすれば枯樹賦に見えるのか徹底的に研究しました。
他の有名な書道家の書く枯樹賦も研究しました。
褚遂良の書く他の古典も研究しました。
またそれ以外の古典を学ぶことで褚遂良を知ることも出来ました。
そうして書き上げたのが今回の枯樹賦でした。
この度の受賞はしたものの、自分の枯樹賦はこれが完成版だとは思っていません。
もっと変わっていくと思います。
それでもやっぱり今回の受賞は嬉しいです。
3年前、近所に藤井家について書かれた日下部鳴鶴先生の石碑を見たところから自分の書道のルーツがどこに繋がっているか気になって比田井天来先生の存在を知り、すぐに行ったのが生誕の地佐久でした。
今回も天来記念館に寄りましたが、やはり書道界における比田井天来先生の偉業を知ると胸が熱くなります。
(天来記念館前にある桑原翠邦先生の字による石碑。)
改めて館内に飾られている屏風を見ると迫力に圧倒されました。
こちらも桑原翠邦先生の字です。
素晴らしいとしか言いようがない!笑
この比田井天来先生の生家の裏には天来自然公園があり、天来先生の門流の石碑が並びます。
我が師の先生の先生である金子鴎亭先生の石碑も。
山の上にあるのと、入り口が分かりにくいのですが、頑張って行く価値があると思います♪
書道を楽しむ中でも枯樹賦にこだわる人もなかなかいないですが、なぜ私は思い入れがあるのか。
それは師範認定の試験を受けた際の課題に枯樹賦があったことがキッカケです。
当時は上手に表現出来ませんでしたが、それでも枯樹賦の趣のある書風に惹かれました。
この後も競書課題で枯樹賦に触れることが頻繁に。
そんな中、なぜか写真掲載が続いた褚遂良に変な縁を感じました。
「もしかしたら褚遂良と相性が良いのかも?」と勘違いした私は、褚遂良を研究しました。
そんな頃に比田井天来先生と褚遂良の話に出会ったものですから、何かの縁と感じてその年に佐久全国臨書展に出品することにしました。
↑が当時の作品ですが表現も稚拙で、やっとやっと半切に収めていて、今見ても恥ずかしいです笑
そして佳作でした。
これが悔しくて『褚遂良の枯樹賦を上手に書けるようになりたい』という思いが強くなったのでした。
もう一度、今回の作品の写真を載せておきます。
3年前、またそれまでの作品とは全然違います。
これが今の自分の枯樹賦です。
今回は幸運にも最高賞の天来賞を頂くことができました。
比田井天来先生を学び、それを機に臨書に励んできた身としては、”天来”と名の付く賞を頂けて、また憧れの先生方に選んで頂けて、この上なく嬉しく感じております。
この結果はこれからの自分の書道人生に対して、
『もっともっと多くを学んで頑張れ』
というエールだと思いますので、これからより一層腕を磨いていこうと思っております。
長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
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