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正統派の書でお届けする手書き表札への熱い気持ち

正統派の書をお届けするためにこだわり抜いた一品

手書き表札の揮毫「中島」

今やメイン商品となっている手書き表札ですが、沢山手掛けさせて頂いたなかで”求めてくださっている方がいるのにアプローチできていない”という事実に気づかされます。
それは直接の知り合いであったり、地元の銀行ロビー展での展示をご覧にならない限り、ネット上の案内ページでしかこの表札を知って頂くことがないからです。
もっと多くの方に知って頂くため、改めて木に直接書く手書き表札について述べたいと思います。

書道家藤井碧峰の取り扱い商品は、2018年6月に起業した際には筆文字Tシャツや筆文字スマホケースをメインとしていたのですが、割と早い段階で登場したのが筆文字慶弔印・住所印と手書き表札です。 
事業がスタートした際は自信満々という状態で突っ走ったわけでなく、限られたリソースで戦うしかなかったため、正統派の真面目な字を武器にしばらくは戦っていこうと思っていました。
そして一般の方々の生活において求められるものを手掛けようと思い、開発したのが商品がこの2つでした。

ネット上に活字やフリー素材の筆文字が溢れる世の中だから、本物の書の良さを知って頂くにはストレートな正統派の書が活きると信じて。
【書道家藤井碧峰作品集】ページにあるような作品では渇筆(かすれ)が入ることが多く、その渇筆が魅力的だと言って頂けることもあるのですが、この2点の商品では渇筆を出すことは基本的にありません。
書道においては、地道にシンプルな線を磨いていくことが、その書の持つ奥深さに繋がると信じているからです。
毎日のように見るものですから、心にグサッとくるものというよりかは、ずっと見ていても飽きない、見れば見るほど味が出てくるような表札をお届けしたいと思っています。

書道家のこだわり筆文字慶弔印スタンプ
「織田信長」書道家の手書きオーダーメイド表札書道家の手書きオーダーメイド表札

今の師の石飛博光先生に弟子入りする前より先生の著書を読み漁っていたのですが、とりわけ木へ直接手書きする表札に惹かれました。(画像載せられずすみません)
それまではさほど表札に惹かれたことが無かったのですが、石飛先生の書かれた正統派の書による表札を見て「こんな正統派の表札を書けるようになって、表札の世界で勝負してみたい。」と思うようになりました。

元々何度か手書き表札を手掛けたことはあったのですが、
・木の表札に直接書くのは紙に書くのと違って失敗が許されないこと
・木材自体の厚さがある関係で書く姿勢も変わってくること
・濃いめの墨で書くので慣れが必要なこと
といった点から、簡単に書けるものではありませんでした。

簡単に書けるものではないので、いかにして直接書いたときに最高のクオリティのものを出せるようにするかというと、徹底的に書き込んで精度を高めてサッと書けるようにするということでした。
当初は一回のご依頼につき何十回、何百回と書きましたね。
完全に体育会系の根性です笑

新選組【沖田総司】木製手書き表札イメージ

それも結局はやっているうちに書き込みがそれほど必要なくなっていきました。
一方で仕事をどうやって進めればお客様も安心してご依頼頂けるのかなどを日々考え修正を重ねて、そのなかで今の仕事の仕方にたどり着きました。

(1)ご希望のお名前、書体、希望される雰囲気を教えて頂く
(2)草稿(書く字のイメージ)を画像にて送り、確認して頂く(複数パターンの場合は選んで頂く)
(3)直接木に揮毫する
(4)表面加工する

こういった仕事の仕方には先生がいませんから、自分の感性で考えるのが一番です。
お客様がどんな気持ちでいるか、不安になる点をケアするような感じで構築していきました。
これは他のどんな人が真似しても自分のクオリティに絶対及ばないように誠意込めて行っております。

時々「依頼の前にどんな感じになるか字を見せて頂けますか?」というご質問を受けていたりするのですが、それはお断りさせて頂いております。
それは書道家として字を書くことがお仕事なので、それで代金を受けている以上は書くだけ書いてご注文頂けなければ、お金を頂いているお客様に申し訳ないからです。  

唯一無二の材料選び

【書道家の手書きオーダーメイド表札】

こちらの商品ページには沢山の書体イメージサンプル画像を掲載させて頂いております。
そのなかでご判断を頂くしかありませんが、それで不安が残るようでしたら私に依頼されるのは向かないのかもしれません。
なお、表札の板の色合いについてはデジタルカメラを使用したり、以前のスマホを使用していた時と今のスマホで画像の明るさが違うため、またページをご覧になっているデバイスの画質によっても色合いが変わるため、ご理解くださいませ。

昨年末に新しくクリエイター用パソコンに買い替えし、iPhoneとの組み合わせとなりかなり良い環境なのですが、今の状態で一番本物の表札の色合いに近いサンプル画像(実際に揮毫した表札)がこちらです。

手書き表札の揮毫「中島」 

それでも人工物ではないため、個体ごとに目は変わってきますし、微妙に色合いも変わるので難しいところです。
いかなる場合であっても、他で入手される材料より良いものをお届けできるよう、地元の業者さんと強力なタッグを組んで選別しております。
当方で使用しているヒノキは木曽檜を使用しており、柾目を使用しているため重厚な雰囲気に。

正統派書道家のお届けする手書き表札

そして、単純に字だけの違いで価格で比較されぬよう、従来の表札の厚み約36㎜(手前:近藤勇)より1㎝ほど分厚くした約45㎜(奥側)に。
(*ホームセンター等で取り扱いされている表札の厚みは30mmほどのようです)

正統派書道家のお届けする手書き表札

画像左側のようなケヤキ(欅)でのご依頼を頂くこともあり、こちらもご要望頂ければ対応可能です。
色が濃いので重厚感が増しますが、若干のことで目が粗いので書きにくい(どうにかしますが)のが特徴です。
ヒノキに比べて重く、滲みにくいという印象ですね。

基本的にはヒノキが当方での標準仕様です。
密度が高くそれなりに硬さがあり、白いため字が映えます。
書道家としては字を売りにしたいので、字を主役にできるようにと考えています。
何しろご自宅の顔となる大切な表札ですから、名前を堂々と誇っていてくれる存在であってほしいです。

正統派書道家のお届けする手書き表札

時々材料持ち込みでのご依頼相談も頂くのですが、これまでの経験としては材料もこちらにお任せ頂いた方が良いような結論になっております。
というのも、私の方で材料費を若干お得な形でお届けしているからです。
以前名前を書いていたものにカンナを入れて新しい面を出して書く、というパターンもありますが、書き手としては前書かれた方に失礼な気もしています。汗
あとは、大抵の場合はこちらで用意する材料が立派すぎるというところです。
とは言っても、もちろん持ち込みでのご依頼も承っておりますので、その際は一度お問い合わせくださいませ。  

手書き表札画像イメージ

夫婦での連名仕様や大型バージョンでの表札制作も承っております。
こちらの場合は材料代とお名前が増える分価格は少し上がりますが、従来の分厚い表札の横幅が広がるので圧倒的な存在感になります。
これはケヤキにて制作した場合の材料です。

手書き表札用材料 ケヤキ

主役の字に今の自分の全てを賭ける 

材料がどれだけ良いものであっても、とにかく手書き表札としては字が主役でありますので、それにおいてはご依頼頂くお客様にとって世界一の表札だと思って頂けるよう、精一杯良いものを書けるよう努めさせて頂いております。

こちらは川田様の表札制作時の事例です。
実際にご依頼頂く際はもっと書体を絞って頂いてからご依頼頂くのですが、書体については幅広く対応しております。
ただ対応しているだけでもどうしようもないので、一つ一つの書体を最上のものでお届けできるよう努めております。 

正統派書道家のお届けする手書き表札
手書き表札の揮毫「川田」

シンプルに難しい川田様のお名前だったのですが、左下のものをお選び頂きました。
隷書と言っても木簡調の伸びやかな書き方です。

当方では基本的に隷書は書かないので、サンプルには隷書体を載せないようにしているのですが、それは楷書、行書の表札は書くのが難しいと痛感しているからです。
先にも述べたように木に直接書く手書き表札は、紙のように失敗しても新しい紙を出してどんどん再トライできるようなものではないため、失敗が許されないことから書くのがメンタル的にも難しいです。
楷書(特にカチッとしたもの)の手書き表札の場合には緊張感が終始抜けないこと、行書の場合は気脈が抜けないことが大切です。
特に、当方では事前に草稿をほぼ最高の状態でお客様にお見せして、そのうえでお好みの書体をお選び頂いているので、それより下回るようなものを書くことをできない、自分で自分の首を絞めるような仕事をしております。笑

他でも行書体の表札は少ないですし、私としては色々な表情を出せる奥深い書体だと感じているのですが、お客様にカッコいいと感じて頂ける書体でもあるので、これからもこれを売りにしてやっていきたいと思っております。
時々「もっと力強く」とか「もっと行書らしい動きを」というご要望を頂くのですが、これはあくまでもご自宅の顔となる表札ですので、それに適した書き方を自分の27年ちょっと(2022年2月現在)の経験から導き出しています。

私が嫌がる書き方は基本的に下品な方向になるため、その点もご理解頂ければ幸いです。
書道家藤井碧峰のお届けする表札は、コンセプトとして書の古典に由来する品の高さを大切にしております。

書道家の手書きオーダーメイド表札書道家の手書きオーダーメイド表札 

こちらとしてやりやすく、より良いものをお届けできるオーダーの頂き方としては、
「商品イメージ画像にある”明智光秀”のような書き方をしてほしい」
「”上杉謙信”のようなかっちりとした楷書で書いてほしい」
という表現でご要望頂けると、お互いの思い違いが発生しにくく助かります。
基本的な表現方法はほとんどサンプルに上がっているので、お互いストレスなく進めるには最良のオーダーの仕方だと言えます。 

【明智光秀】木製手書き表札サンプル制作
書道家の手書きオーダーメイド表札書道家の手書きオーダーメイド表札

について時々ご質問を頂くことがあります。
「墨は雨に当たると滲みませんか?」
墨は遥か昔の時代の木簡が地面下から掘り出されても字が消えず読めるので、そんな心配はご無用でございます。
もしそんな墨を使って、字が消える商品だったとしたら欠陥商品なのでありますが。笑
また、木に書く際に色が映える墨を選んで使っております。

この墨には滲みにくい性質もありますが、それでも思い切って墨を付けた際は多少なり滲みます。
これは木材によって滲み具合が変わるのですが、おかげさまでどういう条件で滲むのか把握できているため、当方ではできる範囲での滲み止めはしており、天気予報や自分の体の調子を見てベストな制作作業をするように努めています。

こちらは屋久杉の表札材に書いたものなのですが、普通の墨を使うと相当字が見えにくくなるので、やはり使用する墨選びは大切です。
屋久杉への揮毫も何度か経験しましたが、脂が乗っていて墨が乗りにくいのでこれまた特殊な技術が必要です。
何事も勉強、経験だなと感じました。

結構難しいのが文字列ののセンターを合わせる作業です。
これが一字ずれるだけで違和感が生じますし、”田”の字のように中心に縦画が来るものを表札の真ん中に合わせれば良いというものでもありません。
全体を見て最善策を練ってから木に書くのですが、これもまた他の人に真似出来ない作業領域かもしれません。

新選組【近藤勇】木製手書き表札イメージ  

良い状態を長くキープするための表面処理

無事字を書き終えた後は表面処理をしています。

正統派の書でお届けする手書き表札への熱い気持ち

これまた使用するスプレーには結構こだわっていますね。
何しろ大学時代に車好きが幸いしてか、よく塗装作業をやっていたので、何度も塗装を剥がしてやり直すという失敗経験も積めました。
何をしたら失敗するのか、という点は鉄板への塗装も木材への塗装も同じです。

正統派の書でお届けする手書き表札への熱い気持ち

濡らし具合もどれだけの状態で止めておけば良いのか、これも感覚的なものです。
処置の仕方で仕上りが違うのも経験で分かるのですが、一つ一つの木材の個体差もあって仕上りが画一的でないので難しいですね。
根本的には表札の表面を長時間守るためのものであるので、字の品を落とさないように配慮しながら作業を進めています。

これも完全に色合いが変化するのを防げるものではないので、そのことに対する理解が必要です。
少しずつ色味がついて、歴史が刻まれていくのが木の表札の良さです。
たまに黒ずんで字が読めない表札をご覧になられることがあると思うのですが、良い材料を使用していれば木目の中に必要以上に汚れが入って黒ずんでいくことを防げるので、スタートラインが大切です。

「おりはら」様の看板揮毫|千葉県松戸市|イノベーティブ・フュージョンのお店

あとの梱包作業については省略しますが、海陸に渡るコンテナでの輸出作業で梱包の技術を学んだ者として、配送中に起こりうる様々なトラブルからの傷を未然に防ぐための対策をしてあります。
他の商品に関しても梱包の評価を頂くことが多いのですが、やはりそれだけ自分に任せて頂けた仕事に対する情熱と、自分の書への愛情がそれに繋がっています。
どうでも良い商品でしたらそうはできません。  

どんな方にこの表札が合うのか

日本史【坂本龍馬】木製手書き表札イメージ

これについては、欲しいと思って頂けた方はもちろん合うのですが、金額のこともあるのでそれを高過ぎると感じる方は合わないと思います。
【お客様にとって世界一の表札をお届けしたい】という想いから何もかもを徹底的にこだわり、自分にできる最高の表札をお届けするのが私の任務です。
逆説的に言いますと、最高の仕事をするために必要最低限の金額が20,000円という金額(*標準仕様)になっていると言えます。
つまりは”この仕事を認めて頂けるかどうか”という、私自身の勝負でもあります。
一方で、今のところこだわり過ぎて割に合わなくなってきている実情があり、好きな仕事だからという理由で値上げは保留にしています。

私のみならず世の中の他の商品にも言えることなのですが、良いものを生み出すためはある程度の価格になります。
「安く制作して」と言われてしまうと、作家の立場からすると”安く対応するから多少クオリティが低くても一切文句言わないでね”ということになります。(実際には安い商品の方がクレーム多いです)
特に書道の世界は、日本人の多くが字を書くことができるせいか、良い字を書けることにあまり価値を感じてもらえない、タダ同然で見られることも多いです。
木に書く時間自体は短いかもしれませんが準備がほとんどで、字典を調べたりして良いものを選び出すセンスも長年培ってきたものですし、字を書く時も地道に何十年も学んで書いてきたからこそできるものなのです。
これらは数値化しにくいものですが、20,000円で高いと感じられる場合は私と同じような過程を自分で歩んだ時の労力やコストを考えられると良いのかなと思います。
良い仕事をする方には認められやすい一品だという点でも、そういうことなのかもしれません。

また人間の真理として、安く買ったものはお得で良かったという程度で終わります。
少し思い切って手に入れたものは、より大切にします。
つまり価格は存在するものの、個人個人での高い安いの感じ取り方はそのモノ、仕事ぶりへの価値の感じ方に比例するのではないでしょうか。

書道家の手書きオーダーメイド表札書道家の手書きオーダーメイド表札

ということで結論としては、本当に良い表札をお求めの方がたどり着く場所でありたいと思います。
これまでも私の書き方を受け入れてくださる方、ある程度のご要望をされたら私の感性を頼って任せて頂ける方が、これまで良いご評価を頂けたようです。

この手書き表札を書き始めた大きなきっかけとして、昔は沢山いた素敵な字書きの方々も高齢化に伴い、なかなか表札の字を書ける人がいなくなったという背景もあります。
字書き自体は探せばいたりしますが、そのなかで書の古典を大切にした格調高いものをお届けできる人はなかなか存在しない。
だから、古典臨書を大切にすることを強く心に刻んで歩んできた身として、大変であっても自分の手で送り出そうと思いました。

作品展等で有名な方であっても、このような実用的な書を得意としない人は多いですし、美しい字に憧れて書道をずっと続けてきた身としても挑戦したいことでした。 
直接手書きするという点も技術力を要求される点です。
若手書道家だからといって、それなりのものとは言わせない、ただただお客様にとっては最良の選択をしたと感じて頂きたいです。
表札の制作背景もそれを届ける側の私の物語も含めて、一つの特別な作品となります。

毎日眺めるものだから、ご自宅の顔となる表札だから、良い運気を導くものだから、本当に良い表札をお届けして、お客様には最高の状態で良い未来を手にしていって頂けるよう努めます。

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