藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
11月3日から5日まで開催させていただいておりました、中野公民館まつりにおける【書の三人展】が無事終了いたしました。
わざわざ現地に足を運んで作品展を見て頂いた皆様に心より感謝申し上げます。
2つ前の投稿で、「責任もって最後まで務め、公民館まつりの企画展のレベルを超えた内容でお届けしたいと思います。」と記してしまっているのですが、これはまだ形が見えていない状況下での自分への追い込みの言葉でした。
実際に現地にお越しいただいた方には、それがどういうことだったか多少なりご理解いただけたかと思います。
4日の北日本新聞では本展示について大きく取り上げていただきました。
取材時に、三人三様の書の魅力を知っていただき、書の楽しさや素晴らしさを周知したいというのが主でしたが、自然と感謝の気持ちばかりを口にしていたがために、それを汲んで頂きこのような記事になったような気がします。
飯田乕山先生、藤井一南先生、水上碧雲先生は大正生まれで、自分は平成生まれ。
間が大きく開いてしまいましたが、先生方の素晴らしいご活躍と、長く現役をしていただいたおかげで、無事自分がバトンを受け取ることができました。
一度でも書の文化が途絶えていたなら、このように地元ベースでの活動もかなわなかったことと思われます。
そういうことを展示準備中に感じて、一人でありがたく感じておりました。
現地では私が作成した力作のパンフレットを置いておりました。
これが非常に良い出来(笑)でして、展示作品とこのパンフレットと、現地にずっと自分がいて解説することで完結するという仕組みでした。
各先生にはお会いしてお話を聞けなくても系譜図を作り、その師匠の先生方について調べていくことで深く掘り進めることができました。
三人展なので3人の先生方の平等を大切にしつつ、間違っても半分に折られないように3つ折りで綺麗に分かれるように作成。
それぞれの先生のお顔と、中野地区に存在する揮毫された書を掲載。
略歴に関しては飯田乕山先生、藤井一南先生はデータが何点かあったものの、水上碧雲先生は無いので一から作成。
本人に電話で聴きながら、事実関係を資料を元に照合しながら進めました。
先生方の大きな作品は5点ずつで、一つ一つ表情の違う作品、各先生の良さが分かるものを選びました。
それも書き手の一人として、また幅広く書を愛する人間として責任もって選ばせていただきました。
でもそれを可能にしたのは確かな腕を持つ先生方だったからです。
小さな村の中に3名揃ったことが奇跡的であり、運命的であったと感じた次第です。(と他の書道関係者も同感のようでした)
(※上の横長の額はいつも掲げられているもので、3名には関係ございません)
小作品も3点ずつ飾り、絵や板書きも紹介。
それぞれに作品のタッチが違うことを感じていただけたかと思います。
元々額に入れてあった作品は、私が展示用に持っている色紙掛けに入れ替えて展示しました。
というのも雰囲気が合わなくなるし、平等に見えなくなるためです。
三人展はバランスが極めて難しいなと感じますが、普段から自分の展示をしていると資材も沢山あるし、色々な発想で対応できます。
現物作品以外には、私が各所で撮影してきた写真を掲載し紹介。
これがまた非常に充実しておりまして、写真も綺麗で見やすいと評判も良かったです。
3万円以下の安いデジカメですが、仕事で鍛えてきた腕が光ったのでしょう。笑
天気が良い日にしか撮影しにいかないと言う点はこだわりました。
そして足元には掲載しきれなかった写真や、参考になる書籍等を置きました。
私も書道に関する書籍は500冊以上(競書誌除く)ありますので、ここにきて大変役立ちました。
3日間天気が良かったのも幸いして、地元のみならず県内外から沢山お越しいただけました。
以前より水上碧雲先生夫妻に連絡していたので、その周りにも伝わったかと思っていたがそうではなく(笑)、4日の新聞を見て遠くからご家族にお越しいただけました。
本当に気づいていただけて良かったですし、書は、想いは人と人とを繋ぐのだと感激しました。
各先生のご家族の方にお会いして、こんなに感謝されることなのかと思い、それもまた大変感激しました。
私としては水上先生への感謝の想いからスタートした企画でした。
しかし書家として生きているなかで、藤井一南先生、飯田乕山先生のお名前を時々耳にして興味が湧いてきて、知れば知るほど素晴らしい実績を残されてきたことに気づき、それぞれの良さが溢れるであろう三人展を思いついたのです。
それは今後書家として生きていく自分のためでもありましたが、展示を実施した結果として今を生きるご家族にとっても先生方は大切なアイデンティティであり、今も特別な方であることを深く感じ、大変感激したのです。
この時に、この【書の三人展】は大成功だったことを確信しました。
隣の施設である、ふれあいセンターでは「第一義」「誠者天之道也」「継志」「枯樹賦」等の作品と、中野関係の生徒さんの作品を飾りました。
「第一義」は特にですが、起業5年間の気持ちがこもった作品で、今回【書の三人展】を開催するにあたり、偉大な先生方に負けないつもりで飾ることにしました。
作品数は限られましたが、僅かであっても先生方の想いを受け継いで、この村と共に生きていきたいと思います。
【書の三人展】は公民館まつりとして、書の系譜として等、様々な視点から触れます。
今後も継続して記事を投稿しますので楽しみにしてお待ちくださいませ。
他の【書の三人展】のまとめ記事ついてはこちらのページよりご確認ください。
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