【個人事業主の会社の辞め方②】|創業準備、ライフプラン、組織を作ること | 藤井碧峰|正統派書道家

INFORMATION

【個人事業主の会社の辞め方②】|創業準備、ライフプラン、組織を作ること

会社を辞めて個人で起業した人の頭の中は?

「【個人事業主の会社の辞め方①】|退職の流れ、判断、理由」という記事が結構ご覧いただけているようで、ありがとうございます。
引き続き、事前準備されていた質問内容に答えます。
所々猫の写真が入りますが、癒しとしてご利用くださいませ

今回は
・創業時に準備したこと
・ライフプラン(結婚、出産、年金、退職金)
・独立起業する時に相談した相手
・起業して組織をつくること
について触れます。

書道家のリアル起業。起業のメリット、アイデアの考え方などを紹介

私自身、起業前に起業関係の本で良さそうなものは買って徹底的に読みましたが、起業が身近に感じられるような本はごくわずかでした。
身近に感じる本にたどり着くには、自分がどのような起業を描いているのかを言語化すると良いかもしれません。

そして、世間の起業の事例をジャンル分けして考える必要があると思います。

例えば、
・商材の性質(需要の大小)
・一人仕事か複数人仕事か
・お小遣い稼ぎか平均的な会社員を上回る収入を得るものか
・対応する顧客層
といったようなことです。

そう分解していった時に、読むものが変わるかというと案外変わらないのですが(何それ)、起業のジャンルは業界を超えることが多々あり、同じ業界だからジャンルが同じだと言えないことが分かります。

考え方の基軸になっているものが大切です。
会社を辞めて個人で起業した人の頭の中は、組織を離れて個人になるからこそできる良さを最大限に味わえるように、つまり自己実現のための構想が練られていました。

創業時に必要なコト。起業してからの生き方

資金集め

資金集めと、その先でどうなったかを記した。

「手持ち資金は起業時で400万円。2015年、25歳の時に起業を強く意識して動き始めた頃から、給料の一部を少しずつ貯金をするようには心掛けた」

会社員はお給料を頂きながら仕事の中でお勉強できる点で強い。
なお、6年間働いて辞めた時の退職金がわずかに貰えたのと、労働組合絡みの積立金などを合わせて400万円程を起業時に確保。

「周りの起業経験のある経営者には、3か月何もしなくても食べられるお金があれば良いとは言われた」

書家の仕事は認知力(知名度)と共に収入が増えることを考えると、最初の数年はあまり期待できないことが分かっていたので、それでも生活費や事業における投資もできるように余裕を持たせた。
資金が尽きればバイトをすれば良いとも思ったが、自分の時間すべてを仕事につぎ込めなくなると成長スピードが遅くなる可能性も大きくなる。

立山山頂雄山神社奉納登山|富山県の書道家藤井碧峰

「資金は1年ちょっと後にほぼ尽きた。その後バイト掛け持ちの日々を送る」

400万円もあったお金が無くなると相当なショックで、もう生きるか死ぬかだと思った。
しかし、そのハングリー精神が、書家として生きていく強い決意をもたらした。

「いつでも”自己投資”と思えるものにはお金を惜しまず、どんどんお金を投じる」

お金の蓄えも大切だが、お金を生み出せる自分になるためにパワーアップすることを好き好んで、どんどん自己投資できることが非常に大切。
セコい気持ちは心を貧しくし、良いものを生み出せる豊かさを失う。

猫|書道家藤井碧峰

顧客獲得

具体的な技術は書けないがザックリとした方向性を記した。

「身近な人には期待しない。」

家族・親戚、友人知人をお客さんに、というようなやり方は避けた。
それで収入を得たとしても、本当に商品や作家としての自分に需要があるか分からなくなる。
→資本主義が人を育てる

「【フェーズ1】ネット開拓 【フェーズ2】地域開拓」

最初は当ホームページをベースに、ネットでの顧客獲得を行うようにした。
理由は、ホームページは作っただけだと意味が無く、時間を掛けて育てるものだから。
また認知が際限なく広がることで、仕事の幅も広がり、事業の可能性が高まるから。

ある程度形になってきたところで、地域での顧客開拓を行い始めた。
立山山頂雄山神社への看板奉納、三笑楽酒造の題字揮毫、北陸銀行、富山県信用組合での作品展示があって、ようやく地域で戦えるようになったとも言う。
→一般の方にも分かってもらえる実績が無いと、直接会った人の印象にも残らず覚えてもらえない。

5/2~5/31 北陸銀行砺波支店にて藤井碧峰書作展

「商品としても選ばれるが、人間的にも選ばれるような作家に」

書家の身で生きさせていただいているのは為すべき使命があるから、という前提で活動している。
商品には、自分が手掛けるべき理由を求め、お客さんから選ばれる時も単純に”良い字を書ける人”ではなく、藤井碧峰だから”という理由を求める。
商品を手にした時の良かった、嬉しかったという感情と、様々なやり取りにおいても最高の体験をできたという仕事をすることを大切にする。

なので、藤井碧峰である必要のない仕事は当然こちらからも断る。
お金だけで受け入れるような安い男になってはいけない。

ライフプラン(結婚、出産、年金、退職金)

「結婚」

結婚は起業を決意した時点で一旦無いものとして捉えた。
理由は仕事に全ての時間を掛けずに、望む姿での事業の成功は絶対にあり得なかったから。
元々依存しない、それ無しでも生きていけると感じていた人間性もあるかもしれない。

ただ事業をしていて、ヒトとして必要なことがある時、自然と出逢いの中でそれを得たり学んでいった。
その中で、自ら結婚相手を求めなくても、仕事に懸命に打ち込むなかで自分が苦しくなっていって、自然に出逢えた良い人と結婚したのが起業から6年経った昨年のこと。

立山山頂と岩峅寺の雄山神社にて結婚式を行いました|書道家藤井碧峰

「年金」

年金という概念を超えて、年を取っても進化し続けて、ずっと働きたいと思える仕事だったことも魅力だと感じて書家になった。
他の仕事であっても、年金ありきのライフプランは想定したくない。
働けるうちは自ら働いて収入を得ることでしか安心感を得られないと思う。

健康的で若々しくあるためにも、意欲的に働き続けたい。
そういう意味でも、稼ぎ続けられるための自分になれるように、今という時間を大切に生きることが求められている。

【亀鶴】|書作品の販売・制作・依頼|書道家藤井碧峰

独立起業する時に相談した相手

「とある会社の社長」

25歳、会社員の時に、車関係の集いで偶然出逢った。
前職のお客さんでもあり、地元でも稀有な凄い経営者だった。
その出逢いに運命を感じて、以前の自分なら勇気が持てなかったけど、ここで動かなかったら一生棒に振ると思い、後日知り合いづてにお願いしてお会いする機会を設けていただき、起業したいという想いを伝えた。

起業したいと言っても、具体的な方向性や内容も決まっていなかったので、どうやって見つけていけば良いかを相談したが、「好きなことに徹底的に打ち込んでみると良いよ」と言われた。
その言葉を信じて、その日から徹底的にやりたいことを思いきりやってきた。

例えば登山をしたくてもできなかった自分が、(的確な)友人を誘い出し立山に登って以来、山、特に立山が特別な場所になっていった。
あの頃から明らかに思い切りの良さや行動力が身に着いた。

【立山】自然風景ギャラリー「春夏秋冬」

「Instagramの友人」

会社を退職してすぐに、何となく会うべき人と感じていた彼らのところへ旅行しに行って交流した。書道でやるかどうかも決まっていなかったけど、”自分には何かあるかもしれない”と感じさせてくれたのがこの方々。
起業の相談というものでは無かったけど、利害関係が無くて、書の知識も深く、趣味的にも楽しんでいる友人だったからこそ、自分の事業をどうしたいかが見えた。

「大学のゼミの後輩」

起業を志した頃、自分より先にカイロプラクティックで起業していたので、融資の話など資金集めの仕方などを具体的に教わった。
そもそもカイロのお世話にならなきゃいけない身体だったこともあり自ら客になったのだけど、ほぼ同い年の人がいつも身近に起業仲間としていてくれたことは心の大きな支えになった。

起業して組織をつくること

組織化しているのは書道教室だけなので、主にこれについて述べる。

「書道教室を生徒にとっての理想郷となるように運営していった」

当初より書道教室における原理原則を大切にしたうえでの運営を心掛け、生徒にとっての理想郷となるように様々な手を打ってきた。
初期の教室づくりのうえで、大切なのは指導者が教室の方向性を示すことであり、「自分のしたいこと=想い」を常に口にし続けること。
全員がそれを理解できるとは思えないが、理解してくれた生徒が行動を共にすることによって、自然と教室の流れが変わってくる。

藤井碧峰書道教室金沢教室

「共に学んで成長していくという関係性」

自分が積極的に行動する姿を見せていると、単純に教える側の人間と教わる側の人間という関係性を超えて、共に学ぶことができる良いコミュニティが成立するようになる。

「リーダーとしての選択・決断力」

事業においては多くの場合は一人で、確かな決断をしなければいけない。
一人リーダーであり、一人従業員でもある。
時間を掛けて判断して良かったことは少ない。
重要なことでも案外3分ほど、長くても30分ほどで判断していることが多い。

投げかけられた時に、その選択の先に楽しい自分を想像できたかどうか、瞬時の判断を大切にする。
そして、リスク云々ではなく、「現状を踏まえて変えたいか、変えたくないか」を意識する。

”こう選択したから成功する”という短絡的なことは殆どなくて、選択したからには絶対に成功させてやるという気概が大切である。
でも一方で、選択の時点で失敗する人も沢山見てきたので、選択のセンスも磨き続ける必要がある。

会社員経験あっての書道家藤井碧峰。
これは間違いない事実で、そこに繋がる物語が多く存在します。

仮にお金で表現すると、会社員時代に自分の働き方に見合う満足できる収入を得ていたら、書家になる時の理想も持ち方も変わっていたでしょうね。
満たされていないからこそ、それを叶えてやりたいと思うものです。

組織の運営に関して、高校の卓球部部長時代の、腐りきった部の一からの立て直しノウハウや、会社員時代の物流オペレーターの経験が沢山あって、割とリーダーシップを取らないといけない瞬間が多くありました。
どれもが完璧じゃない場所だから学びが多かったです。

実際にそこで全力を尽くす中で、自分が何をできて、何をできないのか。
それを日々感じ取りながら、組織の中では自力でできなかったことを、一人仕事だから、また起業したからこそ自分の手で実現することが楽しみなのです。

僕の起業においては【自己実現】というものの存在が極めて大きかったのです。

プライバシーポリシー / 特定商取引に基づく表記

Copyright © 2018 藤井碧峰|正統派書道家. All rights Reserved.
ショップリンク