藤井碧峰
1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。
INFORMATION
空海(774~835)は弘法大師とも呼ばれており、真言宗の開祖でもあります。
嵯峨天皇、橘逸勢と共に三筆と呼ばれておりますが、私の中では仮名を除いて漢字の書き手の中ではダントツで空海が書が上手だったんじゃないかと思っています。
何しろ自ら唐に渡り、王羲之や顔真卿の書風を学び、その腕は唐の人達をも驚かせた能書家ですから、その腕前は言うまでもありません。
そんな空海を代表する書が「風信帖」です。
高校の頃、日本史の資料集に載っていたこの字を見て魅了されました。
当時の私がやっていたのは”書道”というよりお習字でしたが、圧倒的に存在感のある、光り輝く字に魅力を感じ、「いつかは書いてみたい」と思ったものです。
何が良いかと言っても力強いですよね。
漢字というのは元々力強いものですが、その中でも力強さがみなぎっています。
今回はこの字を書く前に、先日の投稿【書道の書き方を学ぶ古典臨書「顔真卿 祭姪文稿」】にありますように顔真卿を臨書しました。
というのも古典を臨書する時には、その字を書いた書家が参考にした書家を参考にするのが良いと考えています。(比田井天来先生の教えにもあります)
古き中国では沢山の書家と呼ばれる方がいたわけですが、多くの人が王羲之という人を学んでおり、そこから自分の書風を築いているので、王羲之を学ぶことがどれほど大切なのか分かります。
先日は半切の切れ端を使ってこんな臨書をしました。
「祭姪文稿」の3行書きの臨書です。
漢字にも色々あり、行書(草書)にも色々あり、書いた人の筆圧も違えばリズムも違います。
それを学ぶために、古典を全部臨書したりします。
とりわけ空海の「風信帖」は、顔真卿の「祭姪文稿」に雰囲気が似ているのです。
もちろん所々に王羲之を習った形跡も感じられます。
顔真卿と空海の書は激しい感じがします。
物凄く気迫を感じると言いましょうか。。。
それでは私の臨書で申し訳ないですが、最澄へ宛てた手紙「風信帖」の1枚目をご紹介致します。
最後の1枚は力尽きて手抜きっぽくなっております!笑
これをほぼ1日で書き切っているのでご容赦願います_(._.)_
本当ならこれはちゃんと滲みの出る紙で書けばもっと良い雰囲気になるんですよね。
というのも、幸いにしてこの空海の「風信帖」は原本が残っているため、墨をつけた箇所、墨が涸れてきた箇所が分かるのです。
漢字の中でも行草書の臨書作品を書く際に、一字ごとに筆に墨を付けている方がいらっしゃいますが、かつてその字が書かれた時の場面を想定すると、大抵の書が一度墨を付けたら一気に何字か書いていることが分かると思います。
そうして書いていくうちに、見た者に筆脈が分かる書が書けるようになります。
これによって更に一歩進んだ書作品が書けるようになるというわけです。
今回はこんな感じで空海の「風信帖」を書いて紹介させて頂きました。
空海の内面からあふれ出す力を感じることができる古典ですので、是非触れて頂ければと思います♪
こちらの記事と作品は2018年に臨書したものですが、その後書いたものも紹介いたします。
4、5年経過すると線質や書き方が若干変わってきますね。
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