藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
この度、盛田甲州ワイナリー株式会社様の「シャンモリ山梨」の【山梨】の字を揮毫させて頂きました。
売れ筋商品のため、誰にでも分かりやすく良い字を、ということでリクエスト頂いたのがこの字です。
盛田甲州ワイナリー様の起源は、1881年(明治14年)、尾張国で江戸時代中期から、酒、味噌、醤油の醸造業を営んできた盛田家の第11代目久左衛門が、現在の愛知県常滑市小鈴谷で醸造用葡萄の栽培に着手したことに始まります。
1973年(昭和48年)山梨県の勝沼にワイナリーを設立し、今にいたります。
今回はご依頼頂いただけでなく山梨県から直接私の自宅にお越し頂き、制作中ロゴの打ち合わせや書に関する説明をさせて頂いたり、ワインに関するお話を聞かせて頂きました。
写真は盛田甲州ワイナリー井上様です。
どのように制作しているか、どのように書き分けしているかについても、実際にしていることをその場で説明させて頂いたのですが、自分たちの中では当たり前のことも、一般の方には目から鱗なこともあるようで良い機会になりました。
ただ思い思いに書いているわけでなく、やはり正統派書道家を名乗るだけに古典に根ざした書き方とはどういうものなのか、ということをお話いたしました。
確かな情報量の多い書道字典が必要なのは当然ですが、字典の見方、活かし方というものも作家それぞれだと思います。
筆の違いも実際に手にして頂いて、流石に使うことは厳しいですが、高い筆とそうじゃない筆の違いを感じて頂き、色々と関心を持って頂けたかと思います。
こちらの字は実際に採用されたものとは違いますが、途中候補に挙がっていた「山梨」の字を書いてお見せしたところです。
どうして渇筆が生まれるのか、どうしてこの線があると効果的で、お客様目線で見た時にどう見えるか等、私はやけに細かいですが(笑)説明してご理解が深まったのではないでしょうか。
どのような色合いにするか、配置なども入念に打ち合わせしました。
1mmズレるだけで違和感が出るのが書の世界で、見せ方次第で良くも悪くもなるロゴの世界です。
こうしたい、という想いはあっても元のラベルの商品イメージもありますので、そのバランスを取って商品ラベルは仕上がっていきます。
お越し頂いた後、何度かの打ち合わせを行ってから最終版のロゴが決まりました。
ワインとしては、スッキリと爽やかで上品な口当たりで、和食とよく合います。
コストパフォーマンスが高い商品なのですが、先日改めて飲んでも良いワインだなと感じました。
日本酒もある程度分かるようになってくると、ワインも味が分かるようになってきました。
書の世界における古典臨書みたいなもので多様な書表現を学ぶと、より個々の書表現の良さが分かるようになるようです。
なお、この新ラベルのシャンモリ山梨は、現時点では来年3月くらいに切り替わる予定で、それまでは『酒ゃビック』さんにて、「2021年新酒のシャンモリ山梨を」と伝えると手に入るようです。
良いものを作りたいと願う者同士、これからも必要としてくださる方々へ良い仕事をしていかなければ、と感じました。
ただ字を書いて届けるのではなく、求める方にとって最大限の喜びを得られるよう、書道家藤井碧峰の旅はまだまだ続きます。
【盛田甲州ワイナリー株式会社】
HP:https://www.chanmoris.co.jp/
〇本社・工場
〒409-1316
山梨県甲州市勝沼町勝沼2842
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