藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
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この度、今月14,15日に地元砺波市で行われる「となみ夜高まつり」の大行燈の字を書かせて頂きました。
昨年より大行燈に参加されている西町様よりご依頼を頂き、何点か字を揮毫した件について富山新聞の本日6月6日の朝刊にて記事を掲載して頂きました。
「天壌無竆」(竆は”窮”の旧書体)・・・恵まれた天地が終焉なく永続されるさま
元々夜高まつりは田祭りなので農作物の豊作等を祈って始められたものですが、現在の砺波市街地は田んぼがそもそも無いので、昨年は「五穀豊穣」と書かれたそうですが、私から10点ほど熟語を提案し、その中で現地の方々に選んで頂いたのが「天壌無窮」でした。
記事の内容を引用致します。
【西町の大行燈に書】砺波の藤井さん
「天壌無竆」発展願う
14、15日に砺波市中心部で行われる「となみ夜高まつり」向け、同市中野の書道家・藤井碧峰さん(29)が、祭りに参加する西町の依頼で、書作品「天壌無竆」を仕上げた。天と地が永遠に続くことを意味する言葉で、西町の大行燈に掲げる。30年ぶりに大行燈の突合せ(ぶつかり合い)に参加する西町は、書に地域発展の願いを込め、祭りを盛り上げる。14、15日に夜高まつり
書は藤井さんが縦160㌢、横120㌢の紙に豪快に書き上げた。西町の大行燈の背面に設置する田楽行燈に掲げる。西町は昨年、大行燈を復活させ、曳き回しに参加した。となみ夜高まつりは田祭りから発展したことから、昨年は住民が「五穀豊穣」と行燈に記した。
30年ぶり突き合わせ
今回、藤井さんの知人で大行燈製作担当の中村さんが、西町として30年ぶりに突き合わせに参加することから「町の特徴を出したい」と依頼。藤井さんが提案した10の四字熟語から「天壌無竆」を選んだ。藤井さんは西町の夜高保存会の名称である「西夜会」や「祝田祭」の文字も書いた。
西町は花車を中心とする高さ6㍍の大行燈を製作中で、裁許(責任者)の中居さんは「夜高行燈が永遠に続く願いを込め、美しい行燈を披露したい」と意欲を語った。
私は富山県砺波市の書道家として、起業当初から一貫して地元砺波市をベースに活動を広げていきたいと考えています。
もちろん人口が多い地域で書道家の活動をした方が事業的には上手くいくのかもしれませんが、富山が好きだからこその選択です。
常々”書の魅力をより多くの人に知ってもらいたい”と記しており、綺麗事のように思われるかもしれませんが、本当にそうしていかないと書道の仲間が増やせないなと感じております。
今回こうして字を揮毫させて頂いた中で、西町の方々には書について興味を持って頂けましたし、”本物の字”の持つ魅力に触れて頂きたいと思っています。
”物事は本物を見なければ良し悪しが分からない”とは常々思うのですが、やはり中途半端なものを見せられてもどこを見ればいいのか戸惑うものです。
良いものには良いものの輝きがありますし、そういう意味でも精進して参りたいと思います。
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