富山の田舎に生きて35年。雪という余白に生きる。 | 藤井碧峰|正統派書道家

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富山の田舎に生きて35年。雪という余白に生きる。

雪という余白に生きる

富山の田舎に生きて35年|富山県砺波市|書道家藤井碧峰

今回の冬は沢山の雪が降って、除雪やら何やら大変なものでした。
雪の降らない地域の人からは「雪が降って大変ですね」と言われますが、おそらく皆さんが思っているほどは大変と感じていないのも事実でしょう。

変な話をするのですが、35年間同じ場所に育ってきてようやく気づいたことは、自分の家の周りって笑うほど本当に何も無い。
西側とか田んぼしかないです。ほぼ1㎞ほど。
そんなことずっと前から知っているけど、深く認識するには色んな場所に行くという経験が必要でした。

これが雪が降ると非常に美しかったりするのですが、一面真っ白でしてね。(その写真は無いのだけど)
自分は35年間生きてきて、こんなに平地で真っ白な景色を楽しめる場所も貴重だなと感じました。
【僕は余白の中に生きている】とも感じました。

富山の田舎に生きて35年|富山県砺波市|書道家藤井碧峰

よくお客様からからも、周りの先生方からも、余白が美しいと言っていただけるのですが、余白の中に生きてきた人間からすると、自然と思っている余白と黒のせめぎ合いが、日常の中で既に構成されているのではと考えます。

制作を手掛ける手書き表札の類も、字の大きさは結構こだわっていて、数ミリの差で違和感が出たりするのですが、それもまた自分独自の感覚なのかもしれません。
”大きめに”と要望を頂いたりもするのですが、余白を綺麗に取らないとうるさくて見飽きることがありますので、あくまでも自分の感覚を大切にしています。

音に関してもあまりうるさいのは苦手でして、落ち着いた静かな空間ながら少しは音が聞こえるという感じが好きなもので、主張の激しいものは避けていますかね。

富山の田舎に生きて35年|富山県砺波市|書道家藤井碧峰

雪は大変なものと捉えると憂鬱なものでしかありませんが、雪があるおかげで忍耐強さが生まれたり、人の作る空間の温かさをより感じられるのかもしれません。
そして、スキーなどのウィンタースポーツもただ雪や寒いことをマイナスなものとして捉えるのではなく、良いもの、楽しいものとして捉えたところに、この地に生きる人の前向きな強さがあると思います。

雪が降ったら除雪は大変ですが、スキーヤーとしては新雪を楽しめたり、スキー場のコースが全面滑走になる可能性も高まって、そういう気持ちのうえでの日常の楽しさを味わえたりします。
雪道の運転も車次第では結構楽しいものですしね。

書道においては、膠系の墨液は18℃以下になるとゼリー状になって書きにくいため、寒い時期の部屋の使い方や、各種の対策等大変ではあります。
ただここで生きていくからには、そういった自然現象も楽しみながら書いていきたいし、目に見えるものを愛しながら、自分の世界に取り入れながら、これからも生きていきたいと感じています。

そんななかで諦めが若干ついていることもあるのですが、うるさい作品は書こうにも、自分自身が受け付けないので書けないのかなと思ったりします。
何も今からそんな断定をする必要も無いのですが、難しいような気がしています。
いずれこう言っていたことも笑える日が来るのかもしれませんね。

この記事の著者

藤井碧峰

1990年2月富山県砺波市生まれ。平成生まれの若手書道家として、古典臨書に基づく正統派の書が持つ本物の字の良さを追求しながら、現代的で、誰よりも敷居の低い、身近な書道家を目指して活動しております。第七回比田井天来・小琴顕彰佐久全国臨書展 天来賞受賞。令和元年、日本三霊山 立山山頂 雄山神社峰本社に看板奉納。

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