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けんしん【藤井碧峰書作展】2024作品紹介

気に入っていただける作品を1点でも

9/3~10/31 富山県信用組合出町出張所にて作品展示|色紙展

9/3~10/31まで開催しておりました、砺波支店における「藤井碧峰書作展」が無事終了いたしました。
わざわざ現地に足を運んで作品展を見て頂いた皆様に心より感謝申し上げます。

今回の作品展示は色紙展ということで額サイズが小さめなこともあり、過去最多の23点の作品を飾る展示になりました。
一人の作家で23点も飾るというのもなかなかな無いかもしれませんが、数が多ければ良いというわけでもなく、毎年のこの展示におけるコンセプト【見ず知らずの、書にも親しみの無い人にとっても興味を持っていただける作品を1点でも見つけていただく】という想いが、数となって表れたものです。

9/3~10/31 富山県信用組合出町出張所にて作品展示|色紙展

展示が多いと額を揃えるのは大変だし(当然自前なので)、額の傾向が被らないようにするのも難しいし、展示の際の色合いも最大限に魅力的に見えるように配置するのは経験とセンスが要求されます。
よく「藤井さんの展示は本当にきれいに飾っているよね」との声をいただきますが、かなり細かくやっている結果としてありがたく受け止めております。

今回もお越しいただけなかった方のためにも展示作品の紹介をいたします。
毎回の作品展と同様、展示作品の販売を行います。
注意点として、展示のため色紙掛けに掛けていた作品は、額装し直しての販売となり、こちらのイメージと変わってきますのでご了承くださいませ。

一品モノで連絡した者勝ちとなりますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

書作品紹介

【積善餘慶】

【積善餘慶】|書作品の販売・制作・依頼|書道家藤井碧峰

<意味>善徳を積めば、後々までも幸福が残る。

【國酒】

國酒とは日本酒のこと。
強さを出しつつ、少しチャーミングさを意識して書いたもの。
日本酒のことは知れば知るほど奥深い。
同じように作っても、同じお酒はできない。
非常に繊細で、高度な技術で醸されるこのお酒に、日々の楽しみと学びをいただいています。

【上善若水】

<意味>水は万物を利するが常に低きにつく。最高の善も水のごときもの。

仕事においては、人のためにならないことは仕事になりません。
いや、仕事にすべきではありません。
人のために力を注ぐことを素直に喜べる身となり、楽しみながら仕事に打ち込めるようになる人が増えれば、世の中がより豊かになっていくはずです。

【百福】

【百福】|書作品の販売・制作・依頼|書道家藤井碧峰

<意味>多くの幸福。

杉の木を色紙に貼られたものに揮毫。
色付きの色紙は表具の色合わせが非常に難しいのですが、この色紙掛けは絶妙に合っていますね。
なお、結構人気の作品となりましたが、良い雰囲気を醸し出していると私も感じます。

【磨而不磷】

<意味>真にかたいものは、いくら研いでも薄くならない。どんな環境にあっても変わらない精神のかたさを強調した言葉。

砺波という地から常に発信をし続けていますが、あまり使われない漢字である「砺」は”磨く、とぐ”という意味を持っています。
一方で、元々は利波氏が治めていた地として「利波」と呼ばれていたのに、何でこの感じになったのかはっきりとした理由を見つけられずモヤモヤします。
理由は無くとも、勝手に自分磨きにうってつけの場所だと断定したのですが、そんな場所でこんな言葉を書いてみました。

【山紫水明】

<意味>自然の風景が清らかで美しいこと。

何気ない景色も少しの光の当たり加減や、心のゆとりの有無によって感じ方が変わってきます。
近くに見える山もその場に行けば、はっきりと見えなかったことが繊細に見えたりして、また音や匂いとともに感性を刺激して・・・

元々自然の中で生きていたヒトは自然に触れることによって、大地の恵みやこの地球(ほし)の美しさを再認識し、より豊かになっていけるのではないでしょうか。

【いつも笑顔で】

言うのは簡単ですが、実践するのは意外と難しいもの。
でも、それを意識して行動していれば日々の表情はもちろん、言葉遣いや他人への心配り、自分の気持ちのありようも変わってくるものでしょう。
笑顔溢れる世界になりますように。

【念ずれば花開く】(坂村真民)

何ごとも強く念じて、一生懸命に努力していけば、自ずと道は開けていく。
たしかな行動に結びつくほどの”強い想い”をもって行動することが大切だと教えられる言葉です。

【凛】

【凛】|書作品の販売・制作・依頼|書道家藤井碧峰

<意味>態度・容姿・声などが、きびしく引き締まっているさま。

起業した頃、自分の字がどんな字なのか今一つ分かりませんでした。
大体真面目な字だというのは分かっていましたが、そのうちに技術や様々な視点が身につくうちに、芯のある冴えた字を目指していることに気が付きます。
その芯とは何なのか人には説明のつかないものかもしれませんが、生命感ある書の要素だと信じています。

【泥中の蓮】

<意味>汚れた環境の中でもそれに影響されずに、清らかさを保っていることのたとえ。

いつも周りの顔ばかりうかがっていないか、イエスマンになっていないか、自分を守ることばかり考えていないか。
日本では空気を読む文化がありますが、空気を読まない人もいないと、時代が変わらず、良くなっていかないのも事実です。

【萬物生光輝】

<意味>森羅万象のすべてが光り輝く。

【千秋萬歳】

<意味>永遠であること。また長寿を祝う言葉。

この作品が今回の作品のなかでも特にお気に入りです。
それでも10年前の自分がこれを気に入ったかというと、多分視界に入らなかったと思います。

色々な書に触れたり、また生活において感性を磨いたりしてきたなかで、見えていなかったものも見えてきたのでしょう。
好きなものによって意識も変わるし、書き方も変わっていくはずですが、ブレないもの、絶対に譲れないものも持ち続けたいものです。

【名月や池をめぐりて夜もすがら】(松尾芭蕉)

【名月や池をめぐりて夜もすがら(松尾芭蕉)】|書作品の販売・制作・依頼|書道家藤井碧峰

中秋の名月を眺めながら池のまわりを一晩中歩いていた、といった意味のこの句。
今年の夏、立山で星空を見ることができ、光の無い世界では夜空がより鮮明に見えました。
きっと芭蕉の生きた時代も今より綺麗に夜空が見えたのだろうと想像されます。

【風】

創作のため言葉を選んだり、作ったりする日々のなかで、自然とこの字が入った言葉を書いてしまいます。
いつの時代も思うのは、何処でも自分がそれなりに関わるからには、その場に自分がいて良かったと感じていただける行いをすること。
いつでも良い風をもたらす人間でありたいと願い、今日も歩みを進めます。

【思無邪】

<意味>思っていることに邪念も偽りもないこと。

【どんな山も乗り越えてゆけ】

様々な山(壁)が日常の中には存在します。
それを山だと感じるかどうかも人それぞれですが、前進しているからこそ山にぶつかるのであって、何もなければ生じないことなのです。
麓では見えなかった心揺さぶる景色も、登った者にしか分かりません。
できることなら想像や見聞きして知るのではなく、実際に体験して自分の糧にしていきませんか。

【重厚堅正】

<意味>軽薄ならず堅実正直なれ。

【尚古】

<意味>昔の文物や制度にあこがれ、これらを尊ぶこと。

この作品は最後らへんに追加したものですが、非常に表情があり、場が和みそうで気に入ってます。
書は上手い下手とか、書いてある意味の良し悪しも大切かもしれませんが、”その場を変える”という意味合いがあれば、もっと広い世界で受け入れられる気がします。

【深い河は静かに流れる】

<意味>本当に力のある人は悠然と行動するということ。

今回色紙額や色紙掛けじゃないものにも色紙をセットして展示したのですが、これは無数に額装にチャレンジしてきた作家としての一つの訴えでもあります。
選択肢が限られた中でも、沢山の方法で額装を楽しめますし、そうすればもっと展示の幅も広げていけます。

【坐花酔月】

<意味>花さくところに腰をおろし、月をながめて酒をたのしむ。

【雲収山嶽青】

答えが見えない、悩みが尽きない。スッキリせず、本来の自分が見えないことを、心に暗雲がかかると言ったりします。
時々登山をしていて、霧に包まれて同じような風景に出くわすことがあります。
雲が消え去り、山々が神々しく青く輝くその一瞬は、その場の本来の姿を映し出し、気持ちも昂ります。
辿り着くべきあの場所へいつかは辿り着き、そこからの景色をはっきりと見てみたいものです。

【ほろほろ酔うて木の葉ふる】(種田山頭火)

山路を歩き疲れて飲むいっぱいの酒。
憂鬱は融け、そこはかとなく散る木の葉の音が耳にしっとりと響きます。

【日新】

<意味>古いことやよくないことを改め、日々に新しくすること。

作品展を終えて

展示が始まった際に、「会社員時代にも独立起業してからも経験したことの無い、言葉にならない慌ただしさのなかで制作に取り組むことになりました」と書いたこの展示ですが、何やら慌ただしいまま11月半ばまで来て、この作品紹介も遅れてしまいました。

9/3~10/31 富山県信用組合出町出張所にて作品展示|色紙展

作品展に出している額の点数が多くて、新事務所の作品展示スペースも中途半端だったのですが、一気に作品が増えて賑わった雰囲気になっております。(いずれお見せします)
またそこに作品が沢山あるだけで、どことなく豊かな気分になれるのは不思議なものです
自分の書いた作品を掛けておいて変な話なのですけどね笑

書に限らず、絵や写真、彫刻など、美術工芸品の類は心にゆとりがないと楽しめないものかもしれません。
でも一方で、生活空間に好きな作品があれば、それを見つめているだけで癒しになる、ということもあります。
私は実際に新事務所は先人の書を何点も掛けて、幸せな空間に仕上げております。

以前より展示させていただいている金融機関の方々に、(藤井の)展示の際は雰囲気が変わって良い雰囲気になるといったことを何度か言われたことがあります。
あくまでも生活空間に飾っていただけるような作品を意識してきただけに、その場に少し味付けできるというのは大変ありがたいことです。

【百福】|書作品の販売・制作・依頼|書道家藤井碧峰

書き手として作品が目に触れるだけで嬉しいものですが、1枚でも気に入っていただける作品があったならなお嬉しいもの。
更にそれを自分のものにしていたいと強く願い、実際に作品を買い求めいただけるのは本当にありがたいことです。

これからも砺波の地をベースに活動して参りますので、今後の展示等も楽しみにしてお待ちいただければ幸いです。

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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