藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
珍しくブログの更新が滞っておりました(;’∀’)
この間、「令和」の件で身の回りも盛り上がり楽しかったんですけどね。
ホームページ制作会社のJetBさんのほうでもビックリされて電話が掛かって来たり♪
私はというと、書かなくちゃいけない作品が多過ぎて自分を相当追い込んで書いておりました。
これがまた気合いのいるもので、書道って小作品ものなら座って書けるので良いんですが、私の場合は半紙以上の大きさの作品は床に敷いて書くので体力的に相当消耗します。
腰痛にもなります笑
ここ3日間は半紙だけで300枚くらい書きましたかね。
全部臨書です。
半紙1袋で20枚入りなので、書き終わった後に溜まったビニール袋の数を見ると唖然としますよね笑
半紙に2字~6字書いていたのですが、そこでとあることへの考えを思いついたので述べます。
大抵の書道、お習字をされているからが半紙に書く字数は1~6字だと思います。
特に決まりはありませんが、書道界でも所属する流派や会によって課題の字数というのはバラつきがあると思います。
とりわけ初心者向けの課題というのは2~4字が妥当だと考えています。
これには理由があって、字数が5字以上になると紙に収めることが大変で字を書くこと自体に集中できないからです。
今日Instagramの課題で書いていた欧陽詢の九成宮醴泉銘ですが、6字を収めるとなると線が冴えず、あまり良い書とは言えませんね。
腕が委縮するので動きのない書になります。
こちらは半切3/8サイズに書いたもの。
腕が動き、線に勢いがあるので垢抜けした字になりました。
もちろん半紙6字でも少し書き込めば多少の冴えが出てくるのですが、それは上級者向けです。
お習字教室や書道教室では、基本的に”半紙に大きい筆で字を書く”ということをしています。
「実際に上手くなりたいのは日常的に使うボールペンの字や筆ペンの字なのに・・・」
という方もいらっしゃると思います。
大きい字で書いて学ぶメリットは特別に誰かから聞いたわけではありませんが、大きい字を上手に書けるようになると字の美しい形の作り方や、そのための書法を学びやすいという点だと思います。
実際のところ私も細字が上達したのはここ数年の話でして、腕がよく動くようになってからですね。
要は、腕を動かすことを身に付けないと良い細字は書けません。
【小さい字を書いているのに大きく見える】
これが書の理想です。
これはちょっと前までやっていた東京国立博物館で飾られていた顔真卿の書ですが、実際の書は小さいのにスケール感の大きい書です。
半紙に4字で書いてですらなかなかその凄さを表現できないものです。
でも何回も書いているうちに腕の動かし方を覚えることができます。
これが6字だと相当な技術が必要です。
我々毎日書道系はそれほど字数を小さくして&間合いを詰めて書く作品が少ないので、そこまで6字で書くメリットはないかもしれません。
6字で書くことに必死になり過ぎると、そのスケール感で完結する人になってしまいます。
私はあくまでも半切サイズ以上を常に意識していますし、毎日書道会的にもほとんどそうだと思います。
実際のところ私が育ってきた会の課題はいつも半紙に2~4字でした。
書作という競書誌を取るようになって初めて6字以上の課題が出てきました。
もちろん慣れてきたら6字入れるトレーニングは必要です。
横長な隷書で6字入れるのは簡単ですが、行草書で6字入れるとなるとかなり難しいです。
九成宮醴泉銘のように縦長の楷書を収めるのも相当無理があります。
色紙サイズは尚更難しいです。
半紙の縦の長さを更に6cmほど短くしています。
更に額に入った時のことも考えて余白を作らなくてはいけません。
こういう場合は一発目から色紙に書くことを考えずに、一旦半紙を色紙サイズに切って(折って)練習すると良いです。
このようにいずれはどの字数でも収める技術が必要となるわけですが、それぞれの用途にあった字数で勉強されると良いでしょう。
とりあえる言えることは、初心者が6字ずつ半紙に収めて臨書学習しても得られるものは、2~4字ずつ収めて臨書した人に対して少ないとは思いますね!
CLOSE