木製手書き表札職人|選べることが大切なオーダーメイド品
字が選べることを大切に|あなただけの表札を
先月から沢山の新しい出逢いがありまして、それから自分の仕事の良さ、大切にしていることについて、もっと訴えかけたほうが良いと強く感じました。
木製手書き表札は数多く手掛けるオーダーメイド商品の中でも、よりその良さやこだわりが分かりやすい商品だと捉えています。

書道家藤井碧峰が手掛ける木製手書き表札は、
①良い字を書くことへの飽くなきこだわり
②最高級品の材料(天然銘木)へのこだわり
③字も材料も選べること
④彫刻表札仕様を設けること
を大切にしています。
①良い字を書くことへの飽くなきこだわり
書道家として当然と言えば当然ですが、書は生き物であっておもちゃではありません。
本格的な書とそうでは無い書の違いは、理や法の有無にあるのではないでしょうか?
書は「筆を使っているぞ!」という雰囲気ばかりに持って行かれてしまうと、骨格が安定せず、手先でばかり戦うような、薄っぺらいものになってしまいます。
分かりやすい例としては、古典名品を日常的に学び、それをベースに創作等している人の書は、ちゃんと骨格が安定しているものの、そうではない人は顔で表現すると”目の上に鼻がついていたり、口の位置に耳がついていたり、目が3つついていたりと、化け物を書いているかのようである”と言えます。
また、内容は良くても見た人に伝わらない、自己満足に終わってしまうような表札を作らないようにしています。
例えば、草書だけの表札であったり、字面的に実現不可能な”流れるような字で書いてほしい”といったご要望の場合には、お客様にちゃんと説明してお断りするようにしています。

こちらは草書で、野原(右)と水上(左)と書いた例です。
原と上はまだ何となく分かるものの、使い方を誤ると見栄えも悪くなるというのが表札です。
普段から書の古典に真剣に向き合う人間としては、草書を用いるとしても、どれくらいの感じなら仲良く調合できるかを、感覚的に分かっています。
ということで、表札に相応しい字を届けるプロ、として存在することを大切にしています。
そして、字典を調べつつ、お客様のお名前(オーダー内容)に合った最良の字を探して、納得いくまで書き込みます。
一つの線の強弱、偏と旁の距離感、字と字の空間等、何か一つを取ってもバランスは崩れやすいもので、ベストバランスを探し求めます。

また、木製手書き表札を手掛けるうえで、字をにじませないというのは大切にしています。
ヒノキくらいだと若干は滲みますが、ちゃんと準備を怠らなければある程度防ぐことができます。
どうしても滲みがあると不吉なオーラを醸してしまうため、それは避けなければいけません。
また、木に対して墨が浮き出るように墨色が良いことも、また字が良い状態で見えるようキープできるように表面処理の技術が大切です。
②最高級品の材料(天然銘木)へのこだわり
当方で手掛ける木製表札は最高級品で、品質が非常に良いというのが売りです。
そしてその材料を厚めに使い、見事なカンナ捌きで仕上げられているため、非常に見栄えが良く、材料単体で見ても見惚れてしまう程です。

木材は種類ごとに性質が分かれますが、
・滲みやすいか滲みにくいか
・表面が凸凹しているかフラットか
・脂が乗っているか否か
・乾燥しているか湿っているか
・硬いか柔らかいか
・木目の位置はどうか
などを気にしながら、それぞれの表札が最良の仕上がりとなるように努めます。
お名前を書き上げたあとは表面処理を行いますが、こちらもその時の状況、環境によって工程が変わってくるため、非常に試されます。
そして発送するまで、傷がつかないように細心の注意を払いながら、配送中に何があっても大丈夫なように梱包を行います。

③字も材料も選べること
最後に持ってきましたが、藤井碧峰の手書き表札の制作において、選択できることを大切にしています。
例外として、字に関して「おまかせでお願いいたします」と要望を頂いた場合、余程困った時を除いては1パターンしか提案できません。
しかし、基本的には草稿提案時に2パターンは提案するようにしており、その中からお客様の方でお選びいただくという流れで制作しております。

仮に佐藤さんで、色々見たいと要望いただいた場合は、上記のように3パターンはお見せできます。
これが柔らかい楷書を、太目の行書を、と要望された場合には、他の字も書けます。
隷書はあまり書き分けしようがないので、「字形の都合上、ご了承くださいませ」となるかもしれません。
あくまでも、藤井碧峰が書く意味がある字しか提供しないためです。

上の画像のような正方形表札の場合、各字の大きさと余白のバランスが難しいので、合成画像を使って事前確認をしたりもします。
時間がそこそこ掛かる作業ですが、お客様のもとに表札が届いてから「もっとこうして欲しかった」と言われるより余程良いです。
当然、私の方ではパターンを多く作るほど手間になりますし、下手するとお客様を惑わせることにも繋がってしまいます。(返信を頂けない時間は正直辛いです)
それでも、お客様とのやり取りの中で、表札に書く字を決めたという流れが大切だと感じています。
これが、書き手としてお客様の想いを字の中で表現していくという流れとなり、これによって永くその表札と接するお客様が、表札をご覧いただく度に「あの時、家族と話し合って、複数あったパターンの中から、これを選んだんだよな」と振り返ることができ、それがお客様と書き手藤井碧峰のなかに物語が生まれたということになります。
よって、表札の書き手として藤井碧峰を選ぶ理由は、人生に何度も無いこの表札制作を特別な体験にし、より豊かな空間を生み出すことに繋がるのです。(と思って制作に向き合っています)

材料も色々選べるのですが、その点お客様を悩ませてしまう瞬間も多いのかもしれません。
しかし、先述のように選択したという要素が少しでもあった方が、お客様の満足度に繋がることを知っているため、書き手として妥協しません。
取り扱いしている代表的な材料のヒノキとケヤキを比較しても、同じ字を書いたところで雰囲気は結構変わってきます。
お客様側で困られた際には、頂いた情報をもとに相談にのったりもします。
仮にも、これまで制作した表札がどのような場所に取り付けられているか、頭の中にデータベースがある者として言えることがあり、それも大切にやりとりさせていただいております。

④彫刻表札仕様を設けること
誰にも真似できない、最高の技術を集結させた表札を作ることが、僕の一つの夢でした。
価格が高ければ良いのではなく、最高の材料で最高の技術を掛け合わせた表札であることです。
それが今のところ彫刻表札で、【かまぼこ彫り表札】と【浮き彫り表札】の2種類あります。
- 57,000円 [税込]
【正統派彫刻表札『かまぼこ彫り』|井波彫刻】 書道家藤井碧峰がお客様のオーダーに合わせて手書きした字を、富山が世界に誇る彫刻の街、南砺市井波の彫刻士山﨑新介氏、吉本知正氏が彫る『かまぼこ彫り』の表札です。 古き良きものを愛する正統派の書の職人と彫刻職人による、徹底的にこだわり抜いた彫刻表札を是非味わってください。 【山崎新介氏 略歴】 昭和42年7月 愛知県西尾市に生まれる 昭和61年 富山県立高岡工芸高等学校 デザイン科卒業 昭和61年 二代目南部白雲(故) に師事 平成4年…
- 77,000円 [税込]
【正統派彫刻表札『浮き彫り』|井波彫刻】 書道家藤井碧峰がお客様のオーダーに合わせて手書きした字を、富山が世界に誇る彫刻の街、南砺市井波の彫刻士山﨑新介氏、吉本知正氏が彫る『浮き彫り』の表札です。 お客様のご依頼に対して、最高の技術で最高の一品を作り続けるのが我々工芸作家としての使命であります。 正統派の書の職人と彫刻職人による、徹底的にこだわり抜いた彫刻表札を是非味わってください。 【浮き彫りについて】 浮き彫りの表札は、字の周りの地を彫り下げて字を浮き上がらせ、更…
【かまぼこ彫り表札】・・・字の周りは彫り下げないで、字の部分(墨の入った黒い部分)で彫り進め、強弱を出したもの。


【浮き彫り表札】・・・字の周りの部分を彫り下げつつ、字の部分(墨の入った黒い部分)も彫って強弱を出したもの。


彫る前の字自体にも立体感があることを大切にしていますが、更に量感が増すのが彫刻表札です。
【かまぼこ彫り表札】ではシャープな雰囲気に、【浮き彫り表札】では重厚な雰囲気になるのが特徴です。
表札の制作を手掛けた頃から、何故誰にも真似できない、最高の技術を集結させた表札を作ることを求めていたのですが、それは地元南砺市の井波彫刻とのタッグ以外の何でもありませんでした。
井波は今もなお、彫刻士が沢山住んでいる街で、技術力があることはもちろん、地理的な条件もあって連携を取りやすく、意思の疎通もばっちりです。
藤井碧峰の字を彫っていただくからには、彫る意味自体もあるかどうかも問うため、技術力が高いことに加えて、お互いに意見し合える関係であることが大切です。
いつも彫刻を担当されている山﨑新介さんと吉本知正さんは書のことも学びながら、色々と提案もしてくださります。
吉本さんは下の写真のように、自分のお名前を使って浮き彫り表札とかまぼこ彫り表札の比較サンプルを作られました。
若干渇筆も入れた仕様でして、これもまだ研究中なのですが、現状字を見るだけで同じ字なのに結構量感や雰囲気が変わってくることがご確認いただけると思います。

こちらはモデルのルギャルさまからご依頼いただいた表札で、ヒノキの浮き彫り&飾り付きです。
桜を彫ってあるのですが、これは一枚の板から彫ってあるんです!(ご要望があれば対応できます)
しかもヒノキは柔らかいので彫りにくいのです、、、
ノミの痕が残る点で面白いのですが、この後時間が経過するにつれて良い色がつくことでしょう。


木製表札愛好家として
家でもできる実験をしております。
以前、取り付けに関してのブログ【【写真で解説】木製表札の取り付け方法|失敗しないためのポイント】も書いておりますが、色の変化も見ております。
多くのお客様が、木製表札の色が変化することを恐れていらっしゃるようですが、僕や木を取り扱う業者は一貫して変化することを楽しんでおります。
ちなみに昨年取り付けた材料は、このように変化しておりまして、ヒノキとケヤキの色が近い感じになりました。
(左右逆になりました)

↓↓↓

ケヤキの赤っぽい感じが抜けて、ヒノキが少し色づいた感じです。
ちなみに字が変わっておりますが、数か月前強風でヒノキ君が吹っ飛んで傷ついてしまい、凸凹を修正したのち書き直したのです・・・
軽い表札を風の影響の受けにくい置く側に移動しつつ、両方の表札の裏面にスポンジタイプの両面テープを貼って、風対策をしました。
お客様にも、「穴で固定した後は、表札の裏面に両面テープを貼って動かないようにしたほうが良いです」とお伝えしてきましたが、自らそれを証明することになりました。
気を付けましょう!

というわけで、長々と表札について熱く書かせていただきました。
書き手として譲れないものがあるとしたら、手書き表札を手掛けるうえで、誰にも負けない最高の表札をお届けできる自信があります。
それは手書き表札であっても、彫刻表札であっても同じです。
木製手書き表札職人として、他の追随を許さない商品をこの世に送り続けられることが、書道家としての誇りでもあります。
これからも大切に制作をさせていただきます!




