藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
〇住所
富山県砺波市表町6-9
〇時間
平日の9:00 ~12:30、13:30~15:00までご覧いただけます
砺波支店出町出張所 – 富山県信用組合 (toyama-kenshin.co.jp)
今回の藤井碧峰書作展は、会社員時代にも独立起業してからも経験したことの無い、言葉にならない慌ただしさのなかで制作に取り組むことになりました。
そんな状況下だからこそ頭に浮かんだのは色紙展という、大色紙にサイズを限定した展示です。
色紙というのは書画をする者にとって身近なものではありますが、小さいが故に想像以上に技術を伴うものです。
余白を大切にして、一般の方々の多くのご自宅に飾っていただくことを意識した作品を手掛ける私としては、この限られたスペースでどれだけ幅広く深いものを表現するかが勝負となりました。
一方で、あえて技に凝り過ぎないようにも気をつけました。
工夫を凝らせば更に多くの表情を出せるのは承知のうえで、凝り過ぎても色紙のお手軽感が無くなってしまうという意識が働いてのことです。
こだわる一方でこだわりを捨て、息を吐くようにして出てきた自然体の作品の数々を、ごゆっくりご高覧くださいませ。
色紙はお手軽で、何が良いかというとあのしっかりとした台紙に貼られていることです。
通常、紙に直接書いても、墨が乾けば紙にシワが寄ってみっともない状態になってしまうので、ビシッとした状態の色紙は人に贈るのにも適しています。
当方でも命名書という形で商品化しておりますが、手短にあのクオリティの命名書をお出しできるのは有難いことです。
一方で、紙側の墨の受け入れ容量が限られるため、書いた時に線に余った墨は表面に残りがちです。
なので同じ紙を使用した色紙でも滲みやすく、気をつけすぎても墨が入りづらく、作品1枚仕上げるのに結構大変なのが色紙だということも言えます。
紙に一度書いたものを色紙に貼り込むという技もありますが、いずれにしてもあの大きさに作品を余白のバランスを取りながら書くのも技術です。
日々作品制作のご依頼を頂いている書家の身としても、色紙はそれなりに向き合ってきたサイズでして、そこから学んだことを少しでも表現できていれば幸いです。
あと額に関しては、色紙額という既定のサイズがあるので、入手しやすいのも良い点。
今回は開催の直前になって、いつもお世話になっている書道用品店、画材屋さんで入手。
本当は駄目ですが(笑)、それも含めて色紙というサイズの良さが表れていると思います。
色紙は色紙額にこだわらなければいけないか?というとそうでもなく、3点オリジナルで額を作ってみました。
それもまたご覧いただければ良いですね。
今回の展示も沢山の方にご覧いただくのを楽しみにしております。
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