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BLOG 書道・筆文字

日常と写真と書と美しさと目線

先日面白い方にお会いして

 先日とあるお店で、美術工芸家の方とお会いしてその方のアトリエにお邪魔してきました。

と言っても作品の画像は無いのですが、写真でも陶芸でも銅器でも木工品でも何でもされる方で誰かに影響されるでもなく、気ままに気楽に作られた作品の数々というのは面白いものでした。

特に写真については別に名所で撮影したものでもなく、近所の田んぼや川、海で撮影したもので、それまた巷に溢れているような風景を素敵に撮ってあるのです。

「自分は山とか名所に行ってもさほど何も感じないけど、結構こういう普通の光景の中に良い絵があるんだよ」
と仰っていて、自分が持っている感覚とも似ていました。

いやいや、私は立山や上高地といった名所も好きですが、ついつい人が気づかない箇所に惹かれがちです。
でも、日常の中にも素晴らしい景色があって、それを時々写真に残したりします。

日常と写真と書と美しさと

空も毎日見ていれば日々に美しい景色が沢山有ることが分かります。
青空であったり夕空であったり。
それは毎日同じではないのですから面白いですよね。 

日常と写真と書と美しさと

どんな瞬間も切り取り方次第で面白いものです。
私も書において全体図を見せるということをしがちですが、写真と同じように切り取って部分的に見せるという面白さも取り入れたいと思っています。
(師はそれが芸術的にできているので憧れます)

あと、その方は芸術界や書道のことなどにも触れて、
「師匠につくのも良いけど、その人の型にハマったやり方ってのは何か違うし面白くないよね」
と仰っていて、お互いに話が合い相手の方も喜んでおられました。笑

もちろん師事して上達するにはある程度は似通ったりするものですが、あれこれ制限し過ぎるとその人を超えることもできないのだとも。
今は書道教室の指導者として色々と再確認できたことが良かったです。 

日常と写真と書と美しさと

富山県の称名滝の名前の由来は法然が滝の轟音を「南無阿弥陀仏」という称名念仏の声と聞いたこと。
と聞くと作り話のようにしか思えないのですが、実際にそう聞こえたのかと思うと物事は面白く見えてきます。

日本語には美しい表現が沢山あります。
もしかしたら昔の人には我々に無い感性があって、それ故に生まれた言葉も何気なく日常的に使っているかもしれませんね。

日常と写真と書と美しさと

私が好きなのは静かな場所。
音楽の鳴らないスキー場の奥の奥のコース。
もう音が無い、周りは自然。

こういう空間は感覚が研ぎ澄まされます。
完全に無になることは難しいかもしれませんが、さり気ない音に気が付けたりします。

日常と写真と書と美しさと

先日知り合いの人が、「最近車使わずに歩いて移動するようになったらいつもの街なのに色んなものがあることに気が付いたわ」と言っていて、それも現代人に大切なことだと思いました。

この忙しい世の中では色んなものが忘れ去られがちです。

自分は昨年の立山山頂雄山神社峰本社への看板奉納登山の際に、いつもバスに乗って行く道を自分の足で歩きました。
その時に見えた多くの美しい景色は、自分の足でゆっくり歩き、いつもより低い目線でしか見えなかったものです。

それは遥か昔、1300年前の立山開山の頃に立山信仰で訪れた人に少しは近づけていたのかもしれません。

立山山頂雄山神社奉納登山|富山県の書道家藤井碧峰

”目線”というものは人の有り方を変えたりもします。
それだけで幸せにも不幸せにもなります。  

幸せというのは案外身近にあるもので、それも気づくかどうか、要は目線の問題なのでしょうか。
その人が幸せな状態なのに、幸せじゃないと思っていればそれは不幸なことです。
いや、向上心故に思うこともあるのかもしれませんが、あくまでも現状を肯定した上での向上心ならもっと幸せになれると思います。

自分もこの活動を通してもっと多くのことを、経験から感じたままに届けていかないといけないし、自主的に書く言葉は極力体現できるものでありたいと思っています。

それは非日常的なものでもなく、少しでも庶民的で馴染みやすいものを。
それを感覚的に理解できなければ受け入れてもらえないと思っているので多くを学ばなきゃですね。

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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