【体験記】新婚旅行で行く宮島・錦帯橋・秋吉台・下関・別府|車で行く感動の風景
【2日目】宮島・錦帯橋・秋吉台・下関


広島市内で一泊した翌朝、フェリーに揺られながら日本三景のひとつ・宮島へ。
これで、松島・天橋立とあわせて、日本三景すべてをこの目で見たことになります。


島に着くと、迎えてくれたのは鹿の親子。とある建物の玄関先で静かに寄り添う姿に、心がほぐれました。
その後訪れた厳島神社でも、再び鹿の親子に出会い、なんとも言えぬ穏やかな気持ちに包まれました。




朱塗りの回廊と舞台は見事で、満潮時には海と一体化するような美しさになるのだろうと、想像するだけで息を呑みます。


神社からロープウェイ乗り場までは、登山道のような道のりを歩きました。
道中もまた、鹿たちが姿を見せ、宮島ならではの自然との近さを感じます。




ふたつのロープウェイを乗り継ぎ、山の上へ。
瀬戸内海に浮かぶ島々が一望できるその景色は、まさに絶景。快晴の空が旅を後押ししてくれました。




午後は山口県の名橋・錦帯橋へ。
美しい五連のアーチ橋、その下を流れる澄んだ川の音、そしてその場の空気感に魅了されました。
あえて橋の上は渡らず、下からじっくり眺めてその構造美を堪能しました。


時間を調整して、次は秋吉台へ。
7年前にも訪れたこの地は、私にとって特別な場所。
広大なカルスト台地の中を走る道は、世界が広がるような感覚を呼び起こし、何度来ても心が震えます。




夕方には下関・火の山公園へ。
ここを訪れるのは2度目。前回は会社を辞めた直後で、夕陽が沈む光景に胸を打たれました。
あのとき、「誰も通ったことのない道を進む」と心に決めた。
起業を志し、まだ何者でもなかった自分にとって、この場所は”覚悟”の原点でもありました。
今回再びこの場所に立てたのは、隣に妻がいるからこそ。
一人では戻ってこられなかった。何も成さずに戻ることは、きっと許されないような気がしていたのかもしれません。
夕陽のあと、夜の火の山にも足を運びました。灯りに浮かぶ街の姿が、しみじみと美しかったです。

その夜は福岡・直方市のホテルへ。
偶然、花火大会があり、夜空に咲く光に旅の幸運を感じました。

【3日目】平尾台・本耶馬渓・一目八景・別府





この日もカルスト台地をめぐる旅。
まずは平尾台へ。曇り空でしたが、そのぶん静けさがあり、のんびりと過ごすことができました。
秋吉台と平尾台、それぞれの地形の違いに目を凝らしたり、焼畑による手入れの様子を見ては、自然との向き合い方に思いを馳せたり。
こうした発見こそが、旅の醍醐味だと改めて感じました。


次に向かったのは、大分県の本耶馬溪(ほんやばけい)・一目八景(ひとめはっけい)。
手掘りのトンネルを歩いたり、鵜が水面を泳ぐ姿を眺めたり、見どころが尽きません。


ただ、耶馬溪橋の一部には欄干がなくなっており、地元の方によると、増水で流されてしまったそう。
自然の美しさの裏にある脅威もまた、心に残る体験でした。




一目八景では、景色の素晴らしさに加え、かじか茶屋さんで食べた地鶏そばがとびきりの美味しさ。
「またあの蕎麦を食べたい」——そう思わせてくれる出会いがありました。

そして午後のメイン、別府へ移動。(上記画像は2018年の旅の時のもの)
ここでは、かつての書友2人と、その師匠にあたる方にお会いしました。
この3人は、私の書道人生において非常に大きな存在。
未熟だった頃の私が、道を見失わずに歩んでこられたのは、彼らの言葉と在り方に支えられていたからです。
書道があったからこその結婚。その報告も兼ねた再会に、皆が時間を作ってくださり、感謝の気持ちでいっぱいでした。
遠く離れていても、信じてくれる人たちがいる——
そのことが、私にとって大きな誇りであり、原動力になっています。

別府での時間は語り尽くせないほど濃密で、写真は1枚だけ。でも、それだけ話が実ったという証です。
その晩は温泉に浸かり、旅の疲れを癒しました。
一日目は広島・熊野町で筆屋さん巡りをしたのですが、それもまた人と会うための行程で、この別府もまた人と会うための行程でした。
書道家として7年生きてこられたのは、自分の実力だけではなく人と人との繋がりがあってのこと。
口で言うのは簡単でも、実際にどれだけ有難かったかを自分が一番身に染みて感じているので、それが今回の新婚旅行にも影響したと言えます。

この書道家の事業は、一般の方のみならず書道に関わる方々にも「応援していただける事業」であることを大切にしてやってきました。
自分のためだけにやってきたのでは成立しないことで、今回お会いした方々には本当に助けていただきましたね。
そんな素敵な方々と再会して、本当に良い旅をしてきました。
続きはまた別の記事で書きますね。