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富山県信用組合出町出張所【藤井碧峰書作展】2022作品紹介

大変充実した作品展となりました

9/5-11/4 富山県信用組合にて藤井碧峰書作展開催

9月5日から11月2日まで開催させて頂いておりました、富山県信用組合(けんしん)出町出張所における「藤井碧峰書作展」が先日無事終了いたしました。

この2か月にわたる展示期間中、現地に足を運んで作品展を見ていただきました皆様に心より感謝申し上げます。
今回の展示内容は、この銀行展をさせていただけるようになってから、やりたくてできなかったことが色々盛り込まれており、思い出に残る作品展となりました。 
お越しいただけなかった方、また現地に行ったものの定期的に振り返りたい方のためにも展示作品の紹介をいたします。

毎回の作品展示と同様、作品の販売をしておりますが、当方の想いもあり価格はあえて提示しないことにしております。
お手数をおかけしますが、気になった作品があった場合には、お問い合わせフォーム等にてご連絡をお願いいたします。
商品ページの作成は行いますが、一品モノでありますのでご注意ください。

藤井碧峰書作展

看板がわりの額は、今回は渋い感じで書いてみました。
こちらも毎回変えているので、いつも見てくださる方はそれも楽しんでご覧いただいているようで嬉しいです。  

作品紹介

【瑞】(68x68cm<売約済>
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>めでたいしるし、みずみずしい。
瑞泉寺、瑞龍寺の名にも使われる漢字ですが、私にとってもお気に入りの言葉です。
印の「瑞雲碧峰」は友人が私をイメージして言葉選びをして彫っていただいたもので、大きい作品の制作の際に使用しています。

この「瑞」という言葉が好きで、藤井碧峰書道教室の選定筆の名前にも入れているほどなのですが、格好の良い字ではあるものの、それだけに譲れないものがあって相当書き込みました。
また実物を見た方にしか分からないですが、知人より長期保管されて少し色づいてしまった紙を譲り受けていたのですが、それ使用したことで独特の重厚感が出せました。

【小さな決意を繰り返して揺れ動く心は強くなる(♪北村瞳『オレンジ』)】(35×35㎝
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<楽曲URL>https://youtu.be/yCybGGr1WWM
自分のことを自分自身が信じてあげようというメッセージを歌った「オレンジ」という曲の一節。たとえ報われなくても、漠然と不安でも、それでも歩いていく。迷いながら揺れながら生きていくことを、強く肯定するフレーズです。(北村瞳)

柔らかい感じの渇筆を出しながらポツポツと書いてみました。
マット無しの額装ですが、優しい色のフレームを使うことで、作品内容に合ったイメージを作り出しました。

【玲瓏】(33x24cm
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>透き通るように美しく輝くさま。

シャープな線質を意識して書き上げたもの。
書では紙、筆、墨など、様々な要素が影響して、その作品の雰囲気を作り上げます。
もちろん一番大きいのは書き手の問題ですね。どういうタッチで仕上げるか。
特に私の場合は筆の選定が主な気がします。
この作品に関しても、何本も筆を変えながら仕上げていきました。

【椿咲き遥か山は雪化粧(♪北村瞳『一番星』)】(35x45cm)
書道家 藤井碧峰作品集 
書道家 藤井碧峰作品集

<楽曲URL>https://youtu.be/orTpYZCQbig
娘への愛情を綴った曲「一番星」の一節。妊娠中に外を散歩していた時、季節を映す草花や風景を眺めていたら、「美しいものを数えながら新しい命のことを想う時間はなんて愛おしいのだろう」という想いが込み上げてきたので、そのまま歌詞にしました。(北村瞳)

このフレーズだけを見ると演歌歌手にも見えなくもない、風情がひしひしと伝わってくる文章です。
あえて歌の雰囲気を差し置いて、言葉の雰囲気を抽出して自分なりに表現したのがこの作品です。
【北陸銀行砺波支店【藤井碧峰書作展】2022作品紹介】の際に書いた一番星の詩は、歌の雰囲気を意識して書いたもの。
言葉の扱い方ひとつで書のイメージは大きく異なってきます。

【きっと大丈夫】(27x24cm)
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

-藤井碧峰と北村瞳の大切にしたい言葉-として

ありふれた言葉かもしれませんが、大きな安心感で包んでくれるような頼もしい言葉だと思います。このフレーズが入った「オレンジ」という曲を演奏する時は、目の前の人をまっすぐ励ますように、そしてそれを自分にも言い聞かせるように、祈りを込めて歌っています。(北村瞳)

挑戦する誰かにこの声をかけるとして、本当にその人のことを理解したうえでこの言葉をかけたいなと思います。人は自分を信じたくても、誰よりも自分を知っているが故に不安ばかりが頭をよぎり、目の前のことに集中できなくなるものです。そんな時、自分にその言葉をかけてくれる人が一人いるだけでも、人は強くなれます。(藤井碧峰) 

【愚直】(68x35cm)<売約済>
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>ばか正直なこと。
国語辞典でこの言葉を調べると良い意味に感じませんが、本当にそうなのでしょうか。愚直とは言葉の選び方次第では、誠実さや真実を貫く生き方なのではないかと思います。自分らしく素直に生きにくい世の中だからこそ、愚直でありたいものです。

世間の藤井碧峰のイメージに無さそうな書き方ではあるのですが、いつかこの字を書きたいと思って温めてきたものです。
紙からはみ出さなくても浮き出てくるような表現を心掛けました。
しばらく控えていたパネル装による作品としました。

【月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり(松尾芭蕉「奥の細道」の冒頭より)】(33x24cm)<売約済>
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>
月日は永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、毎年去っては来、来ては去ってゆく年も、また旅人のようなものである。

学生時代に国語の授業か何かで出合っているであろう言葉なのですが、書の世界で書いている人を見たことが無いので自分で書いてみました。
最近は腱鞘炎でほとんど仮名を書いていないのですが、久しぶりに仮名のリズム感を引き出して現代風を意識して書いてみました。

【見果てぬ夢へ何時までも歩み続けて、たとえ今は遠くても、きっと誰かが君を見ている(自作詩)】(35x45cm)
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

ただやりたいからと、自分だけを信じて、自分に賭けて歩み続けたら、不思議ながらも素敵なご縁によって人と出逢い、沢山の道が開けてきました。
4年前起業した時には想像もしていなかった人たちと今は楽しく仕事させていただいています。
どんなに辛いことがあっても、例え挫けそうになっても、懸命に歩んでいればきっと見知らぬ誰かが見てくれていて、自分がこの道を歩むうえで出逢うべき人たちと巡りあえるようにと、導いてくださっているような感覚があります。

【雲在嶺頭閑不徹水流礀下太忙生(「虚堂録」より)】(68x35㎝)
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>
山の上にはのどかな雲が浮かび、谷底では休むことなく水が流れている。すべてが無心に織り成す自然の景色に「忙中有閑静中有動」(忙しさの中にも不動の心があり、静けさの中にも鋭敏な精神が秘められている)の境地を見て詠ったもの。

多くの人に良いと言っていただけている楷書創作シリーズです。
自分の中でも書き方は何通りかあるのですが、毎回選ぶ言葉に合わせてそれぞれの字の良さを引き出すのが難しかったりします。
でもそのおかげなのか、いつも「ずっと見ていたい」といった嬉しいお言葉を頂いております。

【瑞雲】(33x24cm)<売約済>
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>めでたい時に現れる雲、縁起の良い雲のこと

瑞雲という言葉自体は行書で何度も書いているのですが、今回は草書体で書いたものです。
早書きのために省略された書体ですが、使い方によってはこんなふわっと表情も出せます。
現代書道では世間で草書体が馴染みの無い物になっているせいか減ってきています。
書道家としてはそれぞれに良さがあることを知っているので、適材適所で使っていきたいです。

【背中を押して笑ってくれる人は必ずいる(♪北村瞳『エバーグリーン』)】(27x24cm)
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<楽曲URL>https://youtu.be/n52PxiltVmk
いつまでも初心を忘れず若葉のような心でいようと作った「エバーグリーン」という曲の一節。高校卒業後に音楽の勉強のため上京した際、故郷の人たちからの応援に何度も励まされ救われたので、それを歌にしました。(北村瞳)

色紙に黄色の紙に書いたものを貼り込みしたもの。
以前までは紙に目一杯書いたものが多かった気がしますが、最近では見せ方を工夫するようになりました。
師の額装を学んでいた時期もありましたが、今は経験が積み重ねられて色々想像を働かせて楽しんで作っています。

【白馬入蘆花(「碧巌録」より)】(135x35cm)<売約済>
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>
白馬が真っ白に咲き誇る蘆の花の中に入った状態を表し、どちらも白い色なので、どちらが白馬か蘆花か区別がつきません。白色という点では同じですが、全く質の異なるものです。これは、同じ一つのことでも、見方によっては違った側面が出てくるということを示しており、そのどちらか一方だけが正しく、他方が間違っているわけでなく、両方あっていいのです。

より個性を尊重する傾向にある世の中だからこそ覚えておきたい言葉です。
そんな言葉を羊毛筆で書いてみましたが、他の作品の渇筆の出し方と違ったものにしてみました。
羊毛筆のなかでも最も上質な毛の超長鋒を使って制作しましたが、この線質を出せるようになるまでかなり時間を掛けて熟成してきました。
結果としては、今回の作品展示のなかで最もお気に入りの作品であり、この作品を書き上げるために生まれてきたのではないか(大袈裟な)と思っています。

【高志の豪瀑 轟音を立てて大地削り時を刻む(自作詩)】(175x55cm)<売約済>
書道家 藤井碧峰作品集

高志とは北陸道の古称であり、高く優れた志の意味も持つ。
称名滝のことを思い浮かべて作った詩ですが、毎年10㎝ほど後退していくこの豪快な滝は、7万年前は7㎞も下流にある現在の立山駅付近にあったそうです。
今ある風景に感嘆するのも良いですが、その風景が如何にして出来上がったのか、そこに疑問を持って調べて学ぶことも楽しいものです。
私はこれからもこの富山に生きていく身として、富山のことをもっと深く知りたいなと思います。

今回珍しく公募展に出した作品を展示しました。
公募展に出したものはそれのために書いたものだし、力強さが展示場所を邪魔するなら飾らない、というスタンスでいたため封じていたことです。
こんなことは今後無いかもしれませんが、それだけ個人的にも気に入っている作品です。

臨欧陽詢 皇甫誕碑【叔世艱虞忠臣彰於赴難銜須授命】(138x35cm)
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

山馬筆で書いてみました。
山馬(さんば)とは中国南部・東南アジア・ベトナムに生息する鹿科の動物で、書筆のなかでも非常に硬い筆で書いている時にはバリバリと音がします。
山馬筆は昔は人気の筆だったのですが、今は原毛を輸入できなくなって製造ができないため、今しか書けないものとして記念に書きました。
硬すぎて扱いが難しいのですが、勢いのままに書いてみました。
渇筆によって現れる荒々しい線が特徴です。

今年の銀行展の軸装作品の内容は2回とも楷書の古典臨書作品でした。(前回は欧陽詢「九成宮醴泉銘」)
楷書は自分のなかでもベースとなるものですし、今後も地道に披露していきたいと思っております。
今回の皇甫誕碑はここを書きたいと思って、気合いで書いたら一発で仕上がったもの。
山馬筆の扱いは難しいですが、思い切りが無いと良さが出ませんし、沢山書けば良いというものでもなくて、その時の心情が大切だなと感じました。

【先憂後楽】(27x24cm)
書道家 藤井碧峰作品集 書道家 藤井碧峰作品集

<意味>(上に立つ者は)人より先に心配し、人より後に楽しむこと。

横基調の字で書きあげました。
色んな書き方を出来ることを大切にしていますが、ただ出来るというのも意味が無いし、それぞれの書き方を高い質で書きたいものです。  

見ず知らずの方に見ていただける場だから生まれるもの

書道家 藤井碧峰作品集

まずは展示会場へお越しいただきました皆様、まことにありがとうございました。
今回の展示も前回の北陸銀行砺波支店での作品展示同様、沢山の方と現地でご一緒させていただきました。
奈良や栃木から展示を見にお越しいただいたりと、小さい街の表に出ない書道家の展示を見ていただき、嬉しいお言葉も頂けて光栄でした。
平日の9~15時しかご覧いただけないというのはなかなかのハードルだとは思うのですが、それでも我が教室の生徒さんを含めて時間を作って足を運んでいただけたことは大きな喜びです。

中には感動して連絡してこられた砺波地域の方もいらっしゃいまして、いつも以上に反響があった作品展だったような気がします。
現地で知人とご一緒した際に、たまたまお客様としていらっしゃった97歳のおばあちゃんにもお声掛けいただけました。
老若男女問わず、一人でも多くの方の目にこれらの作品が止まり、印象付けるものになるよう、今後も努力しなければというところです。

逆にここまでやってしまって、次回はどうしようという話になってしまうのですが、毎回次回が無いと思ってやっているからこそ、ここまで出来たのかもしれません。
いずれにしても自分のパフォーマンスを見せつける場所ではないことは確かで、足を運んだ方に喜んでもらうために自分の持っているものを力いっぱい発揮する、というのがこの場における自分の任務であって原理原則となる考えです。

  書道家 藤井碧峰作品集

自分より経験が多い方が沢山いらっしゃる書道界にいる一人ではありますが、世の中に対して私は何をすべきかはよく分かっているつもりです。
それはより広い世界で俯瞰して自分の持っている力を、どのように発揮して人を喜ばせていくかを考えていくことです。
微々たる自分の力であっても、それを持たない方からすると立派な、天から与えられた素晴らしい力です。
そういうものを運命的に感じながら大切にして、育てながら活動を広めていくことが私の責務です。

ほとんど休みなく仕事をしていて、よく「休んだらどうですか?」と言われることもありますが、人の喜んでくれる姿を想像して仕事していて楽しくないわけが無いじゃないですか。
それこそが絶え間なく自分を前進させるものであって、事業を成長させ、一人でも多くの方を満たしていく術となるのだと思います。

これからも私藤井碧峰は地元砺波を大切にして、懸命に活動を続けて参ります。

書道家 藤井碧峰作品集

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