浮き彫り表札 × 楓縮杢|書と彫刻が生む唯一無二の銘木の輝き | 藤井碧峰|正統派書道家

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浮き彫り表札 × 楓縮杢|書と彫刻が生む唯一無二の銘木の輝き

伝統と銘木の美が融合した一枚の表札

家の「顔」となる表札。
せっかくなら、より特別で、長く愛せる上質なものを選びたい。
そんな想いに応えるべく、私たちは「書道家 × 彫刻士 × 天然銘木」による彫刻表札をつくってきました。

彫刻職人や銘木店との交流のなかで、益々深まっていったのは天然銘木への興味と理解です。
木材というのは書における作品の額や掛軸の色であり、世界観をも表現する大切な土俵です。
藤井碧峰の取り扱う材料はどれもが高品質ですが、シンプルな材料の表札シリーズに加えて、更に個性際立つ一品をつくりました。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

今回ご紹介するのは、希少な天然銘木「楓(カエデ)の縮杢(ちぢみもく)」に書道家・藤井碧峰が揮毫し、富山県南砺市井波の彫刻士が浮き彫りで仕上げる逸品です。

石原様に浮き彫り表札をご注文いただいたのですが、そのタイミングで楓縮杢の表札を企画していたこともあり、材料をお見せして提案したところ楓縮杢をお選びいただきました。
制作を手掛けた私にとっても自慢の仕上がりとなった石原様の表札を詳しくご紹介します。

希少な銘木「楓縮杢」の魅力

まず、この表札のベースとなる素材「楓縮杢(かえでのちぢみもく)」は、すべての楓に現れるものではなく、木目が波打つように揺らぎ、光を受けて美しく輝く非常に希少な天然素材です。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

この独特な木目は、まるで木が呼吸しているかのような表情を見せ、見る角度によって色や質感が変化します。
家具や高級楽器の材料としても重宝されるこの木を、あえて表札に使用するのは、そこに奥深い美しさを求めたからです。

1枚1枚、まったく違う顔を見せる楓縮杢ですが、商品の取り扱いとしては、その都度在庫中の板をご紹介し、お客様にお選びいただくスタイルをとっていきます。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札
書道家の手書きオーダーメイド表札【楓(カエデ)縮杢】|天然銘木表札|書道家藤井碧峰

2025年6月現在在庫している楓縮杢の板と、他の板の比較画像をお見せします。
一列に並んでいる板の画像では、左から順にトチノキの縮杢、楓の縮杢、檜、欅です。

色合いの違いが一見して分かりやすい一方、今回制作した石原様の表札とは少し色合いが違う点も分かっていただけると思います。
ひとえに楓と言っても色合いは一枚一枚異なりますが、総合して言うと淡い紅色を帯びたクリーム色が、柔らかな雰囲気を醸し出しています。

書道家藤井碧峰が”生命感”を大切にして一つひとつ手書き

彫刻表札シリーズの大きな特徴の一つが、「書の力」。
というのも世の中の彫刻表札では、書と彫刻の重要度で比較した際に書の比重が少ない商品が殆どだったため、書に重点を置く新しい彫刻表札が生まれました。

【正統派彫刻表札『浮き彫り』】井波彫刻|藤井碧峰×山﨑新介×吉本知正|天然銘木

書に重点を置くというのは、書かせていただくお名前を大切にするという点でも大切なのではありますが、その一方でどうしても手間とコストが掛かります。
私もお名前の字を書いて終わり、というものではなく、書いた後に職人に書の魅力を更に高めるために細かい要望を伝えます。

彫刻士が手掛ける世間一般の彫刻表札の制作では、彫刻士が思うがままに制作するのが常ですが、これほど書道家が意見する表札も無く、私の感性も彫刻刀に伝えて彫っていただいています。
それがただ言っているだけでは駄目で、私自身時々篆刻をして自分用・生徒さん用に落款印を彫るものとして、彫り手の気持ちに少しでも近づけるように努力もします。

正統派彫刻表札|井波彫刻|彫刻士山﨑新介x書道家藤井碧峰|天然銘木

書は日常的に全国から手書き表札の依頼を受けている私が担当し、ご希望のお名前・書体をもとに、字のバランスや雰囲気を丁寧に吟味します。
彫刻して更に良くなる書き方もあれば、そうではない書き方もあり、そこはお客様と相談しながら、最高の彫刻表札に仕上げていきます。

井波彫刻士が命を吹き込む「浮き彫り」

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札
南砺市井波・閑乗寺高原

木に書かれた文字を彫刻するのは、富山県南砺市井波(いなみ)で活躍する彫刻士、山崎新介氏と吉本知正氏。
井波は全国でも有数の伝統工芸「井波彫刻」の産地として知られ、社寺彫刻や祭礼彫刻に命を懸ける匠の技が今も息づいています。

今回紹介の楓縮杢の表札は、文字の周囲を削り、文字を立体的に浮かび上がらせる「浮き彫り」仕上げ。
ただの機械加工とは異なり、細部まで鑿(のみ)で彫り込み、木の温もりと書の力強さを表現しています。

字の周りの箇所をサンドペーパーでならす方法もありますが、刃物で仕上げた面とペーパー掛けした面では質感が異なってきます。
一般の方には分かりにくい点ですが、日々木材を取り扱う者にとっては嘘を付けない、職人として大切にしていることで、美しさを損なわないために大切にしています。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

浮き彫りならではの陰影と重厚感、そして彫刻士による繊細な仕上げが、表札に圧倒的な存在感を与えています。

書と彫刻の融合が生む、唯一無二の表札

多くの「浮き彫り表札」は、機械加工で量産されているのが現状で、見事に平べったい仕上がりです。
また正統性の無い、平面的な筆文字で書かれているものがほとんどです。
浮き彫りは運気が良いと言いますが、名ばかりの浮き彫りは如何なものでしょうか。

こちらの画像は、一旦字の周りを彫り下げたものです。
機械加工であっても、手彫りであっても、多くの浮き彫り表札はこのように直角に立ち上がる彫り方がほとんどです。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

そこから更に手を掛けていくことによって、字に生命感を宿していきます。
下の画像は「石」のみ調整した後で、「原」と比較していただくとその生命感の違いが分かっていただけると思います。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

そしてこちらの字が墨を入れる前の状態です。
この後墨入れして完成!ではなく、墨入れした後に、私が書いた字との比較をして、調整を積み重ねます。
彫刻士が良いと思っても、私が大切にしている点が表現されていなければやり直しという工程でもあります。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

し我々の手掛ける浮き彫り表札は、元々書の立体感を大切にする私が、字に込めた“立体感”をそのまま再現&更に良くするため、熟練の彫刻士が一刀一刀手作業で彫り上げるという、まさに“工芸品”と呼ぶにふさわしいもの。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

「浮き彫りの立体感がありながら、繊細に、上品に作り上げる」
この理想を実現するために、文字の「浮かせ具合」や「立ち上がりの角度」までも細かく調整されています。
手間はかかりますが、それがこの浮き彫り表札にしかない奥深さと温かさを生んでいます。

私と吉本氏と山崎氏は、それぞれに個性ある職人ではありますが、職人魂を持って妥協無く作ることにおいて、高い意識のもと熱い気持ちで制作に向き合える、最高の仲間でもあります。

是非、この楓縮杢による彫刻表札を世に広めていきたいと思います。

【楓縮杢】正統派浮き彫り表札|書道家藤井碧峰 × 井波彫刻士が手がける高級木製表札

手書きオーダーメイド表札【楓縮杢】も誕生

書道家の手書きオーダーメイド表札【楓(カエデ)縮杢】|天然銘木表札|書道家藤井碧峰

今回紹介の楓縮杢による浮き彫り表札とともに、楓縮杢を使用した手書き表札も誕生しました。
こちらも同じ個体から取ったこともあり同じような木目ですが、非常に美しくて家にしばらく飾っておりました。

立体感がとにかく凄いですが、実際に色々な角度で光を当てて見る表札は尚更凄いです。
縮杢の魅力が伝わるようにと思いつつ、お客様に過度な期待をさせないような写真の撮影の仕方をしていてもこのような雰囲気です。

書道家の手書きオーダーメイド表札【楓(カエデ)縮杢】|天然銘木表札|書道家藤井碧峰

菅野様にご依頼いただいた表札なのですが、いつも仲良くさせていただいていることもあり、実際に取り付けしたところの写真を頂きました。
予想はしておりましたが、洋風の家にも合う雰囲気の色の材料であることが確認できました。

書道家の手書きオーダーメイド表札【楓(カエデ)縮杢】|天然銘木表札|書道家藤井碧峰
書道家の手書きオーダーメイド表札【楓(カエデ)縮杢】|天然銘木表札|書道家藤井碧峰


木目が波打つように揺らぎ、光の角度で輝きを変える希少な縮杢も、同じ木から取ったとしても一つ一つ全く異なる表情を見せるため、より特別に感じていただけることと思います。
現在在庫中の板もまた違った雰囲気があり、字を書いて仕上がった表札を見る日が非常に楽しみですね。

  • 書道家藤井碧峰が揮毫する、楓縮杢の手書き表札 一枚の木に、一つの名前。一点ものの美しさを、玄関に。 書道家・藤井碧峰が、最高級の楓(カエデ)縮杢(ちぢみもく)に、お名前を一つ一つ手書きで揮毫する、オーダーメイドの表札です。 使用する楓縮杢は、すべての楓に現れるものではなく、木目が波打つように揺らぎ、光の角度で輝きを変える希少な天然素材。 1枚ごとに異なる表情を見せるその美しさは、家具や高級楽器にも用いられる銘木として知られています。 ご注文をいただいてから、お名前とご…

    書道家の手書きオーダーメイド表札【楓(カエデ)縮杢】

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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