金融機関での作品展示の意味を語る①|メリットとデメリットと工夫
6年間の作品展示活動に終わりを告げて

以前の投稿でも少し触れましたが、今年は金融機関での作品展示の予定はありません。
今後しばらくの展示も無いかもしれません。
作品展示に意味はあったのかと言うと、メリットも明確にあり、今活動を終えた人間の感想からすると”やって良かった”と自信持って言えるものでした。
この内容の記事シリーズでは、書道家としての金融機関での作品展示のメリット・デメリット、金融機関での作品展示の工夫とあり方、地域貢献活動のあり方、作品を書く者の悩み、今後の予想などに触れていきたいと思います。
あくまでもこの記事はその場を更に良く活用されるために残してみます。
今回はその第一弾です。
金融機関での作品展示のメリット・デメリット
地元砺波市で、砺波駅から近い金融機関である北陸銀行さんで6年間、富山県信用組合さんでの作品展示を5年間行ってきました。
それは意図せずに始まったことなのですが、北陸銀行さんでたまたま事務手続きをしていた際に、「職業は自営業とのことですが、何をされているのですか?」と聞かれて、「書道家をしています」と答えた際に、「それなら是非そちらのスペース使ってくださいよ!」と提案があって、すぐスケジュールを押さえて展示し始めたのが2019年のこと。

それから戦略的によりこの作品展示の場が活かせるように活用してきたので、その中でのメリット・デメリットを挙げていきたいと思います。
藤井碧峰という人間にしか生じない話は次の記事でお話するとして、今回はあまり深掘りしないでシンプルにいきます。
金融機関での作品展示のメリット
・見ず知らずの方の目に触れやすい
→金融機関に訪れるのが目的の方々で、学生以外の老若男女問わず見ていただける
・癒しの場であったり、文化に触れるきっかけを作るという、地域貢献の意味がある
→何でも飾れば良いのではなく、展示にどういう意味があるか自覚も必要。飾るからにはその場を務めさせていただいていることに責任と誇りを持つ
・毎回テーマを持ちながら、自分の想いを伝える場として使える
→想いは100%通じるものではない前提で、だけど自己責任のうえで好きに表現できる。演じる力が大切。

・定期的に行うことで、作品を書くことに慣れ、額装のセンスも良くなる
→見た人の声を沢山頂けることが前提だが、額装にも色々センスと工夫が必要なので、実験の場となる
・作品を書くために道具(紙、筆、墨ほか)を買い、展示のために額装や軸装をするという、書道を取り巻く業者に貢献できる
→お互いに存在してこそ書を楽しむことができるので、そういった視点も大切
・制作した作品の写真、データをもとに、依頼を受けた際の提案をできるため便利
→自分の制作の引き出しが増える。毎回写真を撮るにも大変だが、良く撮っておけば後にも生きる。要は撮って残しておきたいと強く思う作品を作ることが大切
・この場で知っていただいた方から、制作のご依頼をいただけた
→地元開催ということもあるが、共通点があれば親しみを持っていただきやすい
・書道教室の仲間に見ていただくことで、今後書きたいもののイメージを膨らませやすい
→この学びの先にどんな書があるのかという一例を示すうえで大切。この教室にいることの意味も見えてくる
金融機関での作品展示のデメリット
・平日の9~15時(1時間の休憩時間を挟む場合も有り)に来ていただくというのが困難
→多くの方はお勤めの時間なので、有休を取っていただくとか・・・。なお、教室の展示にしても学生が来るにも厳しいです
・展示場所の雰囲気を作り込むのは難しい
→あくまでも混ぜていただいている立場なので、展示スペースでしか何もできない
・作品展のPRが難しい
→新聞社の告知が稀にあるが、誰かだけをひいきするわけにもいかず、大きく取り上げられないので色々厳しい
・展示に沢山お金が掛かる
→額をあまり買わず、使いまわしの額を持っていても、中の作品の裏打ち、貼り込みをするのがなかなかの金額となる。なお、大きい作品がそこそこ無いと場が引き締まらない。
・準備に1か月以上かかるが、他の仕事・制作との時間調整が大変
→僕の場合は毎回12点以上書いているので、書くネタを探すのも、額装の依頼・引き取りに行くにも大変なわけです

・展示の場での販売ができない
→そういう決まりになっております
・作品見る以外の要件が無いのに、金融機関に入りにくい
→一人で入るの辛いですよね
デメリットをメリットに変える工夫
・平日の9~15時(1時間の休憩時間を挟む場合も有り)に来ていただくというのが困難
→しつこく魅力を伝え続ける。何でこの奉仕的活動を地道に続けているのか、そのこと自体にメッセージ性があると信じて動くしかない。当然来ていただいたからには、最高の時間をお届けできるように、誠意制作と展示に向き合う
・展示場所の雰囲気を作り込むのは難しい
→額装の色づかいや、毎回の展示のテーマをそれぞれ書いた作品の雰囲気に反映し、配置にもこだわる(見所をつくる工夫)

・作品展のPRが難しい
→自分自身のメディア(ホームページ、SNS等)を持って広める努力で対応。またパッと目に入る展示の雰囲気も大切
・展示に沢山お金が掛かる
→自分のホームページで販売して、多少なり補填する。なお言葉によっては著作権の都合もあり、売ってはいけないものもあるので要注意
・準備に1か月以上かかるが、他の仕事・制作との時間調整が大変
→寝ないつもりで頑張る。死ぬ気で努力する
・展示の場での販売ができない
→名刺は置けるので置く。とりあえずその場では名前を覚えていただくつもりで今後に繋げる
・作品見る以外の要件が無いのに、金融機関に入りにくい
→知り合いの方ならお声がけいただいた時に、ご一緒するようにする
