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書道の硯と紙の価格と違い<仮名用>

最初は1500円の羅紋硯で硯デビュー

私が硯で墨を磨って書道をするようになったのは大人になってからでした。

実際のところ時間の効率とか考えると、すぐに練習を始められる墨液ばかりが使われる時代ですからね。
特に漢字ばかり書いているとすぐに墨が無くなってしまうため、どうしてもそうなります。

仮名書道

そんな理由で硯を使うようになったのは仮名の練習をするようになってからでした。
仮名は一回墨をつけると一気に何字も書くため、墨の伸びが良くないとダメなためです。

何故伸びが良くなるかというと、硯で墨を磨ると墨の粒子が細かくなり、細かいほどサラサラしているので抵抗にならないということでした。

仮名の場合は墨をあまり使わないので10~15分程度である程度墨を磨ることができます。

最初はお手軽な1500円の羅紋硯を買いました。
学生が使うのも大抵はこの硯ではないでしょうか?  

高い硯(端渓硯)を買うの巻

ずっと”高い硯は何が違うのだろう?”と思っていました。
筆の違いは小さい頃から感じ取りながら成長してきたのである程度は分かっているつもりでしたが、硯だけは他の人の話を聞いていてもよく分かりません。

書道専門店さんに行って聞いてみると、
「仮名書くなら大体これくらいの硯使わなきゃ」
と言われて、見た硯は1万円以上のものでした。

高いのでしばらく躊躇して、1年以上経ってからようやく端渓硯の麻仔坑を購入。
15,000円でしたので、最初に買った羅紋硯の10倍の値段ですね笑

 端渓硯麻仔坑  

硯を変えると書く感覚が変わった

何とも胡散臭い見出し。
実際に硯を変えると書く感覚が変わりました!

どう変わったかと言いますと、

・筆の穂先がまとまるようになって、細い線を書くときにコントロールしやすくなった
・硯を洗うのが楽になった
・筆を洗うのが楽になった
・墨が滲みにくくなった

という4点が大きく挙げられます。
個人の体感レベルによりますが、私の印象はこんな感じでした。

それまで2年近く羅紋硯を使用し、ずっと同じ墨を使っていたので、硯だけを変えてこんなに変化するとは驚きでした!

穂先がまとまってコントロールしやすくなったというのが一番大きい収穫でして、これは”上達する道具”だと思いました。

あと硯と筆を洗いやすくなったという点に関しては、硯の面の凹凸が細かくなったことに伴い、墨の粒子が細かくなってよりサラサラになったため洗いやすくなったようです。

墨が滲みにくくなったのは目に見えて分かりました
筆先の墨をぬぐう時に吸い取り紙を使用しますが、以前まで滲んでいた墨があまり滲まなくなりました。  

紙を変えると潤渇の幅が広がった

仮名書道 紙
左は1000枚で4500円の紙で右は1000枚で9000円の紙です。
分かりにくいですが色が少し違います。 

触って分かる大きな違いは紙の抵抗感でしょうか。
安い紙はツルツルしていますが、高い紙は少し抵抗感があります。

書いてみて分かるのは墨の吸い込み方です。
安い紙は墨が多いと墨を弾いているような感覚がありますが、高い紙は多少墨を吸い込んでくれるので潤渇の幅が広がりました

仮名書道  

モノは実際に試してみないと分からない

道具も色々試してきていますが、やはり多くの方が良いと言うモノは良いです。

しかし書道はカタログ等ではその良さが分かりにくいので基本的には自分で使ってみるまで分からないし語れないなと思います。

今回は私が感じたままにブログの内容を書きましたが、もしかしたら違っているかもしれませんし、それを確かめるのもあなた次第です。

書道をするにはそれなりにお金は掛かりますが、気になる方は是非お試しください!

「私あまり違いが分からん人なのよー」という方も最初から諦めずに、違いを感じ取ろうという努力をしてください

筆やさんから聞いたお話ですが、書道家の方のなかには感覚の鋭い方もいれば鈍い方もいます。
それでは筆文字デザイナーだとどうなるかと言うと、更に鋭い人は減るでしょうね。

でも違いを感じ取れるようになれば道具を買った満足感は向上しますし、愛情も増しますし、道具を上手に使いこなし使い分けるキッカケになります。

そこまできたら、より書道が楽しくなることと思います!

仮名の道具に興味のある方にはこちらのブログもおすすめです。
「仮名の墨と紙の価格の関係」

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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