【実用書】美しく退職願・退職届を書く|各種ボールペンと筆の違いも紹介
「美しく退職願を手書きしよう」第3弾
こちらは人気記事の
【美しく退職願を手書きしよう!】
【筆ペンで美しく退職願・退職届を書こう決定版】
のブログの進化版です。
いつも上記のブログが沢山読まれているのを見て思うことがありまして、今の字で書くとどうなのだろうということです。
以前のものが駄目というわけでなく、自分なりに実用書というものに真剣に向き合い続けてきたからこそ気になりました。

書道教室でもボールペンと細字の指導はしておりますが、毎月のように砺波で開催している【縁空×書道家藤井碧峰×菓子処あら木 美文字講座と和スイーツ】も、これまでご参加いただいた方は150人を超え、沢山の人のこれまでの日常での字の悩みを聞いて、向き合ってきました。
字そのもののみならず道具に関すること、持ち方・姿勢に関すること、精神性に関すること、気温に関することなど、多くの悩みが存在します。
僕は書家と名乗るからには、普段書く字が下手だと駄目だと感じています。
元々僕は書道歴は長いけど、普段書く字が下手で、人前で書いても「そんなに上手くないね」と言われたことが何度もあり、何か嘘をついているような気になりました。
字が綺麗で得することは多いけど、汚くては損することだらけです。
今回は「美しく退職願・退職届を書く」というテーマのもと書きますが、やはり人生において何度もあるわけでない(たぶん)その時に、お世話になった職場に誠意を伝えようではないですか。
僕は会社を辞めて8年になりますが、文句はそこそこ言うけど大部分は感謝しています。
何だかんだあっても、自分如きを雇ってくれていた、そしてそこでしか得られない沢山の経験をし、素敵な仲間に巡り合わせてくれたことに感謝せずにはいられません。
そういう気持ちで、僕も当時を思い出しながらこのブログを書かせていただきたいと思います。
各種ボールペンと筆の違いも紹介
実用書は先生にも教わらず、自分なりに考えて、調べて修正してきたので、自分の中で科学的に説明するように心がけています。
悩みに対して「書く数が足りない」「考えていない」などと答えていては目の前にいる人のためにもなりません。
仮にも字はその場で上手くなるとして、一番知っておくと良いのは何かなと思った時に、各種ボールペンと筆の違いは知っておくと良いかなと感じています。
必ずボールペンで書かなきゃとか、筆ペンだと扱いにくいから嫌、というのはつまらないので、もう少し足を踏み入れて考えると良いです。

書道教室では「書道日本」という競書雑誌をとっているのですが、そちらのボールペンと細字の課題を書いたものが上の画像の作品です。
左が筆ペンで書いたもので、右はジェルタイプのボールペンで書いたものです。
太さの出る筆ペンや筆で書いた方がどうしても奥行きを感じる字になります。
つまり、筆を使う理由というものは、そこ(=太さ、厚み)にあるのではないでしょうか。
一方でボールペンはあっさりとした仕上がりになってしまうのですが、いつでもどこでも書けるし、乾燥するのが早いという点で優れています。

そのボールペンも油性タイプとジェルタイプでは、”黒の強さ”が変わってきます。
ペン先の太さが太くなると、尚更線に厚みが出てきて、浮き出したように見えてきます。
一方でジェルの0.7㎜と油性の0.7㎜では、同じ太さに見えないというのが実情です。
細い方が狭いところに書く際には良いのですが、面圧のことを考えると疲れやすいですし、紙が凹みやすいと思われます。
僕目線で言うと、太い方が強弱が出せて良いです。
えんぴつでも、ボールペンでも、筆でも、強弱を操りこなすことが、筆の使い手の技術だと感じており、如何なる時も、書は線が大切です。
ただし、書く字の大きさに合わせて太さを選ばないと、ただ太いだけの線だと逆に精彩さを欠いた字に見えたりもするので要注意です。
油性よりジェルの方が書きにくいですし、ジェルでも0.7㎜より1.0㎜の方が扱いにくいです。
こういったことも、道具が安いが故に、一度試して、書き込んでみて選んでいくと良いでしょう。
”楷書版”退職願と”行書版”退職願
仕事を通して、のし袋・のし紙に押す「慶弔印・住所印」や、手書きの表札、賞状書きなどの実用書を多く手掛けてきました。
実用書と真剣に向き合ってきた中でそのなかで見えてきたことは連綿の使い方であったり、サラサラ書きたいからといって無理に繋げて書く必要は無いということ。
そして漢字と仮名の学びを大いに活かせるということです。


そんな学びを得たなかで今回は”楷書版”退職願と”行書版”退職願を書いてみました。
ジェルボールペンの0.7㎜を使用しています。
楷書はなかなか苦痛で、時間が掛かりますし、横画、縦画の乱れに気をつかいます。
行書はリズムよく書けるのですが、以前はそうでは無かったので、鍛錬が必要だと言えます。
書き手としてどちらが好きかと言うと、行書の方がパッと見カッコよくて良いですね。
ただこの記事をご覧になる方は、楷書で書かれた方が良いと思われます。
日本の世の中では楷書じゃないと丁寧さに欠けると感じる方が多いですからね。
それでも許されるなら、鍛錬したうえで書くことのできるようになる行書版退職願は非常に魅力的であります。
行書は字形の変化が多くあり、書き方のルールが変わってくるため、落とし穴だらけですが、字としては力強く、意思を伝える効果があるような気がします。
ボールペンで書いたもの同士でも、書体によって見え方が違うという点を知っていただけたなら幸いです。
筆で書いた退職届と封筒書き

これが会社員時代に実際に書いていたもの。
当時は、退職願を書くのに大変苦労しまして、綺麗に書きたいけど実用書が上手ではないというなかで、精一杯できる努力が、方眼紙に下書きを書いて、それの上から書いて中心がズレないようにするということでした。
今見ると、楷書なのに右上がりが強いのと、縦画が斜めになったりしますね。
今度は筆ペンではなく、細字用の筆で書いた退職届と封筒書きを披露します。
もうこれは先ほどのボールペンの退職願の楷書が良いとか行書が良いという話を超越して、相手に対する誠意と、自分の今後に対する強い意思を最大限に示している状態となります。

いかがでしょうか?
先ほどのボールペンと比較して量感が全く違うと思います。
これを更に太くしていくと、読みにくい感じになってしまう気がするので、この余白に対してはこれくらいの太さが良いですかね。
退職届(願)を大きく書き、次に自分と相手の名前を大きく書きます。
相手より自分が下の位置に来ることが大切。
そして、全体として上より下の余白の方が空くように気を付けます。
左右も端まで行きすぎないようにしましょう。
実際にはここまでする人はいないと思いますが、こんな人がいたら会社側も「思いとどまってくれ!」と言ってくるような、勝手な想像をしてしまいます。
そんなことは今の僕が以前いた会社でトライしても、起業への想いが強かったので止められもしないでしょうが、それくらいの字を書きたいという気持ちで、この退職届に向き合えたら最高だなと。

封筒書きは更に大きく書くので、更に勢いよく書きます。
この時にどうしてもボールペンだと弱く見えるので、筆ペンで書けるものなら書いていただきたいです。
上手く書けなくても、丁寧に、真っ直ぐな気持ちで、真っ直ぐに線を書き、字の中の空間をちゃんと残しながら書いていけば、きっと誠意は伝わります。
1枚で完成するとは限りませんから、何枚でも書いて、退職までの試練だと思って、想いを込めて向き合ってください。
少しでも誠意の伝わる退職となりますように。




