藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
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自分が4歳から今の31歳に至るまで長く書道を続けてこれた理由が、シンプルに”綺麗な字を書きたい”という想いがあってのことですが、綺麗だとか美しいって難しいですよね。
書道教室やペン字教室していても、正直自分の字が綺麗な字なのか未だに分かっていません。
自ら行っているペン字講座を「美文字講座」とか名乗っておきながら、問題発言のような出だしではありますが、本当にそういうものなんです。
綺麗や美しいというものは感覚的なものであって、こればかりは数値化出来るものでもなく、絶対的な答えはないでしょう。
学校の書写の授業で習うような字や習字教室で習う字が綺麗だという保証はありません。
教えている側が美しいと思っている場合はありますが、それが受け手から見てどうなのか。
またそうして習ってみて自分のものにした字が周りから見て綺麗か、美しいかというのは別の話です。
私なりに思うのは、数多くある古典名品のなかから綺麗と思うものを選び、徹底的にそれになるように書き込んで、自分のものにすることが、綺麗な字になる最善の方法であり、自分が書いている字、指導している字の理論・技術の裏付けとしやすいのではということです。
古典臨書がとにかく大切なのはこれまでのブログでも皆さんが嫌になるほど述べてきたことではありますが、単純に臨書するのではなく、自分が書いたものと古典を見比べて、どう違っているのか見極める力がものを言うように感じます。
原本と書き上げたものが結構違っているのに、「そっくりそのまま臨書出来ている」と思っている人は、上記の私の考えのもとでは色んな意味で違った方向に行ってしまいそうです。
綺麗や美しいと感じるポイントは人それぞれに違うものですが、書道に限らず他の分野も幅広く見渡し、見る目を養うことが大切なようです。
そして、ある程度までいけば、あとは自分の感性を信じるしかないのかもしれません。
同じ古典を眺めても人それぞれ見え方が違います。
同じ景色を見て感動する人もいれば、何も感じない人もいます。
さて、あなたが綺麗だ、美しいと感じる字はどんな字でしょうか。
美しいと感じる景色、世界はどんなものでしょうか。
冒頭にもありますように、絶対的な答えはありません。
絶対的な答えは無いけど、自分なりに答えを出すことは許されます。
自分の頭で考えてみることから学びの姿勢が変わります。
是非皆さんも、この難しいけど奥深く楽しい世界で、自分なりの世界観を作っていってください。
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