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良い字を書くために環境を整える|書道下敷きセッティング

良い字を書くための下敷きの置き方は?

3/8で書道教室を始めてから3年となりました。
この間沢山の方々と出逢ってきましたが、何度かつまづく同じパターンというものが見えてきたので、簡易的でありますが一部紹介いたします。
今回は、良い字を書ける人でも上手くいかない時があって、それが調子ではなく環境によるものであったりして、それを無くそうという趣旨でお伝えします。

良い字を書くために環境を整える 

一つ大きな例としては新聞ですね。机や周りを汚さないための新聞です。
新聞を下敷きの下に敷かれる方もそこそこ多いと思われるのですが、それを下に敷いていると新聞のシワで書く時に凸凹があって書きにくいです。
特に見開きページのど真ん中に下敷きを置くと、あちらこちらのシワの影響を受けてオフロードで車を走らせるような気分になります。
たまに生徒さんでこうされていて、この状態でだと我々も線が蛇行したりしてしまいます。

良い字を書くために環境を整える

というわけで、こんな風に周りに新聞を敷いて、下敷きの下には何もない状態で書きます。
墨こぼしても下敷きがあれば大丈夫(という前提)です。

良い字を書くために環境を整える

これでも不安だという人には、半切サイズ(約138×35㎝)用の大きな下敷きを半紙用の下敷きの下に置きます。
全部は写りませんが、横幅も大きいので書き終えた作品の置き場所も作れます。
なお、会議用テーブルより若干横幅足りない程度ですが、足りない部分が気になる方は新聞で補うなどしましょう。

良い字を書くために環境を整える

なお、書き初めや大きい作品を書く際にブルーシート、レジャーシートを敷かれる方も多いと思いますが、こちらもシワに注意。
特に厚めのレジャーシートではシワが硬くて、まともに書けないと思います。
案外お勧めは安くて薄いシート。薄いとシワになりませんからね。

あとは書き初めや半切等の大きなサイズの紙を書く時、自分の後ろにそこそこスペースの余裕を持つこと。
【筆を持つ角度を科学的に考える|上手な掃除の仕方にも関連】
でもお伝えしたように書く時は筆の角度が大切なわけですが、後ろにスペースが無くなってくると適した姿勢で字を書けなくなるので要注意です。

その他、画像は無いですが、紙を折って書く人は(うちは線入りの下敷きが嫌いなので)紙をきっちり折り過ぎないことも大切です。
二字で書く時も四字で書く時も、折り目が邪魔して線が歪になってしまいます。
あくまでも書道は線の芸術と呼ばれるわけですから、こういった点にも注意したいところです。
それが嫌で折らない人もいますが、初心者のうちは折らないと良い感じで配分できないでしょうね。

良い字を書くために環境を整える

あとは、本文を書いた後に時間が経ってからまとめてお名前を書く人がそこそこいますが、この際の弱点は墨が乾燥すると墨が吸収された箇所に向かって紙が縮む(←表現合っているか不明)ので、赤丸の箇所に名前を書く時も凸凹に影響されて書きにくくなったりします。
特に縦線が歪んだりして。
極力は書いた後すぐが良いんでしょうね。
時間が経って墨が乾燥してくると色も粘度も変わってきてしまいますし。

自分で言ってて細かいなと思ったりしますが、全体で大きく見ても良く見える作品は、細部までこだわってあったりして、こんな積み重ねが大切なのかなとは感じます。
もちろん道具選びも、手入れも大切です。
本当に良い道具を使ったうえで、『あとは書き手が頑張るだけ!』という状態に持っていくことが、自分的には集中して書けるし、集中して書けないと良いものも書けない、という循環がありますので参考になれば幸いです。

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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