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書道家の仕事内容と収入を得る方法|夢と現実

書道家の仕事内容と収入を得る方法|夢と現実

書道家という仕事が気になる皆さんへ、書道家の仕事内容と収入を得る方法、そして個人事業の現実をお届けします。

書道家はどのような役割を果たし、どのようなスキルや能力が求められるのか、そして収入源やマーケティング戦略について記します。
さらに、個人事業としての書道家として成功するためのコツや、フリーランス生活についてもご紹介します。

あくまでも藤井碧峰目線での語りとなりますが、ご覧いただければ幸いです。

書道家の仕事内容

書道家は、質の良い手書き文字を届けることや、書道作品を通して芸術表現を行う専門家です。
ここではアマではなく”プロ”としての書道家を取り上げています。
彼らの仕事内容は、主に以下の2つの側面で構成されています。

書道家の役割と活動範囲

6/3~7/1 北陸銀行砺波支店にて作品展示|趣味としての書を大切に

書道家の主な役割は、文字や言葉を美しく、また書で何かを表現することです。
書は筆を使うことが前提かと言われると、そうとは言い切れません。
硬筆の分野ではえんぴつやシャープペンシル、ボールペンを用いますし、前衛書では違う道具を使うこともあります。

主たる書の世界では漢字、ひらがな、カタカナなどの文字を使用して、書道作品を制作します。
書道家は書作品を通して、感情やメッセージを表現し、文化や伝統を伝える役割も果たしています。
さらに、書道家は展示会やイベントで自身の作品を紹介し、他の人々と交流を深める機会を設ける場合もあります。

書道家としてのスキルと必要な能力

書道

書道家として良い意味で成功するためには、さまざまなスキルと能力が必要です。

まず第一に、優れた文字の書き手であることが求められます。
一文字での格好が取れることやバランスはもちろん、他の字との兼ね合いや、筆致、行間など、細部にまで気配りが必要です。
また、創造性や表現力も重要であり、独自のスタイルや感性を持つことが大切です。

さらに、忍耐力や集中力も必要であり、長時間集中して作品を制作することが多いため、粘り強さが求められます。

書道家として収入を得る方法

書道家として収入を得るためには、さまざまな方法や戦略が存在します。書道家はどのようにして収入を得ているのでしょうか。以下では、書道家の主な収入源とマーケティング戦略について詳しく見ていきます。

書道家の仕事内容・収入源

書道家の仕事内容と収入を得る方法|夢と現実

書道家の仕事内容・収入源は、以下のようなものが挙げられます。

  1. 作品の販売: 書道家は自身の作品を販売することで収入を得ることができます。個展やグループ展、オンラインショップなどを通じて作品を販売することが一般的です。
  2. 商品の販売:書道家は自身で商品を開発・販売することで収入を得ることができます。ニッチな分野だけに、幅広い視野と行動力が大切です。
  3. 筆文字ロゴの提供:書道家はお店の看板や、商品ロゴ等に使われる筆文字ロゴを提供することで収入を得ることができます。
  4. 書道教室の運営: 書道家は自宅やカルチャーセンター、貸し教室などで書道教室を開催することで収入を得ることができます。初心者向けや上級者向けのクラスを設ける、自分の守備範囲と照らし合わせての生徒募集をするなど、様々なニーズを想定しながら対応することが重要です。
  5. イベントやワークショップの講師: 書道家は企業イベントや学校などで講師として招かれることで収入を得ることができます。当然自ら企画して開催することも可能です。
  6. 書道パフォーマンス:書道家は企業イベントやお祭りなどで、人前で書道パフォーマンスを行うことで収入を得ることができます。
  7. SNSからの収入:YouTubeやX(旧Twitter)等で広告、投げ銭で収入を得ることができます。
  8. アルバイト:書道家は自営業のため、時々違う環境で働くことで収入を得つつ、様々な学びを得ることができます。
書道家の仕事内容と収入を得る方法|夢と現実

それぞれの良し悪しについても、私が知る範囲で述べてみたいと思います。

  1. 作品の販売:〇作家として一番作家らしく仕事できていると実感できる。
          ×生活必需品ではないので、安定した仕事量を得るのは難しい。
  2. 商品の販売:〇需要の多いものを開発できれば収入を増やせる。
          ×良いものを作っても売れるわけではないので難しい。
  3. 筆文字ロゴの提供:〇活字だらけの世の中なので、良い字ならその良さがより浮き出る。
             ×違いが分かる人が少なく、価値があることも理解していただきにくい。
  4. 書道教室の運営:〇ある程度の生徒数になれば安定収入を得られる。
            ×生徒数が増えるだけ、何かが起きる可能性が高まる。
  5. イベントやワークショップの講師:〇新しい顧客に出逢える可能性が高まる。
                    ×認知を広め集客することが難しい。
  6. 書道パフォーマンス:〇できる人が限られているので、需要がそれなりにある。
              ×目立ちたくない人には誘われたくない分野。
  7. SNSからの収入:〇認知力と共に収入を上げられる。
            ×書道の動画を見る人は書道関連の人が多いため、数に限りがあると言える。
  8. アルバイト:〇外部からの収入で安心感を得られる。他の仕事から学ぶことができる。
          ×やり過ぎると書道家らしくない(周りの視線を気にしての話)

書道家としてのマーケティング戦略

「独自性」起業は自分の生活を自由に組み立てることかも

書道家が成功するためには、時代性に応じた、適切なマーケティング戦略が欠かせません。書道家が自身の作品やサービスを効果的に市場に展開するためには、以下の点に注意する必要があります。

  • オンラインプレゼンスの構築: ウェブサイトやSNSを活用して、自身の作品や活動を積極的に発信することが重要です。オンラインでの作品紹介や販売を行うことで、幅広い顧客層にアプローチすることが可能となります。
  • ネットワークの活用: 書道家は様々なコミュニティなどにも参加し、ネットワークを構築することが重要です。交流を深めることで新たな機会や顧客獲得のチャンスを広げることができます。
  • 顧客との関係構築: 顧客との信頼関係を築くことが重要です。定期的なブログ更新(SNS発信)やイベントの開催、作品の展示会などを通じて、顧客とのコミュニケーションを図ることでファンを増やし維持することができます。
  • 独自性の発揮: 書道家は自身の個性や独自性を強みとして活かすことが重要です。他との差別化を図るためには、独自のスタイルやアプローチを追求し、常に改善を試みながら継続的に新しい取り組みを行うことが求められます。

他にも重要なマーケティング戦略がありますが、それは書道家藤井碧峰の最も核となる部分なので非公開。
とにかく、当たり前のことを当たり前に行うのは当然ですが、書道界では当たり前のことが為されていないことは結構見受けられ、そこに目を向ける必要性があります。

個人事業としての書道家の夢と現実

書道家として個人事業を展開することは、大変夢のあることです。
取り扱いするものは基本的に生活必需品ではないので、むやみやたらに行動しても上手くいきません。
夢を実現するためには現実を直視し、様々な正しい努力と工夫が必要です。

フリーランス書道家としての生活

書道家の仕事内容と収入を得る方法|夢と現実

フリーランスの書道家として働くことは、自由度が高く魅力的な選択肢です。
しかし、自己管理能力と継続的な努力、絶え間ない行動・挑戦が求められます。

自宅で仕事をすると、通勤時間が掛かりませんが、一方で相当な運動不足になります。
私は前職の時より腕周りが2㎝以上細くなり、力仕事に弱くなりました。
そして体力も相当落ちました。
元々白い肌は更に白いと言われます笑

技術、営業力、人間性、地域性、何でも関係すると思って、それらをとことん高めて、お客様に最高の体験をしていただくことが次に繋がります。
フリーランスの書道家は次の機会を作るために、常に種まきと水やりをし続けることが大切です。

仕事が入ってこない時は恐ろしく不安になるもので、私の場合はそれとともに体調が良くない時期が長く続きました。
自分は世の中に求められていないんだと、自己嫌悪に陥ることもありますが、不屈の精神とともに行動に変えるような力が必要です。

「諦めが悪いという潔さと共に夢に挑む」(自作)|富山県の書道家藤井碧峰|書道作品の制作・販売

一人で仕事をしていると、良いことも悪いことも全部自分に返ってきます。
だから多くの学びを得られると同時に、365日24時間常に仕事について考えている自分になります。
会社員だと休みの時間を気にして頑張れないことも、フリーランスなら自分がやりたいことだから許される時間の使い方をできると言えます。

成功するためのコツ

書道家として成功するためには、単なる技術や才能だけでなく、ビジネスとしての側面が極めて重要です。
と言いながら成功しているか怪しい自分なので、今のところ6年事業をやって生き残ってきて分かっていることを記します。

メディア出演している書道家についてのコメントをよく耳にしますが、、、
「何であんなに字が上手くもない人がテレビで活躍して・・・」「見た目が綺麗なだけで字は・・・」「お習字レベルの字で何が書道家なん!」「ネットはギラギラした字ばかりやわ・・・」というのは(私は何も言っておりません笑)、字としては成功していなかったとしても、ビジネスとしては一つの成功しているパターンとして認めざるを得ないと思います。

書道家起業・経営の中で実現し、証明したかったこと

一から事業を始めた際に一番大変なのは認知を広めることです。
知られていなければ存在しないのと同じ。
なので、見た目を武器に表に出る人も、自社(個人)の持つ貴重なリソース(資源)を有効活用しているため、一つの戦い方として捉えています。
有名な方の中には、所属する何かの団体・宗教の力に身を委ねる方も、表向きには言わなくても沢山います。

私は自分のリソースを踏まえた時に、正しい努力でステップアップしていきたいと感じたタイプなので同様な手段は考えませんが、仮にも「そこまでしてでも成功したい!」という気持ちとか、周りの視線を気にせず足を踏み出した行動力のようなものは真似できないので、その点では凄いなと感じています。

額装、軸装、看板作品 制作|書のオーダーメイド|書道家藤井碧峰

自分が語れるとしたら、正しい努力の上での成功へのアプローチ。
そこには戦略的な計画と効果的なマーケティングが欠かせません。
企業では営業部の人が頑張っていたおかげで作業に徹していた人も、個人事業では基本的に誰も営業してくれないので、自ら仕事を取りに行く行動が不可欠です。

持論ではありますが、やはり書道家と名乗るなら字で、作品で勝負すべきです。
字が良くなくて、周りの書き手、業者から文句しか出ないというのは、書道家を名乗るにも辛いものがありますから。
効果的な営業活動というものも、良い商品があってこそ成り立つものです。
良い商品を届けないのは人を騙していると取られても致し方ありません。

一方で、良い字を書ければ作品が売れるというものでもありません。
書が欲しい人に”自分の作品”を認知してもらえる仕組みづくりが必要です。
不特定多数の人に知っていただくことも大切ですが、不特定多数にアプローチするとイメージが思わぬ方向に行きがちです。

北陸銀行藤井碧峰書作展2023

私の場合は、自分の存在より作品の存在が優位に立つように進めています。
自分の存在の認知は遅効性で、後からついてくるものだと考えています。
とにかく印象に残るような良い作品を書くこと、そして様々な形で目につくこと。

自分で良い作品やら経験が長いやら、資格があるやら腕があるとか言わなくても、見る人が見れば分かるものを書くことが基本だと思っています。
それは書に関心ある人が少なくなった今の日本だからこそ、書で成功するためのコツというか、本当に良いものを次代へ残していくための大切な流れとなると信じています。

日々の生活の中で、「これが書道家と名乗る人の仕事?」と思ってしまう制作物を見ることがあります。
ご依頼者、お客様が良ければ良い、と言ってしまえばそれでお終いですが、そこが今の書道界の問題でもあります。

お金を頂いて仕事をするから商売であり、プロです。
お金には責任がついてきます。

本当に良いものを知って学んで、審美眼を磨いて、本当に良いものを届けられるように少しでも努力しようじゃないですか。
それだけは起業時から強く感じていることで、これを死ぬまで貫き通したいと思っております。

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この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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